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にんちゃん母との暮らし①【認知症という病気】

去年4月ごろコロナがあったことからしばらく会っていない母から突然電話がかかってきた。
なんだろうっと電話に出てみると、、、
真剣な声で「あのね、もうここには住めないから○○○の所に行って一緒に暮らしたい!」っという内容でした。

なぜ今住んでいる場所ではもう住めないのって理由を聞くと、、、
内容はたぶん母の被害妄想が原因のようでした。
母は軽い認知症なので少しボケてきてるのが原因なんだろうなんて思っていました。

神奈川で一人暮らししていた母を2年半ぐらい前に妹が引き取り1年ちょっと面倒を見ていたので軽い認知症になったことは電話で聞いてはいましたが、直接電話で話した感じだとそんなにひどくはないのではと思い、一緒に住むことを決めました。

母は、おととし骨粗しょう症になっていて背骨を自然骨折していたらしく毎日何錠かの薬とフォルテオという注射を打たなければならなくなっていました。
もちろん重たいものは当然持てないので、引越しの準備に母の自宅に何度か通って荷造りをしました。

そして、引越し当日。

引越し先は自分の住んでいる新宿の6畳のワンルームのため、おそろしく荷物が多い母の家財道具はいるものを厳選して、残りは引き取り業者に引き取ってもらい新宿で母と一緒に同居する生活がはじまりました!

引越しはなんとか2日間で終わらせ、新宿区役所に転入届を出しに行き、母との2人暮らしがスタートしたのですが、、、

母はむかし、父親が経営していた新宿歌舞伎町の飲食店の脱税が発覚し、多額の借金をかかえることなったとき、主婦だった母が一人でお店を立て直し父親の借金を返して40年近くお店を経営し、自分と妹を学校に通わせてくれた人です。
その為人一倍プライドは高く、おいしいものをたくさん食べてきたので舌が肥えていておいしくないものはほとんど食べません。。。

子供の自分としては本当にすごく尊敬できる親ですし、迷惑ばかりかけてきた自分は母親には到底頭が上がらない立場です。
いつかは母の老後は自分が面倒を見なければならないと思ってはいたのですが、、、現実突然認知症の母の面倒を見ることになるとは想像もしていなかったので…
ビックリするというか、こんな現実が自分に本当に起きることを不思議に思ってしました。

そんなことを言っていても時間はとまってはくれず、お日様は上り明日は来るので、
母に「健康診断はいつ受けた?」って聞くと、
「いやもう何年も受けた記憶ない」というので区の無料で受けられる健康診断と歯科検診に応募して2人で病院に行くことしました。

すると、母の健康診断の結果が、、、
「もしかしたら乳がんの可能性があるので病院で詳しく見てもらってください!」と言われてしまったのです!!!

母は30年前にも乳がんになり片側の胸を全摘出していました。
乳がんの再発です!
すぐに東京医大に行き診察を受けると、手術は今混んでいて3ヶ月先になると言われ手術待ちとなったのです。
しかし、普段の生活は元気にどこも痛くないというので安心していたのですが、1人でタクシーに乗り色んな所へ出かけ迷子になってしまいます。。。
近くの高級料亭に行っては1回の食事代が15000円以上なんてことが多発してしまいます!
居酒屋に行けば学生さんたちと意気投合してみんなの食事代をごちそうしてあげると言って支払い、気がつけば食事代だけで月に20万円近くいってしまったのです。。。😢

こりゃこのままだと破産してしまうと思い、玄関にはキュリオロックをつけ、部屋には見守りカメラを配置して母の部屋をいつでも見れるようにしました。
どこかに行ってしまうと迷子になるのでアップルのエアタグをつけて今いる現在地もわかるようにして介護をすることにしました。

本当に見つける天才か?

しかし、母はそんな便利なIoT製品の隙間をついて元気にタクシーに乗りどこかへ出かけていきます!

気がついてすぐさま自分もタクシーで追っかけるも、結局見つけるのは疲れて立ち止まっていた夜になってからでした。
エアタグは外では全然位置情報あってないからです!
もう少し位置情報の精度上げてほしいです…😢

母はスマホを持ったことがないので余っていたiPhoneXにガラケーから乗り換えると、、、
スワイプができなかったり、画面のボタンは押しても感覚がないので押したことが理解できません。
そしてボタンを押してもほとんど反応しないのです。。。
年よりなので指が渇いていて画面が反応しないのかな…?
自分も時々あるんですよね。。。(笑)
しかしできなければマニュアルを作ればいいのだとスマホの使い方を作成して毎日スマホのお勉強会をしたのですが、、、

努力もむなしくスマホは結局使えるようにならずガラケーへ逆戻りでした😢
今の高齢者にはスマホって本当に便利なものなのでしょうか?
正直携帯電話もなかった時代に生まれた母たちの世代はスマホが使えない人って絶対に多いと思います。
まだ自分のようなパソコンができる人間ならスマホは本当に便利なツールです、しかし高齢者には悪魔のような道具にしかならないように思います。

あとで、母はこんなことを言っていました。
マンションのオートロック、スマホ、スイカなど電子マネー、アイコスの電子タバコなどすべて今の時代の便利な道具は使うことができなかったため
「あたしゃこんな時代に生きていく事は無理だよ、家も出れないし、タバコも吸えない、もう死ねってことかね?」なんて言っていました。

しかし本当にそうかもしれません、自分が母の立場だったら時代の変化があまりにも早すぎて高齢者にはついていけないのだと思います。
新宿のマンションは禁煙だったので、近くにできた禁煙喫茶という場所に連れて行ってタバコを吸えるようしようかと思い一緒に行ったら、入退出は電子マネー決済で入室に発行されたQRコードをかざさなければ出口の扉が開きません。
自分だけ先に出たので母がQRコードをかざしてもうまく反応せず20分近くも喫煙喫茶に閉じ込められてしまいました😢
しかし、こんな時代にガラスの扉を挟んで
「母ちゃんここにこの紙をかざすんだよ~」
なんて大きな声でやり取りするのって便利な世の中なのでしょうか?
本当に疑問です。。。

世の中はみんな平等になんてことを優先しているように言っていますが、行われている行政サービスや進化する便利なシステムやツールは高齢者にとってはどんどん住みづらい世の中にしていくのだと感じます。。。

っと新宿の2人暮らしは一難去ってまた一難の繰り返しでした。

そしてとうとう乳がんの手術に日がやってきました。
この続きは次回にしようと思います。

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では、また『 にんちゃん母との暮らし②【認知症という病気】』で記事を書きたいと思います。

読んでくれてありがとうございました。


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