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第1章【人事制度改定後に忘れがちな教育と採用】人事制度が失敗するときの典型例

最終更新日:2024年5月23日

せっかく人事制度を新しく導入しても、思うように運用できず失敗に終わってしまう事例はよくあるものです。
今回の記事では、新しい人事制度を導入した後、しっかりと効果が継続するために大切な教育と採用についてお話します。

特に本記事では、人事制度が失敗する実際の典型例についてお話します。

*本記事は5分程度で読むことができます。

またこちらは当社代表の平康慶浩が2023年8月自社セミナー(夕学セミナー)にて講演した内容を全3回にわたってご紹介する記事です。中でも、本記事は「第1章」となりますので、ぜひ全ての記事をご覧いただけると嬉しいです!


人事制度が失敗するときの典型例

人事制度が失敗する場合の典型例

まず、人事制度が失敗する場合の典型例を3つご説明します。

制度そのものが難しく、使いこなせない
1990年代、コンピテンシー(行動)評価の導入が流行しましたが、当時の評価シートは1人10枚にもわたるほど複雑でした。
このように複雑な制度では、うまく使いこなせない場合があります。

現場管理職が制度を理解せず、過去の悪い運用が残っている
制度を刷新しても、現場の管理職が制度を理解していないと過去の運用が続けられる可能性があります。
例えば1on1面談を導入しても、管理職が導入の意義を理解しなければ、上司とのコミュニケーションは改善されません。
また、生産性の向上のために残業を減らすことを目論見ても、現場管理職が部下が自分より早く退勤することを許さないというケースもあります。

評価結果までは制度に沿ってつけるものの、最後に社長修正が入る
評価フローを整備して、公平な評価をつけられる制度を設計しても、結局最後に社長の修正が大きく入ってしまうケースです。
これは、人事部主体で設計した制度にて起きやすい問題です。この問題に対処するためには、人事制度の設計に社長も巻き込む必要があります。

どんなに良い人事制度でも、間違った運用がなされるのであれば、制度設計は徒労に終わってしまうと言えます。

管理職への評価者教育

ここで、人事制度のコアとなるのは誰なのか、考えてみましょう。
答えは人事部でもなく、経営層でもなく、管理職です。
管理職層をどう制度に巻き込んでいくかを考えることが重要です。

それならば、「管理職に対しては評価者教育をすればよい」と考える方も多いかもしれません。しかし、まずは評価者教育で必要なポイントを理解しておく必要があります。

20年ほど前に、人事評価、目標管理制度はSMARTにしなければならない、という考え方が生まれました。
SMARTとは、5つの英単語の頭文字です。
Specific(具体的な)、Measurable(測定可能な)、Achievable(達成可能な)、Relevant(関係のある)、Time-bound(期限が明確である)から構成されます。

しかし、この考え方は古く、今では重視されていません。

今どきの評価者教育のポイントとは、管理職は自己認識ができておらず、会社の言うことを聞かない可能性があるという前提で考えることです。事実、管理職の中には管理職の適性に欠ける人もいるものです。これは優秀なプレイヤーを管理職に昇進させる会社にありがちな問題です。

とは言っても、人は突然には変われません。
そこで、プレイヤーとして優れていた方にはプレイヤーのまま継続活躍してもらい、管理職には外部からの中途採用者や、適性のある若手社員を充てる必要があります。
このように、管理職の入れ替えを推し進めるのが大切です。

また、管理職の入れ替えをするだけでなく、求める管理職の基準の見直しも大事です。

これからの管理職

これまでの典型的な管理職は、優秀なプレイヤーでした。
しかし、これからは場を作るリーダーと、成長を支援するマネジャーの2つのタイプが求められます。

管理職タイプの変化を知ったうえで、自社に必要な管理職のタイプ、スキルの基準を明確に設け、それに沿った教育や採用、昇進を実施する必要があります。

まとめ

今回は、人事制度が失敗するケースや、管理職タイプの変化についてお話しました。管理職を人事制度の中心として考えていくことが、人事制度の成功につながる、ということが今回のポイントです。

次回は第2弾で、具体的な評価者教育についてご紹介しますのでぜひそちらもご覧いただければ嬉しいです!


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