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たとえ世界中の人が彼のことを忘れても、私はずっと覚えている。

2016年10月25日。
本来なら、この日は私にとって、生まれてきたことを喜び、感謝する そんな誕生日のはずだった。

「Dead Or Aliveの Pete Burns|ピート・バーンズ (57歳)死去。」
Twitterに流れてきた 英語のニュースで
私はそのまま泣き崩れた。

それでもしばらくして気を取り直す。
私はTwitterのメインアカウントとInstagramで 英語/日本語でつぶやいた。
同じ世代、または年上の世代の方々や
海外のファンたちからのリアクションの多さに
彼の偉大さを改めて知った日だった。
その翌日まで特にInstagramの通知はなりやまない。
多くの人たちと彼の死を悼んだ。

ただ、やはり、世の中色んな人がいる。
ピートの死のことをふれながら、
「最後は整形おばけだったもんね」
とか。
「まだ生きてたんだねwww」とかわざわざ草を生やしてつぶやく人も多かった。

けれど、そんな中で、海外の新聞が報じていたのは、
「カルチャー・クラブのBoy George|ボーイ*ジョージが 葬儀など全て執り行う」
ということだった、
ピートの訃報と同時に書かれていたのは
負債などのために葬儀ができないかもしれない、ということだったからだ。
同じ80年代から活躍してきて、
なおかつピートが慕っていたボーイ・ジョージが。
こういう友情をこえた絆もあるのだと改めて思った。

1984年にデビューした Dead Or Alive。
英国・リバプール出身のヴォーカリスト、ピート・バーンズ率いるダンス・ポップ・グループだった彼らは
ユーロビート界のヒットメーカーである、
ストック=エイトキン=ウォーターマンがプロデュースした「ユースピン・ミー・ラウンド」は全英1位を記録する。

彼らの曲は80~90年代のユーロビート全盛期代表するヒットを放つ。
また漆黒のロングヘアに独特な濃いメイク、衣装は当時の象徴ボディコンという個性的なファッションでも話題を呼んだ。

当時、私が 他のユーロビート アーティスト/グループよりも 特に デッド・オア・アライヴに 夢中になったのは いくつか理由があるが
ピート・バーンズの圧倒的な存在感とカリスマ性が理由の1つだ。

たまに友だちとディスコにいくと
年上の大学生や会社員たちが デッド・オアアライヴのBGMに一心に踊っている姿というのは
私にはかなり強烈な印象だった。
ピートのような髪の毛にしているボディコンのお姉さんたちもいた。
世はまさにバブル絶頂期。
そんな年上の人たちを、なんとなく俯瞰して眺めていた。
私自身は 大人と同じように ボディコンをきていたわけでもなかったけれど。
ピートの圧倒的な美しさや立ち居振舞いというのは
とても魅力された。
妖艶さを兼ね備えていて歌声は切れがあり、パワフル。
ピートは生前よく言っていた。

「自分らしく、表現することが大切」
「個性を大切にしてね」

こうした言葉を言うことはとても簡単。
けれど常に「奇抜」と評されるファッションに身を包み、
アルバムのジャケットなどにも徹底して彼なりの美を追求する姿は
中学・高校生の私にもとても印象に残ったのだ。

そんなデッド・オア・アライヴの曲の中でも
特に私の大好きな曲を今日は紹介する。

Dead Or Alive / Turn Around And Count 2 Ten

※Spotifyは シングルで
Apple Musicは 収録アルバム「Nude」からのまま。


 “さあ、向こうを向いて10数えて
この世でキミを一番愛している人を失う前
今のままのキミでいいんだよ
今までキミがしてきたことなんてどうでもいいんだ
自分のところへもどってきたときには
もう他の誰かと一緒にいるかもしれないんだよ
だから悔しいけど言うよ キミを取り戻す、戻ってきて欲しいんだ
「二人とも、最近すれ違いが多いね」
キミはそう言ったよね
キミって自分の顔も見ないんだね
キミの目を見りゃわかるよ
いや本当は二人ともわかってるんだ
ただ口に出さないだけ
この街では愛だけが唯一のゲームなんだ
キミはそれをよくわかってたんだよね
この愛の行先は、もう火が消えかかってる
二人が払う代償はとてつもなく大きいよ”

(歌詞の一部を 意訳しました)

2018年5月には デッド・オア・アライヴのドラマー、スティーブ・コイがピートの後を追うように若くしてこの世を去る (56歳)。

寂しいけれど、きっと天国では二人でコーラスでもしてるだろうか。
改めて ピート、スティーブ。
安らかに。

ずっとずっと忘れないよ









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