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うつ病患者の就活日記―フリーソフトで履歴書を作ろうとして失敗編―

 最近、持病のうつの処方箋が変わった影響で、少し気力が出てきて、アルバイトに応募してみることにした。本来なら、担当医に相談するべき件だが、通院日までに締め切りがきてしまうので、仮に書類選考が通過した後、担当医に反対されたら辞退しようと考え、応募した。
 その際、Microsoft Officeと互換性をもったフリーソフトのLibreOfficeを使用し、履歴書のテンプレートはハローワークのHPから厚生労働省様式のものをダウンロードすることにした。業務内容に簡単なパソコン操作があったので、手書きでなくていいと思ったし、履歴書を買ってくる手間と費用を惜しんだからだ。結論から言うと、それが失敗だった。


Microsoft Officeと完全な互換性のあるフリーソフトはない

フリーソフトで履歴書を作って失敗した

 DL履歴書のテンプレートをLibreOfficeで編集し、証明写真はスマホアプリで撮影したものを貼り付ける。ここまでは問題を感じてなかった。
 しかし、PDFに変換すると、レイアウトがおかしい。写真が縦長になり、左側の余白に対して、右側の余白が明らかに広い。こんな見栄えでは良くないだろう。なので、OpenOfficeという別のフリーソフトも試してみた。結果は変わらない。引き続きレイアウトがおかしい。
 この時点で諦めて、他の方法に切り替えるべきだったと思う。だが、この時の私は、フリーソフトで履歴書を作ることを諦めることができず、今度はウェブ上のPDFコンバータを、片っ端から試し始めた。
 PDFコンバータを使ったことがある人は分かると思うが、これも完璧なものではない。やはりレイアウトが崩れたり、レイアウトが無事でもフォントがバラバラになってしまったり、ページがおかしなところで切れて2枚になったりする始末だ。
 結局は、そのPDFコンバータの中で、比較的ましだったものを採用した。明朝体であるはずのフォントが、なぜかゴシック体になっていたが、レイアウトは無事だからいいだろう。
 しかし、書類選考は通らなかった。送る前に3回はチェックしたはずなのに、不合格の後に確認したら、証明写真がわずかに横に伸びている。レイアウトは無事ではなかったらしい。その上、内容にもちょっとしたミスが2箇所見つかった。うつ病患者である自身の判断力の低さをなめていただろうか。尽くした労力に結果が伴っていない。

最適解はGoogleスプレッドシート

 後日、履歴書をパソコンでかつお金をかけないで作成する方法の最適解を知りたくて、パソコンに詳しい伯父に相談してみた。そうして教えてもらったことは、「Microsoft Officeと完全な互換性のあるフリーソフトはない」という事実と、「Googleスプレッドシートを使ってみたら」という提案だった。
 Googleスプレッドシートは、Web上でExcelファイルの編集ができるGoogleの表計算ソフトである。インターネット環境と、Googleアカウントがあれば、誰でも無料で使用できる。以前に一度だけ使ったことがあったのだが、伯父に言われるまで思い出せなかった。数年前、一人暮らしをしていた時に、私用パソコンを持っておらず、自宅にスマホ以外のネット環境もなかったからだと思う。
 試しに、Googleスプレッドシートで履歴書を作成し、PDFに変換したところ、選べるフォントが少なく、余白が少し厚生労働省のものと違っていたが、縦長になったり横長になったりはしなかった。こっちにしておけば良かったと反省した。
 Googleスプレッドシート上で編集したファイルを、PDFに変換する際に、少し戸惑ったので、一応説明しておくと、編集タブのダウンロードからPDFを選択し、A3横向きに設定後、カスタムの改ページを編集し(スケール88%)、印刷形式の配置の水平のところを中央にしたら、いい感じの見た目になる。

パソコンもインターネット環境もなかった時にどうしていたのか

 パソコンとインターネット環境がある人は、知らなくても支障ないが、通信のできるスマホがあれば履歴書は作れる。タウンワークの履歴書作成アプリ「レジュメ」なら、私は使ったことがあった。

iPhone用リンク↓

android用リンク↓


 ただし現時点(2024/6/11)では、履歴書の様式が少し古いせいで配偶者に関する欄があったり、氏名のフォントが小さめだったり、学歴と職歴の欄を一行空けられなかったり、細かいところで不満はある。まあ、アルバイトであるし、厳格な組織相手でなければ、これでもいいだろう。

証明写真はスマホで

 とにかくお金をかけたくなかったので、証明写真はスマホで撮影した。全体を通して、この作業がもっとも手間と時間がかかったと思う。きちんとした服に着替え、メイクをし、自撮りで角度と位置と目線を頑張って合わせる。写真を撮ってくれる人など都合よくいない。自撮り棒は100均のでいいから、たぶんあった方がいい。そこは必要経費だと思って、購入した。
 後で気が付いたが、この時ついでに、履歴書用の封筒とクリアファイルも買っておけば良かった。そうしなかったので、短期間で100均に2回行くはめになった。要領がよくない。

 証明写真を撮るのに、おすすめの無料アプリは、iPhoneならこれ。

 背景を加工できるし、ただスマホのデフォルトアプリで写真を撮るのと違って、顔の位置のガイドがあるので撮りやすい。
 ちなみに、写真だけをコンビニで印刷する場合は、パソコンに取り込んで、USBでデータを持っていくか、各コンビニに合わせてネットプリントを申請する必要がある。以前、ある資格証のために、セブンイレブンで印刷したら40円(写真L版で設定)で済んだ。android版がないのが残念だ。

 androidでも使えるアプリでベストなものは見つけられなかったが、次のアプリなら使えるんじゃないかと思う。

 こちらのアプリも、背景を加工でき、顔の位置のガイドもあるが、パソコンでデータとして履歴書に貼り付けるには、できた写真のアスペクト比を変更する必要がある。
 また、写真を印刷する場合は、200円かかり、利用できるコンビニが限られる。ローソン、ファミリーマート、ミニストップ、デイリーヤマザキ、セイコーマートからの選択で、なぜか家に一番近いセブンイレブンはない。

最後に

 失敗した履歴書を踏まえて、数日前に再びアルバイトに応募してみた。今は書類選考の結果を待っている。2回の応募のことは、まだ担当医に相談できていない。短期間の出来事だからだ。
 当初は、アルバイトが社会復帰のリハビリになればと考えていたが、今は履歴書を作って送るという働く前段階の行動が、就活の練習になると思っている。
 学生であれば、学校がMicrosoft Officeを契約しているだろうから、パソコンによる履歴書作成で、そんなに困らないだろう。しかし、個人で年間¥14,900(月¥1,490)を契約するかは、微妙なところだ。1ヶ月分だけだとしても、買わないで済むなら、それに越したことはない。
 転職者はみんなどうしているのだろう。アルバイト以外なら、職務経歴書も必要だし、送付するための封筒に住所を書くだけでも結構大変である。字の丁寧さが求められる上、ボールペンで誤字脱字をしてしまったら、やり直しなのだから、達筆な人以外の手書き派が、そんなに多いとは思えない。
 ウェブ上で履歴書を作成できるツールもあるが、それのフォーマットや機能に合わない変則的な編集をしなければいけなくなった時、やはりやっかいだと思う。今回、それらのツールもいくつか試したが、フォーマットが古かったり、転職サイトへの入会が求められたり、”入職”と書きたいところを”入社”としか書けないなどの使い勝手の悪さから、良いと思えるものは、現時点で見つけられなかった。みんな言われるまでもなく、Googleスプレッドシートを使っているのだろうか。本格的な転職活動をしたことがないので、事情がよく分からない。
 通院しながら生活していく限りは、完全には転職活動に舵を切れないし、今回のように遠回りしながら、スモールステップで藻掻いていくしかないのだろう。未来がどうなるかは分からない。ただ今は藻掻く自分を嫌がらないで見つめていこうと思う。

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