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カラーピック

全部がなくなってしまったような
どこまででも歩いていける開放感と
どこまででもいけるからこそ
おぼつかないでいる足元

このまま、このまま
入江のコンクリートの先に立って
目を開けたら
お疲れさまだと
終わりにしてくれたらいいのに

瞼の外側で起きていることを
輝いている色も
誰かの言葉も
もう今は取り込みたくないな

髪の毛を切った

ずっとずっと伸ばしていた

これはいつか私のところに
やってくるかもしれなかった新しい命ための
願掛け

今しかできないことをしたい
そう思って、
長い髪の毛をとかしていた

でももうその必要はなくなった

願いを込めて待つ時間はなくなった

だから、ひと想いに切り離した

シャンプーの少なさにびっくりして
ドライヤーの時間が短いことにびっくりして
伸びてくるはやさにびっくりした

今自分が起こしていること
目の前にある出来事が
目まぐるしすぎて頭が追いつかない

それでも、髪の毛を切ったんだ
置いていくと、決めた
あまり、自分では、よく分からないけれど

必要がなくなったんじゃないかとふと思った

どこに向かうのかは分からない
ぽつりぽつり曖昧な瞼の裏の色を拾っていく

そうしていつか、
また違う形で笑いあえたらいいね

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