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“地方創生と企業版ふるさと納税の可能性“ 北海道スペースポート× 神山まるごと高専が対談

こんにちは!
SPACE COTAN広報チームです!

前回紹介した地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)の大臣表彰式では、SPACE COTAN株式会社代表の小田切義憲と、徳島県神山町で高等専門学校の設立に取り組むSansan株式会社の代表取締役社長・寺田親弘氏の対談イベント「地方創生と企業版ふるさと納税の可能性」も行われました。

寄付をお願いする方法や苦労、企業版ふるさと納税を地域の新産業や事業育成に活用するポイントを語り合いました。
「企業版ふるさと納税が思うように集められない」とお悩みの方々に必見の内容です!

対談はYouTubeで公開しています!

表彰式、対談イベントはYouTubeで見ることができます。
この記事で書き切れてれていない内容もありますので、詳しく知りたい方は、ぜひご覧ください。

テーマ
地方創生と企業版ふるさと納税の可能性
登壇者
・寺田 親弘氏(Sansan代表取締役社長、神山まるごと高専理事長)
・小田切 義憲(SPACE COTAN代表取締役社長兼CEO)
・晝田 浩一郎氏(ファシリテーター、企業版ふるさと納税マッチング・アドバイザー)

アプローチは500社超、100社超から寄附

晝田氏
SPACE COTANの小田切様から自己紹介と活動紹介をお願いいたします。

ファシリテーターを務めた晝田氏

小田切:
大樹町は東京から飛行機で約1時間40分、空港から車で40分ほどの非常にアクセスが良い場所です。

北海道で新産業を生み出そうと、強みを活かす方法を検討した結果、大樹町では東と南に広がる海を活用して宇宙のまちを作ろうと考え、プロジェクトがスタートしました。

それから脈々と38年間取り組みを進め、2021年4月にSPACE COTANが発足。本格的に宇宙港・ロケット発射場整備を始め、打上げの場を提供するため日々精進しています。

▼“宇宙のまち”大樹町これまでの歩み(大樹町WEBより)
https://www.town.taiki.hokkaido.jp/soshiki/kikaku/uchu/aerospace.data/202104ayumi.pdf

宇宙港を整備・管理するにはお金がかかります。大樹町の一般財源は少なく、自分達でお金を工面することは難しいため、ふるさと納税で集めています。

100社を超える皆さんにご協力いただき、寄附は10億円を超えました。訪ねた会社は500社以上。地元の十勝から始まり、札幌、北海道、東京、それ以外の全国の企業様にアプローチしています。

大樹町の寄附募集実績

晝田氏:
寺田さんから神山町の取り組み、ご自身のご紹介をお願いします。

寺田氏:
Sansanを創業し社長を務めていますが、神山町の高等専門学校理事長も兼任しています。

学校のコンセプトはテクノロジー×デザインで「人間の未来を変える学校」です。ものを作る能力を持った人が、未来も作ってくれることをイメージした言葉です。

テクノロジー、デザイン、起業家精神の3つが教育の柱です。起業にチャレンジする人は、ものを作る力を持っている必要があると思っています。

神山まるごと高専とは
徳島県神山町の私立高等専門学校で、2023年4月に開校した。国内の高専としては19年ぶりの新設校。
起業家が講師となり起業家精神やテクノロジー、デザインを学んでもらうことで、卒業生の4割を起業家とすることを目指している。
校歌は2023年3月に死去した坂本龍一さんが作曲した。

▼神山まるごと高専WEB

企業版ふるさと納税は、寄附する会社の財務的な負担を軽減でき、さらに学校を知ってもらえるため、大いに活用させていただいています。

Sansan代表取締役社長で、神山まるごと高専理事長も務める寺田氏

寄附企業にビジネスチャンス|プロジェクトへの共感ひたすら喚起

晝田氏
企業版ふるさと納税をお願いする際、何を重点的にお話しされましたか?

小田切
全ての地上の産業は、宇宙産業に繋がると言われています。数十年経てば月に人が住むかもしれないし、孫の時代には違う惑星に住むかもしれない。ロケットの部品を作っている会社でなくても宇宙に関われるので、いろいろな方々にお声掛けしました。

企業版ふるさと納税は自治体に寄附するので「社内で説明がつかない」と言われることもありました。しかし、ある時ふと気づいて「大樹町への寄附が北海道全域、最終的には自分達のビジネスに返ってくる」と説明し始めてから、一気に話しやすくなりました。今後は全国の企業についても同様の声かけを続けていきます。

北海道スペースポートを核に産業が集積する様子を表現したイラスト。航空宇宙は農業や漁業、レジャー、飲食、教育などあらゆる分野と繋がる

晝田氏:
寺田さんも口説き文句があったのでしょうか?

寺田氏:
「企業版ふるさと納税をしてください」とはお話しせず、学校や志を説明した上で「ぜひ応援してください」とお願いしていました。応援いただくにあたって企業版ふるさと納税を紹介していた感じです。プロジェクトそのものに共感してもらうことを、ひたすらやっていました。

SPACE COTAN代表取締役社長兼CEOの小田切

キラーコンテンツを見つけ出し、磨き上げる

小田切:
寺田さんの取り組みをホームページで見ると「奇跡の田舎」と書いてありました。これを見た時に「やっぱり一緒なんだな」と思いました。

大樹町も地の利があるからこそ、宇宙産業というキラーコンテンツがあり、本当に恵まれた場所だと思ってます。自治体のキラーコンテンツを見つけ出し、磨き上げて形にすることが重要です。

晝田氏:
「奇跡の田舎」や宇宙ビジネスのようなスペシャルな点をいかに出していき、共感してもらうのが大切ですね。

小田切:
見つけるのは町の外にいる人が得意です。中にいると、なかなか自分の町の特異性は見えない。周りの人たちの方が見えやすいと思います。

晝田氏:
寄附する企業の立場から企業版ふるさと納税を使いたいという方がいらっしゃると思いますが、なかなか上司の承認が得られない場合はどうしたら良いでしょうか?

小田切:
担当の方は前向きな返答をしてくださるのですが、上にエスカレーションする中でだんだん厳しくなるのは、どの企業も一緒です。そこを上手く突破する説明力がすごく大事です。

我々の場合、航空宇宙産業で日本が元気になっていくきっかけになると理解いただくことが重要です。航空宇宙産業が日本の基幹産業の一つにしていけることを若い方にも知っていただき、関連業界にどんどん飛び込んできてほしい。日本を活性化するツールとして、ご理解いただきたいです。

オンラインでも配信された企業版ふるさと納税活用がテーマの対談イベント

我が町だからこそできるプロジェクトを見つけ、多くの方々に共感いただくのが企業版ふるさと納税活用の重要なポイントでした。

企業版ふるさと納税を活用している・活用を検討している自治体、企業の皆さんの参考にしていただけると幸いです。
興味のある方は大樹町のWEBページも参考にしてください!

▼大樹町の企業版ふるさと納税のWEBページ


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