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Episode 723 脅迫性だけが残るのです。

発達障害を持つ方には「時間管理」が苦手な方が多くいるようです。
それは言われることか多い ADH"D" がメインの方に限らず、私のような AS"D" がメインの人にも、同じように苦手な方は一定数いるようです。
ADH"D" と AS"D" では、その「時間管理」の苦手な原因部分に大きな差があるのでしょうが、その苦手な原因については、医学/心理学の専門の方の領域でしょうから、ここで話題にするつもりはありません。
私ができるのは、AS"D" 当事者として「時間管理」をどのように行っているのか…という、ことをお話しすることですから。

実は私、「時間管理」がそれほど苦手ではないのですよ。
それは、日々の生活の「日々の部分」をルーティンとして固定することで自動化する…というライフハックにより「時間管理」の負荷を減らしているからかもしれません。

Episode 29 …このアカウントで記事を書き始めて間もない頃、かれこれ5年ほど前の記事ですけど、ここには「何も考えずに流れを作る朝ルーティンの重要性」が書かれているのです。
そうやって日々の作業をルーティン・ワークとして固定することで一塊の時間ブロックを作り、時間管理を安定させるワケです。

その延長線上のライフハックが「時刻表(ダイヤグラム)」です。
今日の予定表を作り上げて、その予定通りに行動することで私は「時間管理」をするワケです。

もちろんこの「時刻表」タイプのライフハックは利点ばかりかあるワケではなく、予定変更に弱くて修正/応用が効かない(効きにくい)という欠点も存在するのです。
過去にはそんな「失敗」についても話題にしているワケでして。

ところで、この「時刻表(ダイヤグラム)」型のライフハック、「予定変更に弱い」という軌道修正の難しさとは別に、新たな欠点に気が付いたのはつい最近のこと…。
それは、どんなに気分が落ちていようが、どんなに体調が悪かろうが、何にも考えずに「朝ルーティン」に取り掛かる私を止められないこと。

例えば…前日の夜にパートナーとケンカになったとして。
次の日の朝、申し訳なさそうに「おはよう、昨日は言い過ぎました…」って謝ってくるパートナーとは対象的に、黙々とコーヒーを淹れ、朝食を作る私がいたりするワケよ。
(因みにウチでは、朝に強い私の方が圧倒的に早起きの都合、朝食を作るのは基本的に私。)

大体の場合、夫婦ゲンカなんてどちらかが一方的に悪い…なんてことは多くないことの方が多いのですよ、少なくともウチの場合。
だから私にも強く言い過ぎた部分は当然あって、それについては謝る気はあるし、謝らなければならないワケです。
ただ…それとは別に、私の体は淡々とルーティン作業をこなすのです。
それはケンカに限らず、体調不良の時にも如何なく発揮され、自分の具合の悪さによる調子の悪さがあって尚、ルーティンが滞ることによる不安感に勝てない感じで黙々と作業が進むのです。

ケンカの翌朝、いつも通りに作業する私にパートナーは「冷たさ」を感じるでしょう。
体調不良を押してまでいつも通りに作業する私を見て、パートナーは何を思うのでしょう。
「ルーティン化」や「時刻表管理」と言う時間管理のライフハックは、私の時間管理の難易度を確実に下げただろう…と思います。
ただ、それはあくまでも社会生活に支障をきたさないようにするための「対処法」であって、そこには他者との関わりや自らの客観視で予定変更して行動修正する視点が存在しないのだと、私は思ったのです。

そう言う視点から、私は本当に「時間感覚」に強いのか…を考えた時、時間で失敗しないように編み出した自己流のライフハックが上手く機能しているだけで、本当は時間管理が苦手な AS"D" 者なのではないか…などと思ったのです。

果たして社会が求める「時間管理」とは、遅刻しない…とかに代表される失敗しない管理のハナシなのでしょうかねぇ。
定型発達(二ユーロティピカル)な皆さんの時間管理と感覚は、相対する誰かと合わせて伸び縮みする「四次元性」が存在しそうです。
他者視点の弱さからくる自己客観視に難のある AS"D" の私は、相対するあなたに合わせて時間を伸び縮みさせることが上手くできません。

上手くいかない時のライフハックは、時として「やらなければならない」という脅迫性だけが取り残されることがある…。
ケンカの翌朝に何事もなかったように淡々としてしまう私は、何事もなかった…と本当に思っているワケではないのですけど。


本文中の ADHD や ASD の D を "D" で囲んでいるのは、Disorder というニュアンスに、私が疑問を感じていることにあります。

Attention Deficit Hyperactivity Disorder
Autism Spectrum Disorder
の、Disorder とは、何を基準として Disorder なのか?
定型に対しての異型を障害として指定するニュアンスなら、ちょっとイヤだなぁ…と。

私は意味の通じる言葉として、ASDや ADHD という表現が流通することに抵抗はありません。
ても…その言葉の成り立ちについては、言葉を使う方々に、もう少し知ってほしいかも…とか感じることがあるのです。

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