マガジンのカバー画像

🔨 職人工房訪問記

6
民藝品をつくる職人さんの工房を訪問して、目に見えない部分を文章にしたためます。 意外にどこを基準に選べば良いのかわからないのが、民藝品や暮らしの道具です。素材やつくり手について…
運営しているクリエイター

2023年8月の記事一覧

雑記|つくり手と素材の間

雑記|つくり手と素材の間

この春、つくり手の工房をぽつりぽつりと訪問した。

出会いはいつもモノが先で、そのモノと向かい合ったとき、これをつくった人に会いたいという気持ちが沸々と沸いてくる。
どうしたら会えるだろうかと考えはじめ、予定を立て連絡をとり、製作の合間を縫ってお時間をいただく。

取材を終えた帰り道はいつも、あの人柄とあの環境だからこれが生まれるんだよなと、点と点が線でつながり、心がすとんと腑に落ちる、不思議な感

もっとみる
#2  安土草多 | 硝子

#2 安土草多 | 硝子

くもりのないつるんとした表情を目にすることが多い硝子のグラスや皿の数々。

あの透明な世界の中に、くもり、ゆらぎ、気泡がのこる独特の技法で唯一無二の世界観をつくりだす硝子作家がいる。

岐阜県は飛驒高山。
心地よい風が吹き抜ける盆地の丘の工房で、それらは生み出されている。

時間をかけない

半径1メートルほどだろうか。
作業に必要な一通りの機材を円状に配置。工程ごとに行ったり来たりして、ひとつの

もっとみる