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【鬼滅の刃から学ぶ人事制度】鬼殺隊を徹底組織分析!浮かび上がる、討伐に1000年要した理由を公開※ネタバレ注意※

主人公・炭治郎の所属する「鬼殺隊」。なぜ鬼の大将の討伐に1000年もかかったのでしょうか?それはもしかしたら、デキる隊士たちの「鬼を滅したい」という熱い精神に頼った自由な社内制度(人事制度・人材育成制度)が一因だったかもしれません…。

週刊少年ジャンプ大人気漫画『鬼滅の刃』に登場する「鬼」と「鬼殺隊」の組織をビジネス視点から分析・解説する本企画では、鬼殺隊の組織構造を振り返りつつ、もっとこうしたらより良くなった!というアクションプランを提案します。


※この記事は「鬼滅の刃から考える」HRシリーズ第2弾です。前の記事はこちらから!


※以下、原作最終巻までのネタバレを含みますのでご注意ください。※

<動画でみたい方はこちらから>

※途中登場するコミックスの画像は全て、吾峠呼世晴『鬼滅の刃』(集英社)より引用させていただきました


鬼殺隊の組織図について

▼まずは整理してみました

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江本:TOPは社長=産屋敷さん、正確に言うと産屋敷一族ですよね。その右下の、代々引き継がれてきている「育手」というのは…?

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江本:現代で言うと、採用・育成を行う人材紹介会社のようなものでしょうか?

五味田:そうですね。お金はもらわない…?実はもらってたのかもしれませんね。(笑)

江本:育手の仕事は、入社試験(最終選別)で終わりっぽかったですね。

五味田:もしかしたら、最終選別課金(=応募課金?)なのかもしれませんね。(笑)

江本:そうした「育手」(採用育成)による入社までの道のりがあり、あとはその横の「隠」というのがサポート部門って感じでしたね。


▼その下に9つの部署がある

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江本:柱とよばれているのが、「部長」だとしたらその部長の下ですね、この下の「継子」。…これは副部長なんですかね?

五味田:副部長になると思いますよ、部長不在時は部長の仕事をするという…

江本:「隊士」というのが普通の戦闘員なんでしょうけど、これはプロジェクト的に考えると、こんな感じで作られるイメージでしょうか。

①事件発生(「○○で鬼が暴れている!」)
②単発プロジェクトが組まれる
③「○○柱と行ってこい!」と派遣される

五味田:そうですね、無限列車編でもこのような流れで向かっていましたね。

▼「継子」制度について

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江本:お名前が社長から順番に出ていますが、継子(=副部長)がいるか?でいうと、ある意味社長のところは…輝哉さん亡くなったらつぎ輝利哉さんでしたっけ、即なってましたよね。

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五味田:体制が素晴らしかったですね。

江本:実務やってましたもんね。

五味田:そういった意味では、ある意味「継子あり」といってもいいかもしれませんね。

江本:とはいえ結局、作中で継子の描写があったのは、胡蝶しのぶさん(蟲柱)のところだけでした。

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江本:蟲柱だけ、栗花落カナヲさんという素晴らしい継子がいましたが、蟲柱以外はいなかったと。

五味田:これは由々しき事態ですよね。

江本:はい、重要になってくるポイントです。


昇進制度について

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江本:10個の昇進制度がありまして、「癸」が一番下、「甲」が一番上の階級になります。

ちなみに主人公・炭治郎や仲間たちの場合…
・全員「癸」からスタート
・無限列車の後に「庚」になった
・半天狗編前後くらいに「丙」になった


江本:作中では最終的に「丙」以降の階級までいったかどうかは不明ですが、このような昇進制度がありましたね。


人材育成制度について

▼人材育成制度
・「育手」(元柱など)による入社前研修
・文字通り命がけの最終戦別
・柱による英才教育「継子」制度
・柱訓練


江本:いくつか育成制度はありましたが、「柱訓練」に関しては最終決戦近し!ということで、急にできた制度っぽかったですよね。

五味田:柱がアザを出すために練習材料にしたということもあったんでしょうね。

江本:ということで、これ以外は各柱それぞれの研修があったかどうか不明であると。

五味田:基本的には実践だったんでしょうね。
「最終選別以降は実践」という人材育成制度だったと思われます。


キャリアアップ・待遇について

▼どうすればキャリアアップできるか(柱になれるか)
・鬼を50体倒す、または十二鬼月を倒すことで柱になれる。

▼待遇について(正式に入隊できると…)
・オリジナル日輪刀支給
・オリジナル隊服支給
・オリジナルカラス(すずめ)支給


江本:…ということで、待遇3つ目のオリジナルカラス(すずめ)というのは、今でいうスマホみたいなもんですかね。(笑)

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五味田:なるほど、うまい表現ですね。(笑)

江本:伝達手段がね。

五味田:カラス、便利ですよね。(笑)

江本:待遇でいうと、柱になると屋敷支給とかでしょうか。

五味田:そうですね、お給料よさそうな描写ありましたよね。

江本:柱すごいいい家に住んでましたよね。こういった待遇が出世に伴ってあったみたいですね。


鬼殺隊はどう制度改革すればより有利になるのか?

▼ポイントは3つ
①柱への継子の配置
②育手の有効活用
③計画的な育成

五味田:最後にまとめると、こんな感じでしょうか。たくさん最後の戦いで生き残ってほしかったという思いからですね、こうするともっとよかったんじゃないかなっていう僕の思いなんですけれど…まず「柱に継子をつける」っていうのを、お館様は強制したほうがよかったんじゃないかと思うんですね。

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江本:結構自主性に任されてましたよね。

五味田:そうですね、そこが少し課題だったかな、と。
もちろん人数が少なかったとか実力が足らなかったはあると思いますが、柱に任せすぎてたというところで組織的にちょっと課題だったのかなと。

江本:ほとんど継子をとってませんでしたからね。

五味田:そうです、結局ついてなかったじゃないですか。
教える暇がないんだったら、むしろ育手を有効活用されたらいいのかな?と。

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五味田:元柱とかじゃなくても、第一線を外れたおそらく強い方はいらっしゃったはずなので、そういう方を有効活用すれば、柱が忙しくてもきっとできたはず。

江本:柱はとにかく広範囲の守備も任されてるし、いろいろミッションもあるから忙しくて、なかなか継子を見つけて育てるのに手が回らん!みたいな。

五味田:だから、次のプレーヤーを育てる役割がきっと必要だったのではと思います。そしてその役割は「育手」でよかったんじゃないかな?っていうのは観てて思ったんですよね。

江本:作中の育手はあくまで「入社前研修して、人材紹介して、ハイ完了!」…みたいな。

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五味田:もっと入社後の育成制度がしっかりしていたら、もしかしたら煉獄さんも猗窩座に勝てたかもしれないですよね。
お館様が死んだ人の名前を覚えるみたいなエピソードがありますけども、そんなことするんだったら最終選別に放り込んだ人をちゃんと育てるべきで、むしろ試験はせずに育てたらいいと思うんですよ。であれば、例えば物語冒頭に登場する「錆兎」とか生き残ってたらもっと強かったわけなので…。


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五味田:もちろん過酷な状況を乗り越えたやつがいいというのは分かるんですけども、もうちょっと計画的に育成して頂いたらもっと有利に戦えたんじゃないかなっていうのがありまして。
あれはあれでよかったんですけどね…よかったんですけど「あえて改善するとしたら?」「僕らが学ぶとしたらどうか?」っていう点でまとめさせて頂きました!

――3つ目の動画では、リーダーシップ論から組織を考えるというテーマでお届けします。次回もお楽しみに!


【『鬼滅の刃』勝手に分析シリーズスピーカー】
◆江本亮
株式会社学生援護会(神奈川)出身。
2005年より求人メディアがASPにて安価で早く提供できるシステム「ジョブメーカー 」にて自社サイト・オウンドメディアによる採用成功を支援、構築実績はこれまで200社以上に及ぶ。「反響があがる求人広告・求人メディア」をテーマに、「indeed対応の自社求人サイト構築システム」の開発などを手がけている。

◆五味田匡功
ソビア社労士法人 創業者兼顧問
クリエイトマネジメント協会 代表取締役
2007年に会計事務所在籍中に社会保険労務士、中小企業診断士に同年度合格。その後、会計事務所内での社内ベンチャーとして社労士事務所を立ち上げ、独立。Wライセンスを活かした人事・労務の設計だけでなく、多数の企業のサポート経験を活かしたビジネスモデルの改善サポートも実施している。また、補助金・助成金申請の仕組化にも注力し、企業支援実績は3,000社を超える。2020年3月に自身が立ち上げた社労士事務所を事業承継すると同時にクリエイトマネジメント協会を承継し、温故知新の精神で既存事業を継続的に実施しつつ、新規事業においても働く人の心の健康を取り戻すべく躍進中。

◆日本次世代企業普及機構(ホワイト財団)について
https://jws-japan.or.jp/
“次世代に残すべき素晴らしい企業”を発見し、ホワイト企業認定によって取り組みを評価・表彰する組織。中堅中小企業がより良い会社を目指すための概念・指標をまとめ、21世紀のモデルケースとなるような素晴らしい会社を称賛し、公表していくことで経営者、従業員にとっての道しるべ「ホワイト企業指標」を生み出すこと、および改善すべきポイントに適切な経営アドバイス、研修、講習を提供していくことを活動目的としています。


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