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第2章【人事制度改定後に忘れがちな教育と採用】評価者教育について

最終更新日:2024年5月23日

今回の記事では、新しい人事制度を導入した後、しっかりと効果が継続するために大切な教育と採用についてお話します。

特に本記事では、具体的な評価者教育についてご説明します。

*本記事は5分程度で読むことができます。

またこちらは当社代表の平康慶浩が2023年8月自社セミナー(夕学セミナー)にて講演した内容を全3回にわたってご紹介する記事です。中でも、本記事は「第2章」となりますので、ぜひ全ての記事をご覧いただけると嬉しいです!

第1章では、人事制度が失敗するときの典型例に関してお話しています。


評価者教育は一朝一夕で終わらない

公平性や納得性はゴールではない

公平性や納得性を評価者研修のゴールとして挙げる会社があります。
「正しい評価」を目的としているためです。しかし、それが本当に正しい評価といえるのでしょうか。

結果が出せない人に正しい評価をして、低い評価をした場合、「努力したのになぜ低い評価なんだ」と反発される場合があります。つまり、正しい評価には公平性や納得性が必ず伴うわけではないのです。

ここで大事なのは、その評価制度は何のためにあるのか、ということを考えることです。

評価制度の目的

人事評価制度は、社員の方向をひとつにまとめるためにあります。そもそも、事業戦略を一人一人の動機や行動に反映させ、達成させるためのものです。

評価の仕組みは会社の方針に基づいた、社員の方向性を示し、その達成具合いを評価するものです。
公平性や納得性は、その過程で高まります。

公平性や納得性を評価制度のゴールにした瞬間、その制度の失敗は目に見えてしまいます。

評価の対象が職務、成果、能力、行動等のどれなのかを期初に明確にすることが必要です。

評価者研修

評価者研修の内容は、人事制度や業界や職種、組織風土によってアレンジすることで、評価者が自分ごととして理解しやすくなります。

また、自社の評価制度のクセを理解することも大切です。

以下は、評価者研修の基本構成です。後ほどご説明しますが、期初・期中・期末と段階を分けて会社にあわせた研修を行います。

認知バイアスへのアプローチ

認知バイアスとは自身の成功体験を踏まえた自分自身の中で認知しているもので、正しい認知と誤りの認知の両方があります。

自分自身がその環境で成功したために良いと思っているようなことでも、一般の人からすれば良くないと思われるような場合があるため、注意が必要です。

会社においても、自社の常識が今後の時代の常識に当てはまらなくなってしまう可能性もあります。
そのために、評価者の認知バイアスをチェックしておくことが有効です。

タイミングごとに最適化した評価者教育

効果的な評価者教育は、会社の年間の業務スケジュールに合わせて複数回実施することです。

期初には認知バイアスのアセスメントをし、評価者の特性を踏まえて目標設定や共有をします。

そして期中には半年経過時としてフィードバック、今後の対応などを話し合います。

期末では、当期の評価者の評価が目的ではなく、来年度に向けた当年度の振り返りやフィードバックを行います。

また、当社ではナッジメールという手法を有しており、半期ごとではなく都度評価者の確認をし、記憶定着を図っています。

まとめ

今回は、評価者教育について具体的にご説明しました。

評価者、管理職については第1章でも内容に含んでいるため、ぜひそちらもご覧いただけると理解が深まるかと思います。

次回、第3章(最終章)では管理職の採用基準やプロセスについてご説明しますので、ぜひご覧ください!


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