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採用成功の道標、基本のキを学ぼう!(たった1時間で学べる採用の基礎講座)

9割以上の中小企業の社長さん、採用なんて
できる訳がないと最初から諦めていませんか?

ある中小企業の社長さんは
「もう配属先も決まっていたんですよ。」
と嘆いていました。

せっかく内定が決まった学生から
「御社より大手の内定をいただいたので…」
と辞退されたそうです。

また、

とある企業の人事課長さんは
「あなたに辞められたらウチは立ち行かない!
 どうか辞めないで欲しい!」
と退職を阻止しようと懇願したそうですが、

「今より待遇の高いオファーをいただいたので
 そちらでお世話になることに決めました。」
と会社を去っていったそうです。

その後、何十万も使って広告を出したのですが、
「気になって夜もあまり眠れず、待ち続けたのに…
 応募がゼロですよ!あり得ないですよ。」

最後には、
「何か得をしているのは広告会社だけなので
 もう二度と求人広告は出しません!」
と怒りに満ちた声でお話されました。

このように採用競争は激化の一途です。
少子化で労働人口が減少し、転職市場は活況で
優秀な人材はすぐに引き抜かれてしまいます。

当然、残った社員たちで頑張る訳ですが
あちこちで人が足りないとみんな困っています。

でも、儲かっているのは広告会社ばかりで
応募が集まらないなら、もっと良いプランで…
と「広告の枠」を売り付けられます。

私は事業会社で採用の実務に携わり、
企業様の採用活動を支援している者ですが、
出来ればこうした嘆きの声を無くしたい…

特定の人だけが得をするような
アンフェアなゲームに巻き込まれないように
採用のイロハを知っておく必要があります。

しかし、
採用の話になると中小企業の社長さんは
「ウチは大手みたいに知名度がないから…」
と尻込みして諦めてしまいます。

支援をしたいと申し出ても
「あなたも高額なお金だけ取って
 成果が出なくても知らんふりだろう?」
と話も聞いてもらえません。

採用支援の業界はモラルが下がったのか?

求人広告の営業は販売員であって、
採用の知識が足りないから支援ができない!

企業のことを何も理解せず、上っ面だけで
キレイな記事を書こうとするから応募がこない
そんなコピーライターはもう必要ない!

広告会社の人も一生懸命なのは分かります。
しかし、残念ながら知識不足が原因で
発注者の期待に応えられていません。

そのように感じてなりません。

もうそれなら、
「基礎的な知識は全部無料で公開しよう!」
このように思い立った訳です。

しかし、中小企業の社長さんは
みなさん口を揃えてこのように言います。

知名度がないから応募がされない
リソースが足りないから採用ができない
中小零細にはノウハウがないから無理

果たして本当でしょうか?

私は声を大にして言いたい!

断じて否である!

確かに成果を完全に保証するものは
世の中には存在しなでしょう。

人材紹介では年収の3割分頂きますと
法外な金額を要求されてしまいます。

しかし、
規模の大小、知名度の有無にも関わらず、
正しい知識を身に着けるだけで、
採用活動が好転した企業も存在することを
ぜひ知っていただきたいのです。

だから、普段から使っているメソッドの中で
今回は「たった1時間で学べるキホンのキ」を
ご紹介させていただきます。

こちらを最後まで読んでいただき、
知っている」から「できる」になってもらい
ぜひ明日からの採用活動に活かしてください。

本書を読む前に、
あなたに一つお願いがあります。

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よろしくお願いいたします。

【今回の記事のゴール】
採用の基礎を学び、明日から使える知識を習得しよう!

【この記事をお勧めしたい人】
採用に関わる全ての人へ、特に中小企業の社長、人事責任者等


1-1.最初に覚えることば「歩留まり」


まず、採用の仕事を上で、
最初に覚えて欲しい理論から説明します。

それは「歩留まり」ということばです。

歩留まりとは?
一般的には製造現場で使われる用語で
加工に際し、使用原料に対する
製品の出来高の割合のこと
です。

採用における歩留まりとは、
応募から入社まで採用選考の工程において
ある工程から次の工程への移行率を指す言葉
として使われます。

つまり、応募してくれた人が10人
面接に来てくれた人が5人だとすると
面接率は50%ということになります。

一般的に面接率は40~50%くらいが平均
(業界、職種によって異なりますが)
なので、特に問題はないと判断できます。

なぜ、歩留まりという
あまり世間では一般的ではない用語を
採用の基本であると位置づけるのか?

それは、採用活動において
歩留まり率こそが、選考過程における
異常を発信するシグナルだから
です。

つまり、
採用活動の健康診断のような役割
あると考えているからなのです。

自社の採用活動において、
現在の数値と目標とするKPIの設定は
とても重要となります。

単に採用人数が〇人では全然足りないのです。
その目標はKPI(※)ではありません。
KGI(※)と呼びます。


※KPIとKGIの違い

KPI(Key Performance Indicator)
…ビジネスにおける過程を見る指標
KGI(Key Goal Indicator)
…ビジネスにおける結果を見る指標

採用でいうKGIとは採用人数であり
KPIとは各工程における歩留まり率を指す。


1-2.歩留まりの理論を理解しよう


ではここから具体例を説明します。

ある採用担当者がスカウトメールを
1,000通送信して、5名の採用を目標とした場合
その結果を数値化したものです。

ここでは個々の数値から何を読み取れるか?
トレーニングをしていきたいと思います。

まず、図1をご覧ください。
黄色のセルとグラフの青枠を見て
何が読み取れるでしょうか?

グラフだけ見るとシンプルに
角度がガクッと下がっていますよね?
果たしてこれは異常なのか?

答えは、異常ではないということです。
これは応募と応募の数値の違いです。

自社のスカウトメールの応募率が10%
これが同じ業界内でどうか?
比較してみて問題ないか確認しましょう。


次に図2をご覧ください。
グラフを見やすくするため、スカウトメールから
の歩留まりはカットしました。
カジュアル面談から採用面接の設定率です。

「設定」とは、予約の段階であり、
「実施」とは面接の実施人数となります。

では、赤い数値をご覧ください。
採用面接の設定率が40%とありますよね?
これは一般的な数値となります。

前半でもお伝えした通り、
40~50%が平均となりますので
それ程問題のある数値ではありません。

では、見直す所はどの部分でしょうか?


最後に図3を見てください。

内定通知が17%とあります。
これは正常な数値でしょうか?

この数値だけを見て一概に異常とは言えません。
ただ、カジュアル面談を経ているにも関わらず
この数値が示すことは、おそらく…

面接官の採用基準が高すぎる疑いがある

これを確認してみましょう。

それ以外にも、例えば…
採用要件の基準が高すぎた。
・採用面接自体に問題がある。
・部署のメンバー間で基準が不明確である。

そんなことは起きていないでしょうか?

この表では、採用面接後の辞退率がありません。

もし仮に圧迫面接をしていたらどうでしょうか?

内定通知を出す前に
大量の辞退者が出ていたとしたら…

そう考えると、健康診断と例えた意味が
分かっていただけるでしょうか?
数値で理解するのはとても重要なことです。

少し極端な例をお話しましたが、
これ以外にも内定辞退があるため、
少し多めに内定通知を出す工夫
必要なのかもしれません。

ただ、私がここで注意している点があり
採用基準を下げ過ぎることは危険である
とお伝えしておきます。


2-1.よくある採用の失敗


採用活動において
成功の法則は、各社で違うため、
定義するには、いくつかの手順が必要です。

しかし、
失敗した事例はお決まりのパターンがあり
あなたの会社でも起きていないか?
一緒に確認していきましょう。


よくある失敗①
人事と現場で必要な要件が一致しない

これは現場からよく聞く話です。

採用時はSPI等、能力面や性格面の診断をしたり、
面接で志望動機等を聞いてポテンシャルを
測ったりしますよね?

採用選考で求められる要素は、
基礎学力や論理的思考など、
頭の良い人が採用され易い傾向にあります。

一方で、現場ではどうでしょうか?

コミュニケーションスキルは勿論必要だと
思いますが、それ以上に素直さや忍耐力が
必要だったりしますよね?

また、体力面を測定して採用しませんから
現場では全く通用しない頭でっかちな人材
を採用することはよくあることなのです。

これでは現場としては
求める人材とは違う人を採用したと
不満を持ってしまいます。


よくある間違い②
自社の社風に合わない人材を採用する

どの企業にも働く人のカラーが存在します。

例えば、
明るく誰とでも仲良くなれる人が多いとか
特定の分野に特化したプロ集団など

お客様や協力会社から関心されるような話は
自社では気付かない魅力となります。

そうした人が集まって会社は成り立ち
この集団がもつ価値観こそが社風なのです。

主に中途採用において発生し易いのですが、
社会人経験がある程度長い人材を採用した時
自社の社風に合わない人材を採用してしまう
場合がどうしてもあります。

特に、中小企業においては社長の圧が強いと
人事側は求められている人数を揃えることを
使命としてしまいます。

その結果、選考の基準を下げてしまい、
スキルのみで採用するという状況に陥ります。

客観的な視点で自社はどういう会社で
社員には何の能力が求められており、
どのような価値観で仕事をしているのか?

きちんと言語化で出来ていないと
選考の過程で行き違いが発生するのです。


2-2.求める人材はどう定義するか?


次に採用のゴールとは何か分かりますか?

決められた人数を採用することですか?
高学歴の人を多く採用することですか?
それとも
国家資格を持っている人でしょうか?

いいえ、すべて違います。

本当に大切なことは採用した人が
自社で活躍してくれることなのです。

こうした人材とは何か定義することを
採用の『要件定義』と呼びます。

この要件定義は一般的に
以下の2つのアプローチがあります。

【要件定義のアプローチ方法】
①現在活躍している人材から決める
②未来に求める理想人材を定義する

最も一般的な方法として
ジョブディスクリプションを定義する
のが一番分かり易いと思います。

これは日本語で「職務定義書」と呼び
特定の職種で求められる能力や
権限、責任の範囲、具体的な指針等
細かく設定されているものを指します。

これを満たす人を採用すれば良いのですが
もう一つ注意することがあります。

【要件定義の条件設定】
採用時に必須となる条件
②あれば良いが育成で獲得するもの

に分かれます。

採用の世界ではMUSTWANTと呼ばれ、
例えば営業担当に必須と言われがちな
コミュニケーションスキルは
具体的に掘り下げると複数あります。

所謂、愛想の良い、人から好かれる話術
といったスキルではないとする企業も
最近では増えてきています。

例えば、ある営業会社では以下の内容が
MUST条件であり、その能力を審査して
採用するか否かを決めています。

・傾聴力
・誠実さ、嘘をつかない
・事実と数値に基づいた説明能力

つまり、話術と勢いで
その場限りの営業をするのではなく、
顧客と信頼関係が気付ける人が必須条件
言い換えると分かり易いと思います。

昔の忍耐力が求められる営業会社であれば
体力と元気、ハキハキした声があれば良い
といった条件が今でも残っていたら
それは危険信号なのかもしれません。

要件定義に曖昧な所はありませんか?
ぜひチェックしてみてください。


2-3.求める人材との出会い方


ここからは
求める人材にはどうやったら出会えるか?
ここを掘り下げて考えていきます。

先程、私は
自社で活躍できる人材
採用時に必須となる要件を満たす人
と定義しました。

彼ら、彼女らとは
一体どうしたら出会えるのでしょうか?
あなたもぜひ考えてみてください。

方法はいくつかあります。

まず知っておいて頂きたいのは、
採用人数が多い大企業の動きです。

彼らは資本力を活かして、
求人メディアへ大々的に掲載して
スカウトメールを一定の条件を満たした
マスへ投下する方法が一般的です。

また、近年では
オウンドメディアリクルーティング
主流となり、自社メディアからの流入を
図るために様々なイベントを開催します。

また、スカウトメールでピンポイントに
釣り上げた求職者に対して、
リクルーターカジュアル面談を実施、
そこで口説いて選考やイベントへ誘う
といった手法が増えてきました。

当然、高学歴な自社の要件を満たす層に
条件面の良さを最大限PRしていき、
求職者へより良い採用体験をして頂ける様に
配慮して選考を行っていきます。

しかも、規制緩和などの流れを受けて、
早期化がより進み、新卒一括採用から
通年採用へシフトする企業も
今後はより一層増えてくることでしょう。

そうなると中小企業では
高学歴の優秀層と出会えない
といった現象に映ってみえるのです。

では、ここからは
中小企業が求める人材を獲得する方法
を解説していきます。

予め言っておきますが、
絶対にこれが正解とは限りません。
それがあるなら、私が知りたいくらいです。

それでも、現在取り得る方法の中で
成功する確率が少しでも上がる方法を
いくつか抜粋して提案します。

成功確率を上げる方法①
新卒採用よりも第二新卒を狙え!

これはオーソドックスな発想で
まず新卒採用では求人メディアに
高額を支払って掲載しても応募自体が
減少して困っていることでしょう。

やっても意味がないと言っていません。
コストと成果が見合わないので
避けた方が良いと言っているのです。

第二新卒であれば、
競合他社が少なくなりますし、
中途採用と同じく通年でじっくり臨める
という点も良いのではないでしょうか?

あとは、新卒入社した企業に
耐えられずに辞めた人を雇いたくない、
就職浪人した人を雇いたくない…

という偏見を捨てられるか否かです。

成功確率を上げる方法②
積極的にSNSを使って発信をせよ

大企業が人気の理由は
本当に安定しているからではありません。

見かけの数値が良いから
安心したように錯覚しているだけです。

以前にお話したことがありますが、
VUCAの時代、学生はみんな不安なのです。

あなたの会社で働くと
従業員たちはどんな安心感、やりがいを
感じて仕事をしていますか?

数十年後も生き残っていけると
自社の強みをアピールできますか?

様々な角度からエンタメ要素を取り入れて
可能であれば社長が自ら広告塔になること
が望ましいと思います。

学生も社会人も
あなたの会社のことを知らないんです。

知らない会社は不安に感じますし、
不安に感じたら誰も応募はしてくれません。

特に応募が来なくて困っている会社は
自社の現実を直視することから
始めないといけません。

成功確率を上げる方法③
スカウトメールに社長の想いを込めよ

大抵の企業でSNSに出てくるような社長は
やりがいのある仕事と綺麗なオフィスを
自慢するかのように見せつけてきます。

そういった表面的なことで
集まってくる求職者が結構います。

仕事にするために来るのですから
職場環境仕事内容が商品なのです。

だから、
どんな職場でどんな仕事をしているのか?
一緒に働く仲間はどんな人たちで
みんなで何を目指して頑張っているのか?

誰のための、何の会社なのか?

これをしっかり記載してください。

求職者の一人一人に手間であっても
プロフィールに目を通した方が良いです。

一体、どのような理由で
求職者の力を必要としているのか?
そこを明確に伝えるのです。

そして、いきなり選考ではなく、
イベントへ来てください、
カジュアル面談をさせて欲しいと
まずは会う所から始めましょう。

あとはしっかり口説いてから
選考へ進んでもらうようにしましょう。

このステップがミスマッチを防ぐ役割
も果たしてくれるのです。


3-1.選考設計はなぜ重要なのか?


あなたの会社の採用活動において
選考プロセス設計という概念はありますか?
(以下、「選考設計」と記載)

「当然じゃないか!」
そう思ったは具体的に何をイメージしましたか?

・どのような職種の人が何人必要か?
・求める人物像を求人広告に書いているか?
・求人広告は何を使うか?
・どんな選考のツールを使うか?
・面接は誰が担当するか?

この中で間違っている点は一つもありません。
すべて大切なことです。

しかし、
これらを選考設計と呼んでいるようでは
内容が浅いと言わざるを得ません。

採用活動の肝』ともいえる
選考設計をしっかり計画しておくと
大きく3つのメリットがあります。

①採用した人の能力にバラつきが少ない
②誤認識によるミスマッチを防げる
③内定辞退率を下げる効果がある

こんな良いことばかりなら
ちょっと見直してみよう!
そう思って頂けると幸いです。

次に、この後何度も出てくる
キーワードが3つありますので
こちらを覚えておいてください。

①見極める
②惹きつける
③予め決めておく

採用活動の工程の中で
本章の内容は『計画』の工程です。
次に『集客』、そして『選考』へ移ります。

選考設計とは、『選考』の工程において

『見極め』と『惹きつけ』の要素を
どのように配置していくのか?
これを予め決めておきましょうね。

というものです。

ポイントは行き当たりばったりの採用や
面接官の属人的な能力に頼るのではなく
きちんとシナリオがあるという点です。


3-2.選考設計とは具体的に何をするのか?


詳しく説明する前に見極め惹きつけ
ザックリと押さえておいてください。

難しく考える必要はありません。

見極め企業目線
惹きつけ応募者目線

良い人材だろうか?
良い企業だろうか?
とお互いがチェックし合っているのです。
そして成約すると採用、そして入社となります。

いわば仕事のお見合いのようなものですね。

また、ここで重要なことは
企業側と応募者は対等であるという意識が
人事の方にあるか否かで大きく変わってきます。

「志望動機は?」
「それって誰でも当てはまるよね?」

こんな上下の関係で
企業側が求職者を間引く作業でありません。

あくまで求める人物像として
自社に合っている人を探すものと考えてください。
面接者も求職者から評価されている点を
絶対に忘れないようにしなければなりません。

では、もっと具体的に
何をどうするのか深堀りしていきます。

見極めとは、
前回ご説明した採用の『要件定義』で決めた
MUST条件を洗い出します。

そして、
いつ、何を、どのように確認するのか?
予めて決めておくのです。

例えば、
一定の学力が必要なホワイトカラーの正社員
将来の幹部候補を新卒で採用するとしたら…

一次選考で、書類審査を設けて
学歴をチェックするかもしれません。

あるいは、SPI等を使って学力をテストし、
一定の数値で足切りする方法もあるでしょう。

また、地頭をチェックする目的で
グループディスカッションで発言を確認して
的確なプレゼンをするか試すかもしれません。

つまり、
一定の学力を確認する方法だけでも
様々な方法と基準があるのです。

前年も同じだったから…

そんな理由で選考設計をサボっていませんか?
採用設計は時流に合わせる必要があり、
毎年必ず見直すことをお勧めします。

一方で、
惹きつけに関しては求職者へ視点を変えます。

以前、ご紹介した
採用CX応募者体験
が良いと内定辞退率がグンと下がります。

最初はちょっとした興味程度の理解を
徐々にアップデートを重ねていき、
最終面接の段階では、一通り応募した企業の
事業内容やビジョンが腹落ちしている状態へ
意向醸成が図れる
とベストとなります。

従って、
どの時点どんな情報を提供するのか?
この選考の段階ではここまで知って欲しいと
いう内容も面接者へ共有する必要があります。

より情報を詳しく伝えると
条件面だけではない
事業内容やビジョンに共感が持てないとき
求職者は途中で辞退することもあり得ます。

それで良いと私は考えています。

内定後の辞退、とりわけ承諾後の辞退は
採用計画を狂わせる最悪のシナリオです。
絶対に阻止しなければなりません。

自社の面接内容を想像してください。

ただ、『決まりごとだから…』と
淡々と自社の事業内容やビジョンを
伝えてしまっていないでしょうか?

正しく伝わっていないかもしれない

そう感じた要素が一つでもあれば
設計を見直してみることをお勧めします。


3-3.選考設計は採用の設計図


採用の経験が浅い方の中にはここまでの
解説した内容がピンと来ないという方も
いるかもしれません。

では誰でも理解ができるように、
求人広告(集客)に関連付けてご説明します。

ただ、個人的な感想ですが、
私はなぜ、広告媒体の話や集客イベントの
テクニック論にばかり注目が集まるのか?
正直、疑問を感じていました。

しかし、色々お話を伺っている内に
ある仮設にたどり着いたのです。

特に新卒に言えることですが…

集客のイベントは非常に楽しく
学生との一体感が心地よいから。
この工程が最も重要であると
勘違いしているのではないか?


ということです。

学生も採用担当やリクルーターの
キラキラした姿に憧れて企業を選んだ
という話をよく伺います。

この体験は、参加した学生はもちろん
開催した企業側の採用担当者の心にも
きっと印象に残っていることでしょう。

しかし、
この高揚感は数日で薄れます。
学生はまた新たな出会いがあって
その度に目移りしてしまいます。

だから、高揚感がある内に、
速やかに次の選考過程へ誘導してもらい
熱が冷めない工夫が必要なのです。

また、採用面接での丁寧な説明や、
SNS等を通じての情報提供を行い、
関心を常にこちらへ向けておかないと
いけないという意識がありましたか?

新卒なら、
イベント、会社説明会、カジュアル面談等
から先、ESの提出後からが勝負なのです。

中途なら、
職務経歴書を確認して一次面接へ誘導した時
からが勝負なのです。

第2章でご説明した『要件定義』は
集客ではどのターゲットへ記事を書くのか?
ターゲット=『ペルソナ』へ繋がります。

本章の『選考設計』は求職者目線に立つと
応募者の気持ちの変化を示す
カスタマージャーニー』そのものです。

だから、
一気通貫で考える必要がある
それが一番伝えたかったことです。

採用したい人を定義し、選考設計を行い、
集客から選考を計画通りに進めることで
CX(応募者体験)が完成するのです。

正に、選考設計とは
採用の設計図のようなものなのです。

設計図を持たずに一体どうやって、
採用活動という自社の一大イベントを
進められるのでしょうか?

だから、選考設計は大切なものであり
決して甘くみてはいけないと思うのです。

今後は経験に裏打ちされた勘だけでは
(経験や勘も重要なのですが…)
通用しない時代へ変わっているのです。

しかし、時代の変化に気付かない、
あるいは、今までの成功体験が通用しない
事実を認めたくない人が多過ぎるため
採用の選考設計が上手くいかないのです。

古い時代の価値観にとらわれずに
新しい勝ちパターンを見つけてください。


4-1.集客における基本キーワード


ここからは『集客』の話に移ります。

採用の一番のお困りごととして
求人広告を出したのに応募が来ない
圧倒的に多いと思います。

広告会社の営業に語らせると、
どの会社が一番成果が良かったとか
費用の高いプランが多かったからとか
色々説明があると思います。

私から言わせれば、
そんな話はもっと後であり
どうでも良い情報だと考えています。

では、
集客において一番何が大切なのか?
それは次の5つのキーワードになります。

①Why:何のために採用するのか?
②Who:誰に伝えるのか?
③What:何を伝えるのか?
④When:いつ伝えるのか?
⑤How:どのように伝えるのか?

各項目の解釈について解説します。

①Why:何のために採用するのか?

なぜ募集をしているのか?
その目的を明確に示すことです。

②Who:誰に伝えるのか?

自社の求める人物像を
明確にイメージすることで、
メッセージ内容を絞り込みます。

③What:何を伝えるのか?

仕事、待遇、仲間など、会社の魅力と
求職者にとってベネフィット(※)は
何かを明記します。

④When:いつ伝えるのか?

上記のWhat(何を)について、
どのタイミングで伝えるのか?
求職者には段階を踏んで
自社への理解を深めてもらいます。

⑤How:どのように伝えるのか?

求職者へ届けるメッセージは
主に、採用ホームページや広告、
イベント等の直接のふれあいから
選考過程における接触など様々です。

※ベネフィット
求職者にとってその仕事がもたす
明るい未来の姿のことを指す


ここで注意して頂きたいのは
マーケティングを取り入れた考えとして
最も基礎的な内容であるため、
他の方も同じ様な話をしています。

人によって解釈が異なっており、
Whenを文字通り時期と捉えたり
Howは媒体等の手段と捉える場合など…

私は一般的には上記の方が
分かり易いと思って採用しています。

この辺りのニアンスの違いは
分かり易いと思った方の意見を
取り入れてみてください。

さて、ここで質問です。
あなたの会社はこの5つの言語化、
きちんと出来ていますか?

過去に失敗した求人広告、集客イベント、
採用ホームページやランディングページには
必ずこれらの欠陥があるはずです。

例えば、
Whoを間違えると、見当違いな人に向けて
求人を出している訳ですよね?
当然、誰も興味関心をもってもらえません。

企業目線だけではなく、
求職者目線で考える癖をつけておくだけで
今まで気づかなかった欠陥が見えてきます。

では個々の項目に対して
順番に解説していきますので、
自社の採用と照らし合わせてみてください。


4-2.Whyがないと何が良くないのか?


最初は、Why(なぜ?)から解説します。

一番、良くないアプローチは
『人手が不足しています』
『誰でも出来るので来てください』
という呼びかけ方です。

ただし、これはアルバイト採用の
『私でも出来るかも』と安心させる
フレーズとして
『誰でも簡単にできる』
否定するものではありません。

矛盾しているように聞こえたでしょう?

何が違うのか?その違いを
もう少し掘り下げて説明しましょう。

「人手が不足しています」というと、
誰でも良くて、人がすぐ辞めるような
大変な仕事をさせられるんだろうな

という印象を与えてしまいます。

または、「誰でもできる」というと
個人を大切しない、酷い扱いを受ける
のではないだろうか?
と不信感を抱きます。

正社員は特に顕著に表れますが、
人は条件のみで動くことはありません。
なぜなら、心に響かないから
仮に就職しても長続きしないのです。

相手の心に響かせるには
『共感』が必要なのです。

ただし、短期間のアルバイトに関しては
このメリットを訴求することが有効です。

特に期間限定の場合は
近くて、賃金が高いことを欲しているため
『誰でも出来る』というアプローチは
求職者にとって安心できる材料となります。

つまり、この場合においては
『共感』が発生するのです。

この辺りをお話すると
一定数の方から反発が予測されます。

だからデータを取って比較してみると
アルバイトと正社員で訴求方法が違うと
ご理解して頂けると思います。

複数パターンの記事を掲載して試す
あるいは広告会社の営業に依頼して
情報を取り寄せてみてください。

きっと違いに気づくはずです。


4-3.Whyは求職者の「共感」が必要


正社員の話に戻します。

どんな仕事においても、
の②何のために事業を行っていて、
目標を達成するために
どんな人が欲しいと思っているのか?

これを掘り下げてみると
自社の魅力が言語化できるはずです。

これを面倒くさいと考えたり
求職者の目線に立てない担当者が
求人情報を媒体営業の担当者に伝えると
メリットだけ訴求する記事が完成します。

つまり、
メリットばかりが前面に出ていて
仕事に対する魅力が全く伝わらない
ただ働き易いだけをアピールする広告
です。

私はこれを強く否定しています。

先程説明した内容を整理して
各項目を言語化すると以下のようになります。

私たちは(何の)目的で
(どのような)事業を行っています。
(理想の未来)を目指すため
(どのような)人を募集しています。

理想の未来は
会社が目指す目標に共感してもらう点と
求職者にとっても
こんな未来を一緒に実現したいという
ベネフィットに繋がればベストです。

しかし、求人広告の文字数等の関係で
十分に説明できない場合もあるでしょう。

全部を説明する必要はありませんが、
端的にキャッチコピーとして心に響く
フレーズは用意しておきましょう。

以上の内容を
あなたの会社の採用活動に
当てはめてみると如何でしょうか?

時々、遭遇するのですが、
この話をすると、ある誤解が生じます。

『青臭い話ばかりしても
 やりがい搾取のブラック企業みたいに
 感じるので賛成できない。
 メリットを前面に出すべきだ!』

これは実際にある社長から
直接言われたことがあるフレーズです。

これは時代の変化と共に
ライフワークとしての仕事を理解できない
または知らないと言わざるを得ません。

今までの仕事というものは
我慢してお金を稼ぐライスワークであり、
その稼いだお金を使って
休日に家族や趣味で生きがいを感じる、
あるいは仕事終わりの一杯が楽しみでした。

これは45歳以上の経営層の世代の価値観で
今の若い世代にはない価値観です。

この仕事の意義は本当にあるのか?
社員となった時、仕事に誇りが持てるのか?
今の事業の意味や意義を考えて欲しい。

受け入れ難い世代の方もいると思いますが
時代と共に変化している価値観を
理解しようとする姿勢は大切だと思います。

これが無いのであれば、
ロボットを導入すれば良い
RPAを導入してコスト削減すれば良い

そう今の世代の人は考えています。

採用する理由として、
人手が不足しているから安価なコストで
動く手足では誰も説得できません。

社長の考えに共感
一緒に働く従業員の考えに共感

これがあって初めて
会社に魅力を感じられるとご理解ください。


4-4.Whoは地域特性が大きく影響する


次に、Who(誰に)へ話を移します。

仕事の場合はリモートワークを除いて
通勤可能な地域が限定されます。

マーケティングを行う場合、
商品の販売にはこれが限定されない
ケースも多くありますが、
店舗経営によるサービスの提供であれば
商圏と呼ばれる集客できる範囲が限定され、
これが仕事の場合も当てはまります。

都会でも公共交通機関で1時間半以内
地方なら同じ時間、車で通える範囲
どの地域の人を集めるのか決まってきます。

あと、U、I、Jターン(※)も想定して
インターネット広告であれば
そういったワードで調べている人へ
紹介するといった方法もあります。

※各ターンの違い
U:都会から故郷へ帰省する形
I:都市部から新しい都市へ移動する形
J:都会から地方の都市へ移動する形
※IとJはいずれも故郷は別の場所


4-5.Whoは生活サイクルも考慮する


求職者には生活サイクルがあります。
店舗経営でも営業時間があるように
勤務時間もターゲットに大きな影響を
及ぼす重要な指標です。

特に非正規の雇用形態の場合は
様々な事情のある方が応募されるため、
割増時給のある夜中が人気の場合も
十分考えられます。

過去の実績や求人媒体の営業担当へ
確認すると良いでしょう。

例えば、
主婦と一口で言っても
小学生未満のこどもがいる主婦
こどもがいない主婦では
全く別の生活サイクルになります。

小さなこどもがいる主婦と言えば、
お子さんの保育園等の事情から
9時~14時10時~15時が定番です。

しかし、同居している親がいたら、
極端な話、夜中の高時給バイトを
好んで働く人だっています。

若い人だけとか、男性だけといった具合に
つい、自社都合で考えてしまったり、
経験則による思い込みで決めてしまいます。

まずは、小規模に掲載してデータを取る
その地域に住む人たちの情報と
募集している求人と集まり具合を
調査をしてから決めることをお勧めします。

媒体の話は後半で行いますので
今の時点では実績データが必要であるとだけ
覚えておいてください。


4-6.Whoはスキルセットも検討しよう


仕事をする上で、最低限の必要なスキルと
入社後に教育で獲得するスキルがあります。

MUST要件:入社時点で必須要件
WILL要件:入社後に教育で獲得可能な要件

これも考え方ひとつでターゲットが
大きく変えることが可能となります。
とにかく、過去のやり方を疑うことから
すべてが始まりますので追及しましょう!

一つ、営業職を元に具体例を提示します。

営業担当者の募集をしたい場合
業種や営業の種類によって大きく異なります。

そこで、一つの視点として
以下のように分類をすることをお勧めします。

情報を整理してみると見えてくる
箇所が変わってくるため、
新たな発見があるかもしれません。

【営業スキルを分類する指標】
個人法人か?
新規既存ルート)営業か?
有形無形商材か?
アウトバインドインバウンドか?
対面オンラインか?

このようにカテゴライズしてください。
採用を続けていく中で、特定のカテゴリーに
共通点が多い求職者が応募してくる場合は
必ずそこに何かの親和性が存在します。

理想の営業担当者ではなく、
こんな職種の人なら、あとから教育すれば
自社で活躍してくれるのではないか?

そういった柔軟な視点が求められると思います。

これは経験則の話になりますが、
インバウンド寄り、オンライン寄りの方が
高度な知識と対人スキルが求められる
法人の営業により選択肢は広くなります。

インバウンド×オンラインなら
前職がコールセンターのスタッフでも
採用可能となり、採用の幅が広がるのです。


4-7.Whoのペルソナを完成させよう!


先程ご説明した
地域ライフスタイルスキルから
人物像の輪郭が見えてきます。

そして、このような人って
どんな趣味や価値観を持った人だろう?
自社で活躍している人はどんな人だっけ?
こうした考察を経て、プロファイルが完成します。

仮名、年齢、性別、住所、前職、スキル、資格
趣味、価値観…

このような人物像を「ペルソナ」を呼びます。

マーケティングの世界では
彼(彼女)に好まれるような商品開発を行い、
類似した属性の人たちに長く愛される
商品やサービスを生み出して
彼らの心に刺さる広告を展開していきます。

採用においても基本的に行うことは同じです。

ただ、自社だけでこの作業を完結するのが
難しいと感じている方も多いでしょう。

逆に、広告会社の人は
求人広告の代理店に過ぎませんので
この分野に強い人があまり居ません。

基礎的なマーケティングの知識を持たずに
媒体の営業をする人が大半です。

そこで、サービスを利用するか否かは
自社の事情に合わせて決めれば良いですが、
媒体の広告会社はこの辺りが弱いので
インターネット広告の会社に相談してみると
良い提案を受けられる確率が上がります。

ただ彼らにも欠点があり、
テクニカルな知識に偏った傾向が
見受けられるのでご注意ください。

だからこそ、外部の担当者と会話する
あなた自身がきちんと理解していないと
いいように騙されてしまうのです。

採用系のリスティング広告や
SNS広告を運用している会社の中で、
マーケティングの要素を取り入れた
提案をしてくれる営業担当者がいたら
貴重なので良い取引相手になると思います。

今回、この記事くらいの基礎は
きちんと理解していることが前提です。
質問しながら能力を測ってみてください。


4-8.何を、いつ、どこで伝えるか?


ここまで、以下の5つのキーワードの内、
Why(なぜ)と、②Who(誰に)まで
話を進めてきました。

①Why:何のために採用するのか?
②Who:誰に伝えるのか?
③What:何を伝えるのか?
④When:いつ伝えるのか?
⑤How:どのように伝えるのか?

ここからは、
What(何を)、④When(いつ)、
How(どのように)までを
セットで解説していきます。

まとめて解説するには理由があり
私は3点をセットで捉えて考えた方が
分かり易いと考えるからです。

求職者は最初から
応募した企業の志望度がMAXではなく
大半の場合は
他社とも平行して選考を進めます。

従って、
求職者が受け止めきれない
情報を最初から一気に伝えても
全く頭に残らないと考えた方が良い。

私はこのように考えています。

ここでは、第3章でご説明した
選考設計が重要や役割を果たします。

『見極め』と『惹きつけ』の要素を
どのように配置していくのか?
これを予め決めておきましょうね。

これを詳しく説明した内容ですが、
集客の工程で重要なことは
惹きつけ』の要素が
求職者との出会い~内定受諾まで
一連の流れとして設計されているか?
これが非常に重要となります。

もっと分かり易く説明すると

例えば、SNS公式ページでは、
興味関心を目的に目を引く情報を提供する。

What:求職者が興味関心を抱く情報
When:一番最初に
How:広告媒体を使って提供
   自社のブログやSNS等で広報

※CVは採用ホームページへの訪問(PV)
 求職者の連絡先(メールやLINE)の入手等

採用ホームページでは、
求職者が求める深い情報が明確かつ
分かり易く情報を提供する

What:求職者が求める深い情報
When:広告の次の段階で
How:採用ホームページや
   ランディングページで提供

※CVはイベント参加、個人情報の入手

イベントでは、
求職者のエントリーをゴールと設定して、
より深く自社の魅力を伝える

What:求職者が応募したいと思える情報
When:ある程度の情報収集を終え、
    イベント参加を希望した段階
How:イベントのスライド投影や
   体験型のディスカッション
   職場体験(インターン等)

※CVはエントリーして選考へ進めること

新卒採用でよく見られる流れに乗せると
このような流れになります。

では、
面接日程の予約では?
採用面接の段階では?
最終面接で伝えることは?

これをきっちり決めておき、
離脱率等の歩留まりを見ながら
KPIを取って仮説、検証を重ねるのです。


4-9.採用活動とは何か?


この章の最後に、
私が主張する採用活動とは以下の通りです。

仕事を商品として
計画、設計、集客、選考を通じて
自社に合った人材を獲得する
マーケティング活動である

採用は、
属人的な経験者の勘と経験からくる
職人芸の時代から、

科学的なアプローチから
数値を仮説・検証しながら進める
マーケティング活動の時代へ

舵をきった方が良いのではないでしょうか?

このように申し上げたい訳です。

目先の手法やテクニックだけに囚われず
求職者の求める情報が
欲しいタイミングで伝えられているか?

これを見直して欲しいのです。

①Why:何のために採用するのか?
②Who:誰に伝えるのか?
③What:何を伝えるのか?
④When:いつ伝えるのか?
⑤How:どのように伝えるのか?

これを言語化すると強い武器になります。
また、欠陥が見つかったら
何度でも見直してOKですので
まずは気軽に作ってみてください。

そして、何度も実験して失敗して…
その先に「自社の成功パターン」が見つかります。


5-1.新卒採用の媒体選定


新卒採用には、学生の学業に悪影響を
及ぼさないように、政府、並びに経団連が
採用の開始時期をルール化しています。

「採用選考に関する指針」
・広報解禁日:大学3年の3月
・選考解禁日:大学4年の6月
・内定解禁日:大学4年の10月

経団連が2021年卒以降の学生に対する
通称「就活ルール」を廃止し、以降の主導
を政府に引き継ぐと声明を発表したが、
政府は25卒も現在のルールを踏襲する
を発表しています。

しかし、罰則規定がないこともあり
大手の就活サイトはルールを順守しているが
他の手段(※次の章で説明する)で
早期化は進み、形骸化しているのが実態です。

上記の大手の就活サイトとは
皆さんもご存じのマイナビやリクナビ等
のことを指します。

主に学生が活用している就活サイト
( )は文系学生の市場占有率

・マイナビ(約90%)
・リクナビ(約80%)
・楽天みん就(約70%)
・ONE CAREER(約60%)
・就活会議(約55%)
・キャリタス就活(約50%)
・OfferBOX(約40%)
・あさがくナビ(約30%)

※出典:HR総研、楽天みん就
   「2021年卒学生の就職活動動向調査」

就活ナビサイトでは、
マイナビとリクナビの2強状態と言えますが
ユーザーが重複している傾向も見受けられる
ことから、ATSとの相性や予算の兼ね合い
から選択すると良いでしょう。

※注意事項
 別の情報ではリクナビが大きく
 シェアを落としているという情報もあるので
 個人的にはマイナビの方をお勧めします。


次に費用面に関してイメージだけでも
持っておいて頂きたいと思います。

マイナビの料金形態を以下に記載します。

金額はいずれも1シーズンとなりますので
アルバイト等の媒体と比べると割高に
感じてしまうと思います。

バリュープラン:80万円
基本パッケージ:160万円
プレミアパッケージ:295万円

当社ではそんな予算はないから掲載しない
と即答される企業も多いと思います。

掛けた費用を回収できるなら
当然掲載するべきですが、高額なため、
他の手法はないものか模索する企業がいます。


5-2.SNS型の求人媒体


私は過去にも、
採用活動にSNSを意識した手法を
いくつもご紹介してきました。

自社でチャンネルを立ち上げ、
会社の魅力を伝えることが出来れば
人件費だけで採用することが可能です。

更に、
採用活動を支援するツールとして
マスに呼びかける媒体よりも
安価で済むサービスが存在します。

それは、以下の2つです。
Wantedly(ウォンテッドリー)
LinkedIn(リンクトイン)

Wantedlyは、2012年から開始された
SNS型の採用広報ツールであり、
Facebookとの連携が可能となります。
ユーザー数も140万人を超え、
今、注目されているサービスです。

費用感も月額5万円・最低6ヶ月と安価で
成果報酬なし、1ヵ月間は無料となるため
中小企業でも投資が可能な金額となります。

LinkedInは、ビジネス特化型のSNSであり
新卒採用ではメジャーではありません。
ただ、今はまだ日本で認知度が低いだけで
将来が期待できるサービスと言えます。

InMailと呼ばれるメッセージを送る機能が
無料版ではつながりを持つものだけしか
(LINEの友達のようなイメージ)
送信することが出来ませんが、
採用で使用する場合においては
月11,900円+税(1か月無料)で利用可能
であり、月30万件まで送信が可能となります。

他にも、
スカウトメール
人材紹介サービス
イベント系サービス(合同説明会等)
インターンシップを実施する等
様々な採用手法があります。

新卒の媒体関係は以上となります。
各業者から見積もりを取っていただければ
費用感は分かると思いますので
さらっと流す程度に留めたいと思います。

では次に中途採用はどのようになるか?
特徴的なものを少しだけ触れていきます。


5-3.人手不足はどの業界で発生しているか?


中途採用の手法を紹介する前に、
どの業界が人手不足なのか?
簡単に解説したいと思います。

厚生労働省のデータによれば、
以下の3業種が筆頭になります。

①医療・福祉
②建設業
③運輸業・郵便業

①医療・福祉

2025年問題でも象徴されるように
団塊の世代が75歳に達する2025年の
介護サービスの需要は2017年と比較すると
以下のように変化しています。

在宅介護:24%増
居住系サービス:34%増
介護施設:22%増

ご存じの方も多いと思いますが、
需要に対して賃金水準が上がらず、
大企業の参入がないこの業界では
待遇面の悪さから人手不足が続きます。

2025年における需給ギャップは、
約55万人ともいわれています。

②建築業

高度成長期以降に整備したインフラや
建物の多くは50年を経過し、
今後一斉に老朽化するため、
建築業の需要は高まるばかりです。

しかし、給与の低さと休日の取り難さ
といった待遇面の悪さが主な原因で
人手不足が続いています。

建設業の就業者数は
1997年:685万人(ピーク時)
2020年:492万人
ピーク時と比較して約28%減少しています。

2030年時点の需給ギャップ予測は
最大で49.8万人と言われています。

③運輸業・郵便業

これまでも2024年については
解説してきましたので
詳細は以下の記事をご参照ください。

こちらも待遇面の悪さから
2030年時点の需給ギャップ予測は
最大で約24万人と言われています。


5-4.中途採用の媒体選定


中途採用の集客の王道と言えば
転職ナビサイトになります。

まずはこれに掲載をして
自社が選ばれるのか確認しないと何も始まりません。

後半では違う手段も提案しますが、
最初は基本から抑えましょう。

総合転職サイト
①doda
②リクナビNEXT
③マイナビ転職
④エン転職

どのサイトも一度は
見聞きしたことがあるでしょう。

「いや、掲載しても高いだけで
 応募が来ないから困っているんだよ!」

そんなお怒りの声も聞こえてきそうなので
細かい説明は避けますが、
ナビサイトで正社員を獲得するには
待遇面×仕事の魅力」の訴求が必須となります。

つまり、
中小企業で大企業の求人に勝つためには
何かに特化した魅力付けが必須となり、
「そんな魅力はない」と考えている時点で
採用はかなり難しいと言えます。

個人的な感触ですが、
年収450万円未満の案件を
掲載するのは愚策と考えております。

人手不足の業界では年収帯が
300万円~400万円の求人が中心のため
このメディアで戦うのは厳しいと言えます。

では、どうやって戦えば良いのか?
それはナビサイトを使うのであれば、
専門特化した媒体を使ってみてください。

建設業
①建職バンク
②ジョブケン
③ブルカラ

介護職
①レバウェル介護
②マイナビ介護職
③e介護転職

トラックドライバー
①ドラEVER
②トラッカーズジョブ
③ドラコムネット

あくまで上記は媒体のほんの一部です。

詳しくは「地域×職種×求人サイト」
検索して調査してみてください。

ただし、一つこれだけは押さえておいて
頂きたいのですが、求人のナビサイトは
条件比較サイト』だとご認識ください。

つまり、何か一つでも特筆した条件、
魅力的な職種でないなら、
比較検討の候補にすら入れてもらえません。

費用ばかり掛かるのに応募が来ない!

その原因は上記の問題にあるのです。


5-5.メディア(媒体)選定の新常識


ナビサイトの特徴はご理解頂けたと思います。

では次に、私なりに模索した結果、
ナビサイトを使わない採用手法をご紹介します。
自社にあったものをお試しください。

①indeed PLUS

indeedはアルバイト、パートだけでなく
労働集約型の正社員求人にも強い媒体です。

クリック単価で精算するため予算を設定して、
使い過ぎない点が魅力だと言えます。

他は通常の採用と変わりませんが、
掲載に当たって注意点があり、
自社の採用サイトへ接続する法が
圧倒的に効果が出ますのでご認識ください。

自社採用HPがない企業は
リクルートのAirワークをご利用ください。


②デイワークを活用し、アルバイトから採用する

例えば、タイミーのような単発バイトを
活用して実際にアルバイト、パートで働いてもらい、
良いと思った人材へ直接アプローチする手法です。

軽作業等の案件で集客をして
職場体験をして頂くため、
対面で勧誘できる点が良い所です。

もしトラックドライバーなら横乗りをして
介護ホームなら、入居者とのふれあいも
体感して頂くといった手法で
仕事の魅力を肌で感じてもらうのです。

自社に合わない人は
ブロック機能を活用することで
同じ人が来てしまうことを防止できます。

また労働の対価を支払うため
求人としてだけでなく、
労働力の不足を補う施策としても
有効であると考えています。

昔の手法で言えば
マクドナルドが有名ですが、
アルバイトスタッフの学生を勧誘して
正社員へ登用する手法を使っていました。

(昔のマクドナルドではお客様でも
 勧誘していたそうですが…)

このアルバイト採用のプロセスを
省略できる点が魅力的ですが、
その分、ミスマッチも起きますので
しっかりと見極めが必要です。

アルバイトと正社員では
求めらるものが違うため
その点は注意が必要になります。


③Googleリスティング広告

詳細は別の機会でご説明しますが
リスティング広告は如何でしょうか?

ナビサイトでもアルバイトや
契約社員が多いナビサイトで、
正社員の求人を掲載することで
検索に残る可能性があります。

しかし、Googleで検索する人は
意図をもって検索しているため
志望度が高いとも言えます。

ただし、この手法を用いる場合は
採用ホームページへの誘導よりも
ランディングページへの誘導が必要なため
こちらの制作を別途依頼する必要があります。


メディアに関しての話は
この辺りにしておきたいと思います。

私はこのメディアの結果データから
何を読み取って分析をしていき、
どのように次の施策につなげていくのか?
この分野が一番好きですし、また得意です。

しかし、大半の企業は
まだそんな話をする状態ではありません。
圧倒的に言語化が欠けているせいで
魅力が伝わってこないのです。

これは極論ですが、
第5章なんて説明する意味がないと思って
どこまでご紹介すべきか迷いました。

しかし、読者の皆さんは
媒体の話が一番好きですよね?
だから、ほんの少しだけ
ご紹介させていただいた次第です。

しかし、何度も申し上げた通り、
媒体の検討は一番最後にしてください。

第4章で先に押さえるべきポイントを解説した
こちらの言語化の方が遥かに重要です。

第4章 基本キーワード
①Why:何のために採用するのか?
②Who:誰に伝えるのか?
③What:何を伝えるのか?
④When:いつ伝えるのか?
⑤How:どのように伝えるのか?

採用成功の法則として

自社のことを正しく言語化し、
正しく伝えることができれば勝てます!


逆に、これを怠ってしまうと
効果が半減しますのでご注意ください。

本章でご紹介したメディアは
自社の魅力を伝える手段としての
Where(どこで伝えるのか?)の話であり、
こちらを含めて採用の5W1Hが完成します。

①Why:何のために採用するのか?
②Who:誰に伝えるのか?
③What:何を伝えるのか?
④When:いつ伝えるのか?
⑤How:どのように伝えるのか?
⑥Where:どこで伝えるのか?→媒体選び

ここでもう一度、
第4章と第5章を整理しましょう。

集客における失敗は
上記のどこかが欠陥して起きています。

だから、
人口減少が、業界が不人気で…
と世の中の情勢のせいにして嘆くことも、
広告会社が、営業が無能で…
と人のせいにすることも
今日からもう止めにしませんか?

それを言い続けても何も解決しません。

人間は感情の生き物です。
だから(短期間のアルバイトを除いては)
必ず「共感」が必要なのです。

あなたの会社で働いて欲しいのであれば、

会社が目指す場所
誰のための何を提供する会社なのか?

そのために培ってきた社風だったり、
独自の技術や他社には負けない魅力だったり、
伝えるべきことがたくさんあります。

求職者はあなたの会社を知らないですよね?

だから、認知してもらって
次に、会社の魅力を知ってもらって
そして、競合と比較検討して応募してもらう
この一連の流れを設計する必要があるのです。

集客には、上記の6つのキーワードがあり
先に①~⑤の5つの言語化をしないと
採用は絶対に成功しないと心得てください。


6-1.選考段階で必要な要素とは?


ここから先の章では『選考』における
具体的な進め方を深堀して解説します。

ですが、その前に少し
第3章の復習をさせてください。

選考のプロセスにおいて何が一番大切か
あなたは答えられますか?

それは、「見極め」と「惹きつけ」を
両立して求職者の入社意向を高めることです。

応募者体験(CX)という概念があります。
販売なら、顧客体験(CX)に当たります。

採用のCXの読み方は
「キャンディデイト エクスペリエンス」
と呼びます。

ひとことで言うなら、
応募者のよい体験を最大化しましょう!

という考え方です。

ここで一つ注意してください。

多くの人事担当者が誤解していますが、
企業と求職者は対等な立場なのです。

よく言われるのが
内定を出すまで企業側が優位で、
内定が出たあとは求職者が優位になる

確かにその傾向はあるのは事実ですが、
中小企業の採用では選ばれることを
重視しないと人が集まりません。

だから、
企業側は自社に合った人材を見つける場
求職者は自分にあった会社か判断する場
であると認識してください。

なお、第6章では
求職者を見極める方法には一切触れません。

求職者にとって自社を選んでもらうために
どのように惹きつけ、判断してもらうのか?
この視点にフォーカスしていきます。


次に、第4章と第5章では
以下のキーワードに沿って説明してきました。

①Why:何のために採用するのか?
②Who:誰に伝えるのか?
③What:何を伝えるのか?
④When:いつ伝えるのか?
⑤How:どのように伝えるのか?
⑥Where:どこで伝えるのか?

この概念を元に
選考過程で何を意識しなくてはいけないのか?
これを求職者目線で設計する必要があります。

多くの人事が行っている面接は見極めであり、
これでは企業目線のみになってしまいます。

だから、
求職者目線に立って惹きつけが重要なのです。

選考設計において重要なことは
『見極め』と『惹きつけ』の要素を
どのように配置していくのか?
これを予め決めておきましょうね。
であることを説明してきました。

そこで本章では、求職者の目線に立ち、
どの工程で、どのような情報があると助かるか?

これをあなたと一緒に考えていきたいのです。

【一般的な会社の新卒採用の流れ】
①求人メディアや採用ホームページ等で
 募集要項を見つけた段階
②応募した後、企業から採用面接の
 日程調整の連絡が来た段階
 ※新卒ならES提出や適性検査の段階
③一次面接の段階
④二次面接の段階
⑤最終面接の段階
⑥内定受諾前(内々定の段階)
⑦内定受諾後~入社までの間

新卒の場合で考えてみました。
この流れを前提として、
以下に具体例を挙げますね。

①の段階で伝えること
・ミッション、ビジョン、バリュー
・会社概要
・年収・休日等の待遇情報

②の段階で伝えること
・入社後のキャリアビジョン
・詳細の事業内容
・事業責任者のインタビュー記事等
※新卒なら、ES等のネタになる情報は
 予め開示しておく必要がある。

③、④、⑤の段階で伝えること
・成長できる環境
 (例えば、研修制度やOJT、評価ツール等)
・仕事の具体的な内容
 (例えば、同じ職種における1日の仕事の流れ等)
・福利厚生(特に法定外福利)
・社風・文化などが伝わるもの
※段階的に理解を深めていくイメージ

⑥の段階で伝えること
・上記の内容で不安に感じる項目の説明
※不安払拭(ふっしょく)が目的

⑦の段階で伝えること
・先輩社員とのWEB面談
・内定者との座談会等
※求職者の好感度を最大化することが目的

こんな感じでしょうか?
あなたの会社ではどのように考えているか
ぜひ言語化してみましょう!

ただし、必ずこの順番という訳ではありません。
各選考段階において求職者の理解度を
あなたの会社ではどのように設定するべきか?

これによって答えは全然変わってきます。

以下の点を外さなければ問題ないと思います。

・予め決めておくこと
・求職者目線で理解度を段階的に深めるイメージ
・社内のメンバー間で共通認識を持つこと


6-2.採用を成功に導く3つの視点


ここからは、採用の失敗を防ぐために
必要な視点を3点ご紹介します。

逆に言えば、これを行うだけで
成功する確率がグンと上がります。

どれも気を抜くと忘れがちなので
自社の工程をチェックをしてみてください。

(1)求職者に嫌われる行動をしない

・選考段階の日程調整や選考結果のレスが遅い
・求職者を個人として扱わない
・他社批判をして自社の株を上げようとする

よくある失敗を過去の記事で
ご紹介していますので、
こちらを読んで頂くと理解が深まると思います。

(2)採用面接は遅滞なく、心地よく受けてもらいましょう!


よく採用面接をすっぽかす面接者がいます。

特に中途採用では散発的に発生するため
うっかり面接予定を入れ忘れたりして
面接自体が実施できないケースがあります。

これは求職者にとても迷惑が掛かりますので
次の点にご注意ください。

・日程調整はツールで自動的に行う
 または、別の専任担当者が日程調整を行う
・前日や当日の朝に採用面接がある旨の
 情報共有を必ず行う
・万が一のために代役も用意しておく

それと、
面接会場が自社のオフィスである場合、
応接室までに仕事場を通るケースがあります。

また、
面接後に職場見学を実施している企業も
多いのではないでしょうか?

このような場合において
特に注意して頂きたいのが以下の10点です。

「悪い印象」をもたせる職場10箇条

①(夜間の場合)残業している社員が多い
②(休日の場合)勤務している社員が多い
③きついノルマを連想させる張り紙がある
 (個人の成績表や体育会系のスローガン)
④ポスターが破れている
 あるいは古いポスターが色あせている
⑤受付や通路、トイレや待合室が汚い
⑥職場のデスクが汚く、雑然としている
⑦社員がすれ違っても挨拶をしない
 または、元気がなく疲れた様子である
⑧上司が叱責している声が聞こえる
⑨年齢や性別に異常な偏りが見られる
 (職種による明確な理由がある場合を除く)
⑩座席が固定でピラミッド型の配置になっている
 (組織内のヒエラルキーを連想する配置はNG
  可能なら責任者以外はフリーデスクが望ましい)

「いや、これは変えられないよ!」
そう思われる項目もあるかと思います。

ただ、あくまで求職者目線で考えるならば、
その仕方がないものは変えていく必要があるもの
今後の人事課題と捉えてください。

特に、
ノルマがない、残業が少ない、キレイな職場と
アピールしているにも関わらず、現地を見て
ギャップを感じさせてしまう職場は最悪です。

これが求職者に見つかると
高確率で選考途中に辞退されてしまいます。

広告と実態の乖離を無くす
自社の職場環境をよくする努力
常に意識しておきましょう。


(3)伝え方次第ですべてが変わる

採用面接を担当する方に多いのは
数百人面接したから、見極めには自信あり
と自慢する人が結構います。

逆に、面接時に求職者と意思疎通を図り
必要な情報をすべて聞き出し、
自社の魅力を最大限アピールできた
と見極めと惹きつけの要素を
自慢する人を私は見たことがありません。

私は後者の人を増やしたいのですが
意味が分かりますでしょうか?

知識としての理解ではなく、
感情としての理解(=納得感、腹落ち)
がないと意味がないと常々感じています。

ただ、ちょっと抽象的なので
もう少し具体に落として言い換えますね。

採用活動とは
「自社の仕事」という商品を売る営業行為
と同じと考えています。

その目的は
要件を満たした人=自社に合う人を
必要な人数だけ採用すること
です。

売上計画に基づき、
支払い能力のある顧客に販売する
営業行為に似ていますよね。

この時、
売りたい商品=自社の仕事
顧客にとっての、
悩みごとを解消するもの、あるいは
欲望を満たすものである必要があります。

果たして、
あなたの会社の仕事は求職者にとって
どんな悩みや欲望を叶えてくれますか?

仕事は苦労してお金を得るもの

このような過去の価値観では
この考え方には絶対に至りません。
つまり、マーケティングの視点が欠けた
経験と勘による採用に他ならないのです。


では、中途採用における
業界内の別会社へ転職をするシーンを想定し
具体例を挙げてみたいと思います。

採用における事実
⇒求職者のメリット

求職者にとってのベネフィット
の順で記載します。

業界内では平均年齢が若い
 ⇒前職と比べると若い内から活躍できる
 ⇒タイパ良くキャリアアップができる

業界内では休みが多く、残業時間が短い
 =ブラック企業からホワイト企業へ転職する
 ⇒家族や恋人、趣味に対する自由な時間が増える

業界内では年収は高い方である
 =前職より年収アップする
 ⇒趣味など、自由なお金が増える
 ⇒友人との食事、旅行など、趣味に使える
  マイホーム、お子様の学費などの不安がなくなる。

このように視点を変えて
伝えたい結果をイメージしてから

「自社の売り込む要素は〇〇で
 求職者の〇〇を満たすことが可能」


これを求職者に理解させることを目的に
選考設計に落とし込み、共通の認識のもと
実戦と改善を繰り返す…

以上が「惹きつけ」のメソッドです。


7-1.構造化面接を取り入れてみよう!


ここからは、採用面接以降の工程に関する
解説をしていきたいと思います。

その前に、あなたに質問です。

求職者は企業を認知してから、内定承諾をするまで
の期間において、どの時点で働く先を決めているか
ご存じでしょうか?


答えはズバリ「選考過程」です。

その中でも採用面接が最も重要であり、
この段階で多くの求職者は複数ある企業の中から
優先順位をつけています。

そして、最終的な判断は内定者面談等で
すり合わせた結果をもって判断します。

では、採用面接はどのように行えばよいか
この部分もきちんと言語化していきましょう!

私がお勧めする方法の中で
最も手軽に取り入れ易く、運用し易い方法が
構造化面接になります。
 
構造化面接とは、
予め質問項目を決めて面接を行う形式のことです。

所定のフォーマットを用意し、
質問に対する求職者の回答内容を
書き込む方式で面接を進めてください。

また、面接の流れは以下の通りです。

アイスブレイク ⇒ 説明 ⇒ 質問 ⇒ 逆質問
 

「アイスブレイク」では求職者の緊張を和らげ
「説明」では、必要情報と自社の魅力を伝え
「質問」では、決められた質問+αを行い、
「逆質問」で、求職者の不安を取り除く

この面接のメリット
・面接者による評価のバラツキを防げる
・面接官の思い込みや先入観を排除できる
・採用時のミスマッチを減らすことができる

その一方で、デメリット
・機械的な印象を与えてしまう恐れがある
・求職者の意外な一面を見出し難い
といった評価も存在します。

しかし、
今回のご紹介する方法を用いれば
デメリットを打ち消しつつ、
メリットを最大限生かすことができます。

具体的な手順を以下にご説明します。

(1)アイスブレイク

面接者は次から次へと面接を控えているため、
事前に履歴書を確認してどのように質問するか
考えたり、評価シートを記入したり忙しいです。

人事の仕事を複数兼任して面接を行う場合も多く
基本的に時間が惜しいと考えてしまいがちです。

しかし、
求職者の心の準備が整っていない状態で
採用面接を機械的に進めようとすると、
求職者には冷たい印象を与えてしまいます。


最初の2~3分で求職者の状態を確認しながら
緊張しているようであれば和らげてあげた方が
印象が良くなるのと同時に、面接もスムーズに
進めやすくなりますので省略してはいけません。

(2)企業側の説明パートで魅力を伝える

自社の歴史を長時間にわたって語る人がいますが、
求職者目線で考えるとあまり意味がありません。

説明パートでは自社の魅力をアピール
短時間で伝えることが有効です。

ただし、
歴史が悪いと言っているのではありません。
説明のために用意した会社の歴史は不要である
と言いたいだけなのです。

 会社の成り立ちが社風や文化につながり、
 商品、サービスに対する企業側の想いは
 会社の魅力につながります。

その想いを語ってあげてください。
きっと求職者の心にも届くことでしょう。

ただし、以下の点にご注意ください。

・他社を陥れて自社の株を上げる表現はNG
・あまり長々と語りすぎない(2~3分程度)
・何を伝えたいのか?結論をきちんと話す

 
また、

待遇面や規則等は主要項目を簡潔に伝え、
キャリアモデルは必須項目となります。

企業側が伝えたい情報に偏らず、
求職者が求める情報を伝えましょう。

これを見失わないようにするため、
説明内容は予め決めておいた方が良いのです。

なお、逆質問でいつも質問される項目は
先に補足して説明してあげると、不安払しょく
につながるため有効です。


(3)質問パートは求職者へ語らせることを意識する

採用面接は求職者の粗探しをしたり、
まして指導や説教をする場ではありません。

緊張感をやわらげ、求職者の考えを
掘り下げて語らせることを意識してください。
 
採用面接の目的は
自社に合った人材=必要要件を満たした
人材を探すことです。

そこに個人の主観は不要なのです。
これを忘れると質問の品質は一気に低下します。

今回は、採用面接における
「見極め」方法は別の機会とし省略します。

構造化面接の流れのみ、簡潔にご紹介します。
(後半で少し事例もご紹介します。)

①最初の質問は、予め決められた質問を行う。
②求職者の回答に対して、掘り下げ質問を行う。
③質問項目ない質問をした場合は
 簡潔にQ&Aを記録として残してください。
④求職者の回答が質問の主旨と異なる場合、
 もう一度、主旨を別の言葉で伝え直し、
 それでも要領を得ない場合は次の質問へ進める。
質問の時点で評価は必要なし。
 回答内容のみを記録し、評価はあとで行う。

ポイントは②と⑤です。

②は、面接官のアドリブが求められますが、
質の良い掘り下げ質問をして求職者に語らせて
その回答が論理的に筋道が通っているのか?
これを判断します。

⑤は、面接中はあくまで質疑応答に集中して、
忠実に記録に残す所にあります。
判断は後程行う点が旧来の面接と違う点です。


7-2.構造化面接を行う際の注意点


それでは次に、構造化面接を行う際は
何に注意をすべきかご説明します。

特にやってしまいがちなミスや
判断が難しいガクチカなど、
気になるであろう要素を解説します。

(1)その場で判断をしてはいけない

面接の場で合否判断をしたり、
合格を匂わせて囲い込む面接者がいます。
これは避けた方が良いと私は考えています。

理由は以下の通りです。

・他にも面接者がいた場合、もし、合格者が
 複数人いて必要枠を超えると、面接時と一転、
 不採用を通知してトラブルの原因となる。

・合否に気がいくと合否ありきで評価するため
 個人のバイアスを取り除くことができない。
 (これを※アンコンシャスバイアスという)

・決められた質問から、中身を掘り下げ、
 確認する必要があるため、評価を意識すると
 質問の品質が低下してしまう。

・求職者から不信感を抱かせる原因となる。
 「誰でも良いのではないか?」
 「ブラック企業ではないのか?」など

※アンコンシャスバイアス
 無意識のうちにしてしまう偏見や思い込み。
 採用面接では自分の価値観による先入観で、
 事実と見誤った評価をすることを指す。

(2)NGワードに注意!

これは面接手法に関係なく
以下の質問は法律で禁止されています。

・家庭環境や生活環境に関すること
・本籍や出生地に関すること
・宗教や思想に関すること
・プライベートや趣味に関すること
・資産に関すること
・その他、男女雇用機会均等法に触れること

アイスブレイクも含め、
採用面接に関係ないことを聞くのは止めましょう
と覚えておけば大丈夫です。


7-2.ガクチカで見るのは論理性と主体性


ガクチカ=学生時代に力を入れたこと

(中途に関しても前職での経験を尋ねた際
 色々と成果をアピールされますので
 その時、同様に使えると思います。)

この「ガクチカ」ですが、
成果の部分は9割がテンプレで論調も
どこかで聞いたことがある話が大半のため
面接者には退屈に感じるかもしれません。

しかし、
このガクチカは質問に取り入れた方がよい
と私は考えています。

その理由として、演奏会に例えるなら、
課題曲みたいなものと考えています。

だから用意してくることを前提にして
求職者の回答に対する「掘り下げ質問」をして、
その中にある論理性や主体性をみるのです。

具体例を元にその根拠についてご説明します。


【具体例】
リーダーシップを確認する質問で
「廃部寸前の部活を立て直した」話の場合

【掘り下げ質問の代表例】
・自らが主体的に動いた成果なのか?
・何が立て直しのポイントは何か?
 どんな立場でどのように関わったのか?
・数値の根拠を確認する
 (もともと何人で、現在の部員数なのか等)
・経験から得た教訓など

この回答に対する確認項目はというと
話は論理的で分かりやすかったのか?
これで物事を論理的に説明できるかが分かります。

次に、大切なのは成果の中身よりも、
主体的に取り組んだゆえの成果であったのか?
あるいは周りの影響で、たまたま得た結果なのか?

これでエピソードの信憑性が分かり、
同時に求職者の主体性も確認することができます。

つまり、
社会的に評価される表彰されたような
レアなケースを除き、
成果の中身は本当に何でもよいのです。

大切なのことは、ビジネスで求められる

分かりやすく相手に伝えられるか?(論理性)
主体的に取り組める人なのか?(主体性)

これを確認することが目的であり、
そのためにガクチカが最も適しているのです。

ガクチカの重要性が分かって頂けたでしょうか?

それともう一つ、
特に熟練者と自負している人ほど
ついやってしまいがちなので注意ですが…

いつも聞いている似た話だからといって
決して退屈な表情は見せないよう、
真剣に傾聴することが求められます。

心の中で退屈だと思って聞いていると
自然と態度や表情に表れます。

人の顔色を気にするZ世代の学生は
大人の怠慢を一発で見抜く力がある

このことを肝に銘じておきましょう。

ちなみに、
中途の場合は年齢にもよりますが、
ある程度の成果も評価が必要です。

ただし、
基本的に判断する要素は新卒と同じです。

なぜなら、
元々、所属していた企業のビジネスモデルや
他に優秀な社員のおかけで得たチームの成果は
求職者個人の評価には値しません。

だから、学生と同じように確認が必要なのです。

他にも質問事例はたくさんありますが、
長くなるので本書での説明は控えます。

ポイントは基本的な質問と
回答に対する評価方法は決めておくことです。

これは面接官のスキルによる
評価のバラつきを防ぐ目的があります。

そこから掘り下げ質問でどこまで見極めが
できるかが面接官の腕の見せ所になります。


8-1.内定者面談における必要な知識


最後に、内定者面談について解説します。

あなたの会社では内定者面談を実施していますか?

企業によっては内定者面談を実施せず
電話やメールのやり取りのみで、
次に会うのは内定式や入社式という所もあります。

しかし、
必ず内定者面談は行うべきである
と強く主張したいと思います。

理由は以下の通り、
内定辞退」「ミスマッチ」のリスクが
非常に高まるからです。

・入社意志の確認が正しく把握できない
 (相手の表情や仕草から情報が把握できない)
・求職者への不安解消の機会が失われる
・細かい条件面の確認をしないと
 ミスマッチが起きる危険性が高まる

それでは内定者面談の詳細を
以下に解説していきます。

(1)内定者面談の流れ

内定者面談における
一般的な面談の流れは以下の通りです。

①採用面接のフィードバック
②労働条件や待遇の説明
③入社意志の確認
④質疑応答
⑤今後の流れに関する説明

特に、③が企業側にとっては特に重要です。

内定受諾後の辞退が与える影響を
きちんと説明した上で、一定期間のうちに
受諾か辞退かの意思表示を受けましょう。

ここでのキーワードは
寄り添い」と「線引き」です。

寄り添い
 :求職者の目線に立って一緒に考える姿勢

線引き
 :企業側の都合で採用人数を不確定なまま
  できない事情を伝えて線を引く姿勢

可能な限り寄り添い、一緒に考える姿勢を
見せることで求職者の採用担当者に対する
好印象が生まれます。

少なくとも無下にはできないという意識を
求職者にもたせるためにも寄り添ってあげて
欲しいと思います。

一方で、相手の都合ばかり聞いていると
他社へ良い人材が取られてしまいます。

時には心を鬼にして、
「この期間を過ぎても意思表示がない場合は
 入社辞退であるとみなす」

といった覚悟も必要です。

また、④によって不安払しょくを図りながら
求職者が何にためらっているか探ってください。

場合によっては
親や家族に止められたり、
友人の反対で気持ちが揺らいだり、
業界が衰退して、将来不安のケースもあり得ます。

(2)内定辞退を防ぐ方法

ここでは内定辞退の主な理由から
どのような対処を取ればよいかご紹介します。

①〇確(学生なら、中途なら配偶者
②採用面接の練習台だったケース
③他に第一志望があって迷っているケース

①〇確

これには二つのパターンがあります。

A:業界や職種への悪いイメージから
  誤解や先入観で否定されているケース
B:待遇面(年収が低い等)の理由で
  他の企業を押されているケース

Aは誤解を丁寧に解消する必要があり
学生の場合、親とも面談の機会を得るという
選択肢もありだと思います。

Bは企業側からのコントロールが難しく
他の企業の結果を待つしかありません。

入社して欲しい旨と同時に、
一定ラインで線引きする旨

自社のルールはしっかり説明した上で
誠意をもって伝えてください。


②練習台だったケース

次の③と見分けがつきにくいのですが、
求職者の態度や言動から明らかな場合は
感情的にならず、冷静に話をしてください。

あとは速やかに優先順位を下げ
線引きだけをきっちりして
他の求職者へ注力しましょう。


③他に第一志望があって迷っているケース

これは先ほどの②と違って
絶対に最後まで諦めてはいけないケースです。

よく去る者追わずといいますが、
そんな事を言う程、採用は甘くはありません。

自社の全リソースをフルに生かして
よって、たかって、口説き落とす
この姿勢が必要なのです。

詳しくはこちらの記事を参照ください。

8-2.内定取り消しの注意事項


最後に、
先ほどご紹介した「線引き」に関して
注意事項があります。

それは「内定取り消し」をチラつかせて
内定受諾を迫ってはいけない!という点です。

いわゆる「オワハラ」に当たる行為となり、
もし訴えられたら、負ける可能性が高いです。

内定取り消しは以下ようなケースで
説明ができるものでないといけませんので
知識として知っておいてください。

【内定取り消しが認められるケース】
①卒業できなかった
②必要な資格を取得できなかった
③怪我や病気で就労が難しくなった
④選考時に経歴を詐称していた
⑤犯罪行為に及んだ
⑥経営状況が悪化した

更に、注意して欲しいのは②と⑥です。

②は業務に直接的な影響がある場合です。

例えば、以下のようなケースです。
・ドライバーなのに運転免許が取得できていない
・看護師なのに看護資格がない
・教師なのに教員免許がない

いわゆる就業条件として、元々定められており
卒業時には取得が見込まれているのに取得できず
それが直接業務に支障が出てしまうケースのみ
適用されると覚えておきましょう。

⑥は
内定取り消し=整理解雇とほぼ同等である
とご理解ください。

日本の整理解雇は4つの要件があり、
これを満たしていないと正社員は解雇できません。

これと同様に経営状況が悪いだけでは
訴訟になった場合、負けてしまう場合もあり、
配置先を変えれば問題ないと認定されるケースも
十分に考えられます。

従って、内定承諾の回答に関する『線引き』は
求職者と企業側が双方合意で決めることが肝要です。
ただし、近年は内定承諾後も辞退をする傾向が
増えてきていますのでご注意ください。

内定承諾までの間にイベントを開催して
同僚になるかもしれない人同士を合わせて交流を
深めてもらったり、先輩社員に合わせて、
働くイメージを持っていただく等、新卒採用では
内定承諾後でさえ、油断してはいけません。

しかし、内定辞退を見越してとはいえ、
過度に内定を出し過ぎて、計画人数を上回り
過ぎないようにも意識しないといけません。

採用の難易度は上がる一方になりますが、
これも内定承諾率、その後の辞退率と
歩留まり率を把握していれば防げる問題
でもあるという点は補足させていただきます。


9.本書のまとめ


最後に、各章のまとめを以下に記載にまとめます。

第1章 歩留まりの理論を理解する

・求職者が認知してから、入社まで
 各工程の人数を歩留まり率で管理する

・自社の正常な歩留まり率はいくらか?
 業界の平均と比較して低くないか?
 こうした数値によるKPIを管理することを
 採用担当として最初に覚える必要がある

第2章 採用要件の設定を学ぶ

・採用の成功の法則は個社によって異なるが
 失敗するパターンは大体決まっているので
 注意しながら進めて欲しい

・『採用要件の設定』について、
 求める人物像の定義は以下の通りである

 ①自社で活躍できる人材
 ②採用時に必須となる要件を満たす人

第3章 選考設計=採用の設計図である

・選考設計(選考プロセス設計)は
 見極め惹きつけの二つから構成される
 これらを選考のどの地点で何を伝えるか
 予め決めておくことが重要である

・選考設計とはすなわち採用の設計図であり
 最初はちょっとした興味程度の理解を
 徐々にアップデートを重ねていき、
 最終面接の段階では、一通り応募した企業の
 事業内容やビジョンが腹落ちしている状態へ
 意向醸成が図れる
とベストとなるため、
 一気通貫で設計する必要がある。

・上記によって、過去に行われてきた
 行き当たりばったり企業目線になりがちな
 誤った採用の防止につながる

第4章 集客には5W1Hの言語化が先

・以下のキーワードを常に意識する

①Why:何のために採用するのか?
②Who:誰に伝えるのか?
③What:何を伝えるのか?
④When:いつ伝えるのか?
⑤How:どのように伝えるのか?

①求職者の『共感』が必要
 何のために事業を行っていて、
 目標を達成するために
 どんな人が欲しいと思っているのか?
 この言語化が共感に繋がる
②地域特性、生活サイクル、スキルセット
 を確認しながらペルソナを完成させる
③~⑤はセットで考える。
 選考設計において、何をいつどのように
 伝えるのかを予め決めておくと良い

第5章 媒体=メディア選定

・5W1Hの最後のピースに当たる

①Why:何のために採用するのか?
②Who:誰に伝えるのか?
③What:何を伝えるのか?
④When:いつ伝えるのか?
⑤How:どのように伝えるのか?
⑥Where:どこで伝えるのか?

・集客のメディアよりも、上記が先である。
 媒体選びは一番最後にすること。

・求職者は御社のことを多分知らない。
 だから、認知してもらって
 次に、会社の魅力を知ってもらって
 そして、競合と比較検討して応募してもらう

・最初の工程で認知が必要だが、
 ナビサイトは条件比較サイトなので
 最低限の条件がないと検索にヒットしない。

・採用ホームページへ誘導するため、indeed以外に
 リスティング広告、SNS、スポットワークなど
 新しい手法が登場してきているのでチェック。

第6章 選考段階で必要な要素

・『選考』段階における伝えるべき要素
 見極め惹きつけがあるが、
 惹きつけに関する具体例を紹介。

・選考段階における惹きつけ
 外してはいけないポイントは以下の通り。
 ①予め決めておくこと
 ②求職者目線で理解度を段階的に深めるイメージ
 ③社内のメンバー間で共通認識を持つこと

第7章 構造化面接を学ぶ

・求職者の多くは選考段階で企業を決めている。
 そのため、構造化面接を取り入れて
 伝えるべき情報、ヒアリングするべき情報を
 予め決めておく手法を推奨している。

・構造化面接の流れは以下の通り。
 アイスブレイク ⇒ 説明 ⇒ 質問 ⇒ 逆質問

・構造化面接のポイントは
 予め決めておくことで面接者の能力による
 品質のバラつきを防ぐ効果があると同時に
 深堀り質問によって、求職者に語らせる所にある
 この部分は面接者に素養が求められる。

第8章 内定者面談における注意事項

寄り添い線引きの両立がポイント。

・内定者面談においては、質問し易い雰囲気をつくり
 求職者の不安払しょくに努めることが望ましい。

内定取り消しを盾に就活の終了を迫るのはNG。
 いわゆる「オワハラ」は度が過ぎると
 訴訟になって負ける可能性が高いので、
 線引きは双方合意で決めることが肝要。

・歩留まり率を元に少し多めに内定通知を出す
 という所がポイントになります。


如何だったでしょうか?
最後までご覧いただき誠にありがとうございます。
大変お疲れ様でした。

皆様の採用活動の一助になれば幸いです。

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