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春のオススメ睡眠術 1,2,3!

「春眠、暁を覚えず」って言いますけど、みなさんはどうですか?

意味は知っているんですよ。「春の朝は眠い」って。ただ、その理由については疑わしいんじゃないかと思うんです。

辞書をひくと、こう。

春の夜は短い上に、気候がよく寝心地がよいので、夜の明けたのも知らずに眠りこんで、なかなか目がさめない。

国語大辞典(新装版)© 小学館 1998

これね、逆ではないかと思うんです。

ぼくらは眠っていても、無意識のうちに周囲の明るさや温度をなんとなく感じていて、日々の微妙な変化に気付きます。あるいは、寝返りをうつときなどに一瞬目覚めて周囲の状況を察知しているんです。

覚醒しきらずにすぐ寝直してしまうと、目が覚めていたことを忘れてしまうだけ。見た夢をすぐ忘れてしまうのと同じですね。

春というのはだんだん陽が昇るのが早くなり、朝も暖かくなってくる季節です。だから春の明け方、ぼくらは「もうこんなに明るい! 夜が明けたのでは?」とか「顔に冷たさを感じない、もう朝か!」と、ちょっと焦ってしまうことがあります。

一度でも寝坊をしたことがある人なら、「やばい、超明るい!」とか「え、なんで部屋ぬるいの!?」という、あの"最悪の瞬間"の記憶があると思います。春先は早い時間に、あるいは何度も、その"焦り"が再現されてしまうのでたびたび覚醒しやすく、総じて睡眠の質が低下するため、いつまでも眠い――というのが長年の経験から来る実感です。

ですから「春の夜は短い上に、気候がよく」はその通りだとしても、「寝心地がよいので、夜の明けたのも知らずに眠りこんで、なかなか目がさめない」はまったく逆ではないかと、そう思うのです。

それと人間社会、特に日本に生きているとこの時期は「新生活」と言う名のストレスMAXシーズンでもあります。学校でも職場でも、周囲の人間関係が変わるのがなかなかのストレスなんですよね。

対人関係は現代社会における最大の困難といっても過言ではありませんから、就寝時や起床前に「気になること」が増えてしまう要因になりやすく、睡眠時間が削られがちです。

さらに睡眠不足の副作用的として昼寝などをしてしまうのも、夜眠れない悪循環に陥る原因ですね。日照時間が長くなってきているから良いようなものの、ストレス増加と睡眠不足は"鬱"に陥りかねない危険な状態ですから、きちんと解消していきたいところです。

などと、長い前置きを大きな枕に見立てることで軽くあなたの眠気を誘ったところで、ぼくが実践しているオススメ睡眠法「お金を儲ける方法を考える」「雨ニモマケズを脳内朗読する」「愛について考える!?」を紹介していきます。

眠れ良い子よ~。

①お金を儲ける方法を考える

もうこれが、ぶっちぎりで絶対最強1位確定の睡眠法。「お金を儲ける方法を考える」はビックリするほどめちゃくちゃよく眠れます。

そもそも、なにかが気になって眠りにつきにくいのは、それが不安や恐怖などネガティブ思考の場合です。本能的に身構えてしまい、覚醒しやすくなってしまうんですね。「眠れないと困るから、考えごとをしないようにしなくては」と思ったときには、すでに負けています。

「なにも考えない」は難しいので、安心して眠れることを考えていきましょう。お金儲けはとても気分の良いポジティブなことなので、就寝前にぼんやり考えるにはうってつけです。

しかも、なんとすばらしいことにそう簡単には儲かる方法なんて思いつかない!

大したお金儲けのアイディアなど浮かんではこないので、すぐに脳が疲れて思考停止してしまい、よく眠れます。

大切なのはこれ、「思考停止」に陥ることです。

簡単に作れてめちゃくちゃ売れるデジタルコンテンツとか、あまり注目されていないけど株価が上がりそうな企業とか、あるいは「わらしべ長者」的にお金を転がすことを考えてみてください。

気付けば朝です。チュンチュン

ただしこの方法は、ぼくのように商才のない人に限ります。あなたが天才実業家などの場合は、今すぐできることを見つけてしまい、寝てなどいられなくなるでしょう。ま、そういう人は、めいっぱい睡眠不足に苦しめばいいんですよ。そのぶん、ぼくはよく眠れそうです。

あと、コイツは嘘(断言)。

②雨ニモマケズを脳内朗読する

宮沢賢治『雨ニモマケズ』は、全文を暗記できる程度の長さでありながら、少し異なる繰り返し行が多いため記憶が不正確になりやすい名作です。歌にできそうですね(しないでほしいけど)。

野原の松の林の陰の……と脳内朗読していると、いまいち自信を持てずに「これでいいんだっけ?」となりやすく、ほどほどに脳を疲れさせるところが最高なのです。

もちろんほかの作品でもOKですよ。例えば落語『寿限無』のフルネームでもいいし、子どものころに『百人一首』を覚えさせられた人はいくつ記憶しているか思い出してみてください。『白鯨』は駄目です。

あくまでオススメは、『雨ニモマケズ』です。内容的にも「贅沢言わない、質素でいいよ」というものなので相対的にポジティブな気持ちを取り戻しやすく、現代日本人の大半が自己肯定感につながると思います。

ぼくはこの作品の、「南に死にそうな人あれば、行って怖がらなくてもいいと言い」のところが気に入っています。ただ長生きすればいいという価値観には賛同できないし、いくら頑張っても最後に「死ぬ」ってなったときに絶望だけが残るのはイヤじゃないですか。

かつて猫12号♀のいまわの際に「怖がらなくてもいいよ」と声をかけられたことは、彼女の生と死すべてを肯定できたように思えます。オススメです。

③愛について考える!?

最後は、愛です。ヘンな愛じゃなくて、普通に好きな人に向けた愛のことでですよ(ヘンな愛ってなんだ?)

「そんなこと考えたら興奮して、返って眠れないのでは!?」と思うかもしれないけど、大丈夫。やたら興奮するのは「きっと愛ではない」ということで、まずは落ち着いてください。

先にも述べたように人間関係は現代社会の最難問ですから、そんな面倒はサクッと忘れて気にしないためにも、逆に「想っていたい人」のことを考えるようにしていくわけです。ポジティブ!

オススメは、過去に好きだった人を思い出して、もし今会えたら……と考えること。あれから何年も経って、彼は・彼女は、今どうなっているだろう? と考えるのには想像力というより「創造力」が必要になりますから、イイ感じに脳に負担がかかります。

ただ、これはそこらの恋愛ドラマよりおもしろくなりがちなので「ハマリ過ぎ」に要注意です。ま、「今日も早く寝よう」と思えれば、それはそれでいいのかもしれないですけどね。

それでは、良い夢を~!

(おしまい)


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