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シンプルなルールだからこそ上手くいく

シンプルなルールでうまくいっている企業は多数あります。例えば
最高レベルの人材を得る」Google
カテゴリーを増やす」Amazon
宿の提供者を気にかける」Airbnb

これらはシンプルであるからこそ効果があります。企業以外にも実用例として、うつ病の判断・睡眠改善からDARPAの研究(アメリカ軍事技術開発組織)に至るまで様々な状況で使われています。まずはこれらを紹介しましょう。

うつを見抜くのは難しく、自己判断が遅れて症状が悪化することが珍しくありません。そこで、いち早くうつ病かどうかを判断するために以下の4つの質問が作られました。
・この1週間で泣くことが多い
・この1週間で自己嫌悪があった
・この1週間で将来への不安を感じた
・この1週間で自分を人生の落伍者だと感じた

この4つの質問に全てYESと答えた人は、97%がうつ病であると診断されます。これなら自己判断も容易におこなえるので、いち早く治療に移ることができるようになりました。

他に、睡眠障害も多くの人が抱える悩みです。しかし、アドバイスは多いと行動に移しにくいという問題があります。そこで、ピッツバーグ大学の研究では、以下の4つのルールに絞りました。
・毎朝同じ時間に起きる
・眠くなるまでベッドに入らない
・眠れないときは無理に寝ない
・ベッドで過ごす時間を減らす

この4つを守るだけで60%の人が睡眠の質が向上し、半数が不眠症の症状を感じなくなったという効果が出ています。

次はDARPA(アメリカ軍事技術開発組織)についてです。聞きなれない名前かもしれませんが、DARPAはインターネットからGPS・ルンバのような技術を開発した組織になっており、大きな成果をあげています。このような研究開発において最も重要なのは、「どのようなテーマを選ぶか」ということです。1つのプロジェクトが数年かかることもある研究開発では、間違ったテーマ選びは致命的です。DARPAでは、たった2つの基準でテーマ選びを行なっています。
・科学的探究心を高めるか
・実用化に結び付くか

ちなみにこれは、細菌学者ルイ・パスツールをモデルにしています。

これで、シンプルなルールがいかに強力であるかがわかってもらえたと思います。最も大事なのは行動に移せることであり、世の中の就業規則などはこれに従っていません。ではこのような、シンプルなルールを作るためのルールはあるのでしょうか?

それを次は紹介します。シンプルなルールを作るためのルールはたった4つです。
・数が少ない
・個別にカスタマイズできる
・具体的である
・柔軟である

数が少ない」は最も大事です。ルールはいざというときの判断に使う時が多く、忘れないように簡潔で片手で数える程度のルールにしましょう。

個別にカスタマイズできる」は、行動に結びつきます。これは、自分なりに工夫したルールというのは、日々の習慣に取り入れやすくなるからです。

一方で「具体的である」ことも重要です。何にでも当てはまるルールというのはありません。抽象化が進むとルールを行動に移しにくくなるので、ある程度具体的にすることが大事です。

最後は「柔軟である」ということです。ルールが詳細すぎると状況に応じて対応が難しくなります。例えば、数字を取り入れることで、時代の変化に対して対応できなくなる時があります。そこで、ルールでは本質のみ決めておいて、詳細な数値はルール外で柔軟に検討するのが良いでしょう。

以上でシンプルなルールの作り方を紹介しました。これは、自分の生活にも取り入れることができます。私が筋トレに使っている個人的なルールを紹介すると、
・朝、家を出るまでは運動する
・仕事から帰ったら5分は運動する
・飲み会のない日は帰ったらプロテインを飲む
です。

一番大事なのは、粗削りで良いので、まずルールを作ることです。それを改良していくことで良いルールを作り上げることができるでしょう。

参考:SIMPLE RULES ドナルド・サル キャスリーン・アイゼンハート

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