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読書感想「麦本三歩の好きなもの」

~ほっと息抜きできるような作品~

住野よるさんは「君の膵臓をたべたい」などが有名ですが、私はまだどれも読んだことがありませんでした。と、いうわけで今回の「麦本三歩の好きなもの」が初です。

元々気になってはいたのですが、本屋さんに行くと文庫化記念で平積みになっていたので迷わず購入しました。

一人の女性の日常を読んでいるようで比較的明るいです。とはいえ、ライトな話が多いかといえばそんなことはなく。友人の死にたい気持ちに触れた章では、主人公の三歩の向き合い方がとても良いなと思いました。かける言葉も本当に相手のことを思っているからこそ出てくるようなもので、主人公の人柄が一番に出ている話だと思います。

一つ気になったのは、読者としては(私だけかもしれない)三歩が「おかしな先輩」と呼んでいる先輩がいるのですが、三歩も十分変わっているような……。その三歩に「おかしな先輩」と言わせしめるその先輩は、相当普段の仕事場で三歩にそういう面を見せているのだろうかと思ってしまいました。

最後から二番目の章にその「おかしな先輩」と三歩が衝突するような、話し合う場面があるのですが、その話も人と人との関係性について考えさせられるものがあるので是非読んでみて欲しいです。

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