【定期ニュース!】ロットと価格のバランス問題。岐阜県が助成!

《今日の記事》 〜飛騨牛輸出、岐阜県が加工助成〜

飛騨牛の輸出がコロナの影響で前年同期比42%減となった。それに対して、岐阜県は従来より肉を小さく切り分けることによって小ロットからの販売を可能にするため、それにかかるコストを助成した。それにより、コロナの影響によって減少していた海外の輸出も含め、販売量が回復。昨年実績を6%上回る結果を出している。


このニュースを読み、真っ先に考えたことは、岐阜県の職員には相当優秀な人材がいるか、現場からの意見の吸い出しに関する素晴らしいシステムがあるのかも、ということだった。


実際に物を生産し、出荷するという経営をしてみると分かることなのだが、このロットと価格のバランスというのは非常に難しい。大きな袋に詰めて販売すれば資材費や人件費、時間の短縮にもつながり、かなりのメリットが見込める。なので多くの生産者としては一括で大きく売りたいというのが本音だろう。



しかしどうだろう。あなたの家に野菜や肉が欲しい時、いくら安くともニンジン200kg牛肉の60kgブロックが送られてくれば、間違いなく困るだろう。消費者は生活や事業にあった規模の食品が必要なのである。



そういった購入者の都合に合わせることで、1ロットのサイズを小さくするのだが、逆にこれは生産者へのコスト負担となり価格が上がる。直売所や業務用スーパーでときたま見かける、破壊的な価格と量の商品を売れる理由はここにある。


しかしこのような仕組みは経営者からすれば当たり前だが、外部から見ると気が付きにくいところだ。なんといっても地味な内容なので、目立つ政策や業務を行い成果をドカンと打ち上げたい類の人々からは、余計に敬遠されるだろう。だがそこに気がつき、素早く対応策に乗り出した岐阜県は素晴らしい。そしてその仕組みに対してしっかりと結果に繋げる生産者もあっぱれだ。



一見地味かもしれないが、このようないぶし銀な対応の取れる行政に対して、私たちはしっかりと評価をするべきだと思う。近年、大手のメディアは行政に対して否定的な報道ばかり行う傾向があり、私たちは知らず知らずのうちに日本という国や都道府県に対してネガティブな印象を持っている。だが、そのような国や県の機関に所属していようとも同じ国民で、同じ人なのだ。敵ではなく、味方であるために偏りの無い目で見極め、評価していく必要があるように思う。



これは余談だが、私は岐阜県と言われて瞬時に場所が出てこなかった。成人した大人として恥ずかしい話だ。これはもう一度小学生の地理を学び直した方がいいと実感した。すまんな、岐阜県。これを機に、岐阜へも愛を注げるように精進したい。


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