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ERG理論から学ぶ、従業員満足度の向上と求人広告の訴求ポイントを解説

求人広告が上手くいかない
社員の従業員満足度が低く離職率が高い

とお悩みの方へ

その原因を調査し、今の制度を改革したい
と思われている方へ、新しい視点からの
ご提案をしたいと思います。

アダルファーのERG理論はご存じですか?

よく似たものとして
マズローの欲求5段階説がありますが
より実戦で使いやすい理論です。

きっと貴方は
採用活動と入社後の社員満足度の違いが
一つの理論で説明できるのか?
と疑問を持たれていることでしょう。

もし、そう感じた場合は
ぜひ最後まで読んで頂きたいです。

今回はとても便利なフレームワークとしても
活用できるERG理論について解説します。

(今回はちょっと長いので目次を付けます)

ERG理論とは?

ERG理論をご説明する前に
貴方も一度は聞いたことがある
マズローの欲求5段階説から
先に説明させてください。

【マズローの欲求5段階説】

利己的欲求 自己実現欲求
欠乏欲求  尊重欲求
      所属と合いの欲求
      安全欲求
      生理的欲求

※1943年に発表された人間の欲求の概念で
 下位から上位へ順番に欲求を満たそうとする。
※更に利己的欲求の上位の概念として
 利他的欲求である自己超越欲求があると
 1971年に追加している。

何か見たことがある
と思い出して頂けたでしょうか?

次に、ERG理論を説明します。

【ERG理論】

成長欲求(Growth)
人間関係の欲求(Relatedness)
存在欲求(Exstence)

※1972年にクレイトン・アダルファーによって
 広まったモチベーション理論。
※一つの欲求が満たされると同位または
 上位の欲求を満たそうとするとされている。
※可逆性、同時存在性も認めている。

欲求が満たされると上位へ、
欲求が満たされないと、同位の欲求、または
下位の欲求を満たそうとする傾向があります。

つまり、必ずしも存在欲求を満たさないと、
人間関係の欲求を満たそうとする訳ではなく、
また成長欲求も同時に発生することがあり得る
といった特徴があります。

では、それぞれの欲求について
採用活動の場でどう生かせるのか?
解説していきたいと思います。

存在欲求(Exstence)

存在欲求(Exstence)は、
人間として存在するための低次欲求です。

5大欲求説と比較すると
生理的欲求・安全欲求に当たります。

職場に例えると…
安心して働ける職場であることを指します。

・安全に働ける職場か?
・上司に恫喝されないか?
・食堂や更衣室、仕事場は清潔か?

求人広告に例えると…
待遇面が基準をクリアしていることを指します。

・時給は平均以上か?
・休みはきちんと取れるのか?
・残業はない、または少ないのか?

仕事をする上で必要最低限の条件を
きちんとクリアされているかどうか?

という基準であると考えてください。

人間関係の欲求(Relatedness)

人間関係の欲求(Relatedness)は
他社と良好な人間関係を持ちたいという欲求
のことを指します。

5大欲求説と比較すると、
安全欲求・所属と愛の欲求・尊重欲求
に当たります。

職場に例えると…
長く働くために必要な人間関係の良好さを指します。

・職場の人間関係は良好か?
・人によって不平等な扱いを受けないか?
・困ったときに上司は相談に乗ってくれるか?

求人広告に例えると…
会社の魅力が訴求されているか?を指します。

・新人教育の制度は整っているか?
・福利厚生は充実しているか?
・上司と部下の面談を実施しているか?

会社が従業員を大切にしているか?
お互いを尊重して働けているか?
その具体策こそが
満たすべき基準と捉えてください。

成長欲求(Growth)

成長欲求(Growth)は
成長し続けたいという高次欲求です。

5大欲求説と比較すると、
尊重欲求・自己実現欲求に当たります。

職場に例えると…
自己成長が出来る仕事内容か?を指します。

・新人の教育制度が充実している職場か?
・正しい評価がされて承認欲求が満たされる職場か?
・自ら選択してキャリア形成ができる環境か?
 (1on1の定期的な実施・フィードバック等)

求人広告に例えると…
自己成長が訴求されているか?を指します。

・若い人が活躍できる会社か?
・仕事内容が自分のスキルアップにつながるか?
・自己成長を促進する制度があるか?
 (資格取得の支援制度など)

仕事を通じてスキルアップが実感できる
ビジネスマンとしてキャリアップができる

このような社員の欲求に対して、
仕事の中で自己成長を実感できるか?
ベネフィットを提示できているか?

を基準として捉えてください。

フレームワークとしてのERG理論

では最後に、実践として使いこなすため
必要な考え方をご説明します。

今回ご紹介したしたERG理論の解説で
それぞれの段階の欲求が何を指すか?
はご理解頂けたと思います。

成長欲求(Growth)…自己成長
人間関係の欲求(Relatedness)…人間関係
存在欲求(Exstence)…安全性や待遇

これを今の各ポジションの人に当てはめて
各欲求がどのくらいの割合で存在するのか?
確認してみてください。

例えば、
日雇いアルバイトの仕事で説明すると…

【具体例】
日雇い…E:90%、R:10%、G:0%
パート…E:70%、R:25%、G:5%

※数値は自社の基準で構いません。
※定量調査や定性調査等から自社の最適解
 を探してください。

このように継続して働くパートとは
求めている欲求に違いがあるはずです。

当然、役割毎に求める欲求に違いがあり、
会社として必要とされる項目に関しても、
その差が浮かび上がってくるはずです。

自社の職場で求められる基準と
求人の際に訴求できるポイントを整理し、
言語化してみましょう。

職場環境として求められるものは
「アットホームな職場」
「心理的安全性の担保」

といった長期的な人間関係というより

短期間の付き合いであれば、
「初日に仕事をすぐ覚えられるか?」
「周りのフォローはしてもらえるか?」

の方が重視される訳です。

求人広告の場合、日雇いアルバイトで
「活躍できます!」
と成長欲求を訴求よりは、

「誰でもできる!」
「短時間で高時給!」等
存在欲求を訴求したの方が効果的です。

如何だったでしょうか?

人事担当の方がつい、犯してしまう過ち

それは、既存の人事制度の枠に囚われ、
人事考課やアンケート等、定量的な数値のみ
で意思決定をしていることでしょう。

しかし、実際に働いているのは「人」です。

仮に定量調査で目の前の不満は対処できても
心の奥底で社員が求めているインサイトには
気付くことすらできないのが実態です。

だからこそ、
ERG理論のように人の欲求から訴求する
アプローチは意外と有効なのです。

ぜひ、貴方の会社でも一つの考え方として
参考にしみては如何でしょうか?


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