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採用ブランディングとは?マーケティングの視点から詳しく解説(採用ブランディング講座:vol.02)

前回は採用ブランディングとは何か?
それは「求職者との約束である」と
ことばの定義をしました。

第2回の採用ブランディング講座は
マーケティング視点から
採用ブランディングを解説します。

【今回の課題】
マーケティングの視点から
採用ブランディングをどのように
定義すればよいのか考察する。

この講座では、
マーケティングの原理原則から
採用ブランディングの公式が分かります。

売上にも、採用にも公式があり、
数学的にどこの数値を改善すれば良いのか?

採用ブランディングを行うにあたり
PDCAを回す上で、最も基本となる
原理原則を学ぶことができます。


1.売上の公式


かつてユニバーサル・スタジオ・ジャパンで
CMOを勤め、同社のV字回復を実現させたあと
株式会社刀を設立した著名マーケターである

森岡毅氏の著書『確率思考の戦略論』によると
売上』の公式は以下の定義となります。

出典:確率思考の戦略論より

人口×認知率×配荷率×M(プレファレンス)

①認知率
  商品・ブランドを知っている確立
②配荷率
  店頭に並んでいる確立
③プレファレンス
(※1)
  商品・ブランドに対する好意度

簡単に言い換えると、

①商品・ブランドを知っていて
②欲しいときに入手できて
③ブランドに対する好感度が高い

このようなプロセスを経て
商品・サービスは選ばれているのです。

出典:確率思考の戦略論より

※1 プレファレンス
消費者のブランドに対する頭に描かれている
相対的な好意度のことを指し、要素は以下に
よって決定されるとされている。
・ブランド・エクイティ
・価格
・製品パフォーマンス


2.採用の公式とは?


この販売のマーケティングにおける
原理原則を元に採用に置き換えると、
どうなるでしょうか?

採用人数』の公式は以下に定義できます。

人口×応募率×選考通過率

※選考通過率の概念は別の回で説明します。
 以前ご紹介した歩留まりの理論になり、
 参考になる記事は以下をご覧ください。

今回は「応募率」を深く掘り下げて解説します。

上記の公式から、応募率はもう少し細分化できます。

応募率=①発見率×②想起率×③選考参加率

①採用ホームページやナビサイト等で
 求人情報を見つけてもらって
②この企業は『〇〇の会社』だと想起されて
 興味関心を持ち、詳細の情報を確認する。
③待遇面や事業内容、企業のビジョン等に共感し、
 『この企業で働いてみたい』と感じる。

このプロセスを経ることにより、
意識、態度の変容が発生することで、
求職者は初めてエントリーをしてくれます。

売上の公式と比較して、
構造がよく似ていますよね?
比較しながら解説していきます。

①発見率=②配荷率のことです。

求人情報や企業を『知らないこと』
その求職者にとって『無いこと』に等しいため
先に発見される状態であることが必須です。

【参考情報】
売上のマーケティング理論に置き換えると
商品やサービスのことを認知した状態で
お店で棚にある状態(配荷)の商品を選ぶが
消費財においての原理原則となります。
ただし採用の場合は、買回り品やBtobBに近く
検索やナビサイトで見つけてもらう、または
合同説明会でもブースを発見するという行為が
先にくるケースが多く、そこから比較・検討を
重ねてから応募するプロセスを経るために、
「発見率」を一番前に定義しました。

次に

②想起率=①認知率
に通ずる箇所であり、
同時に、③プレファレンスにも関係します。

想起率とは何かというと

〇〇と言えば…社名・ブランド名』
=ブランド・エクイティ
企業の無形資産)

このブランドを想起する確立のことです。

また、「想起」とは
「ただ認知をしているだけ」
ではなく、
ブランドや商品を理解していた上で、
特定のブランドや商品を
 顧客の頭の中で思い浮かべる状態」
を指します。

従って、
何の企業かよく分からないけど
待遇面や職場環境が良さそうというだけでは
求職者から応募はされにくいとも言えます。

仮に、エントリーされたとしても、
ブックマークをして保管した程度に過ぎず、
エントリーしたが選考には参加しない
という人は多くいます。

この先への意識・態度の変容には、
何らかのトリガーが必要となります。

そのトリガーこそが

③選考参加率=③プレファレンスであり

待遇面仕事内容職場環境
事業内容やビジョンに関する共感など

プレファレンスの構成要素を吟味する中で
「想起」の状態から、更に一歩進歩して
「この会社で働きたい」
「面接で詳しく話を聞きたい」
と意識が変わり、選考へ参加してくれるのです。


売上においても、採用においても、
認知され、発見された上で
「プレファレンスを高めていくこと」
が最も重要となります。

このプレファレンスの中には
採用ブランディングのコアとなる
ブランド・エクイティが含まれている

とご理解ください。

何となく、公式の意味が分かっもらえたら
現時点ではそれで問題ありません。

次の章でまとめていきます。


3.採用ブランディングの範囲

売上の公式
人口×認知率×配荷率×M(プレファレンス)

採用の公式
人口×応募率×選考通過率応募率=①想起率×②発見率×③志望率

※想起率、選考参加率は
 プレファレンスと密接に関係している

セールスもリクルーティングも結局の所、
プレファレンスを高めることの重要性を学ぶ
必要があることを押さえておきましょう!

※プレファレンス(一般的な定義)
消費者のブランドに対する頭に描かれている
相対的な好意度のこと
ブランドエクイティ、価格、製品パフォーマンス

※プレファレンス(採用の定義)
求職者のブランドに対する頭に描かれている絵を
想起し、比較・検討の結果感じる志望度のこと
ブランドエクイティ、待遇、仕事内容、職場環境
ビジョンに対する共感など


【次回】
第3回ブランディング講座 
採用ブランディングの重要なポイント3つ
をご紹介させていただきます。


如何だったでしょうか?

ちょっと難しかったかもしれません。

ただ、一番伝えたいことは
セールスもリクルーティングも
本質は同じということです。


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