見出し画像

マクドナルドと不倫の関係について

マクドナルドはおいしい。誰がなんと言おうとおいしい。

ダブルチーズバーガーとポテトL、チキンナゲットとコーラにむしゃぶりつけば、大抵の悩みは吹き飛ばせる。一回5千円のカウンセリングに通うよりもよっぽど安上がりで身近なストレス解消法だ。

仕事の人間関係に辟易しながらも歯を食いしばって働き、なんのために生きているのかもよくわからないような日々を送り、ようやく連休前までたどりついたとき、体が欲しているのは納豆や焼き魚や野菜炒めではなく、糖とカロリーにまみれたジャンクフードなのである。

もちろんジャンクフードは体に悪い。かつてマクドナルド愛好家たちを絶望のどん底へ追いやった『スーパー・サイズ・ミー』をはじめ、さまざまな科学的実験データからその証明がなされている。

『スーパー・サイズ・ミー』の中で、専門家がこう言い放つシーンがある。

マクドナルドはどのくらいの頻度なら食べても問題ないかって? 一度も口にしないことが望ましいわ

ちなみに、かつてネット上で不倫経験者が「不倫はたった一度でもダメよ。一度でもハマってしまえば抜けられないから」という旨の発言をしていたことがある。これはマクドナルドにも置き換えられる。

「マクドナルドはたった一度でもダメよ。一度でもハマってしまえば抜けられないから」

つまりマクドナルドは不倫と同じような立ち位置にあるのである。私たちが手間も時間もかかる和食に嫌気が差し、手軽に手に入れられるマクドナルドを口にした時、それは一種の不倫なのだ。

なるほど、マクドナルドを食べたときの謎の背徳感と興奮は、そういうところから来るのかもしれない。

私はマクドナルドが好きというよりも、本当はそういったスリルを求めているのだろうか。

一度ハマったら抜け出せない。マクドナルドを食べたあと、「明日は健康的な食事にしよう」と妻への愛情が湧き出てくるが、いずれまた衝動的に不倫を犯すのだろう。

マクドナルドは不倫だ。不倫はつまりマクドナルドなのだ。そんなことを考えながら、私は今チキンナゲットにマスタードソースをたっぷりつけて頬張っている。


大事なお金は自分のために使ってあげてください。私はいりません。