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ASDの子どもは頭が大きいという件について

昨日の、ASDの子どもはシナプスの刈りこみが行われるのが遅い、という話の続きにもあたります。

診断名の違いとか、診断名がころころ変わりすぎること

我が家に関しては、夫がアスペルガー症候群(経度?)を持っている印象(診断無し)で、いっくんは自閉スペクトラム症にあたると思います。

自閉症とアスペルガーの違いは、
言語理解が優位で知的な遅れがないことがアスペルガー症候群、
言語理解に遅れがあり、視・空間的能力が高い人が多く、知的な遅れがある場合も含まれるのが自閉スペクトラム症ということだそうです。

専門家によっては、高機能自閉症とアスペルガー症候群は、言葉の遅れのあるなしはあっても、ほとんど一緒で変わらないという人も。

この辺の分類については、高機能な人と知的な遅れがある人、『自閉症の僕が飛び跳ねるわけ』の東田さんのように、知的な部分に問題はないが、脳がそれをうまく「出力」出来ないタイプの人と、全て一緒くたにしていいのかな…という違和感はあります。

もしくは全てニューロダイバシティとするかですよね(笑)w

つまり、診断名ってあんまり重要じゃないと思っています。
だから、わたしはいっくんを診断してもらう気がほぼありません。

国の補助が必要な人だけ診断してもらえばいいと思っています。
保育園で加配をつけてもらう必要がある、小学校で支援級や支援学校に通わせる必要がある、などです。
手当のお金もけっこう大きいですしね…

あと、すごく重要なのは親へのサポートですね。
発達の遅れは自分のせいではなかったと知り、救われる人も多いですし、子どもの認知機能の特性に関して知り、学べば、そのために環境を用意することができます。
両親が子どもの心を傷つけることが無いように、ということです。

幼児期に関してはこの、親へのサポートの部分が一番重要かなという気がします。

「アスペルガー症候群」岡田尊司

今回はこちらの本の「第4章アスペルガー症候群の脳で何が起きているのか」について書くと同時に、いっくんなどの例で考えてみます。

わたしは岡田先生の『自閉スペクトラム症』も読みましたが、いっくんに関しては視覚優位で聴覚劣位であること、言葉の遅れ以外は、ASD特有のその他の困りごとはほとんどないため、こちらの『アスペルガー症候群』は高機能自閉症を理解するのにもとてもよく、何より、
・時間の管理が苦手(もしくはすごく几帳面のどちらか)
・純粋
・部屋が片付けられない
・着るものに無頓着
・自分や他人の感情がうまく理解できない
・三角食べができない
・字が汚い
など、夫の「あるある」がすごく詳細に載っていたのでとても面白かったです。読みながら幾度となく笑ってしまいました。

なお、アスペルガー症候群の名称のもとになったハンス・アスペルガー氏はドイツの素晴らしい小児精神科医でした。空気読めない人を「アスペ」と呼んで侮蔑するような面が日本にはありますが、当事者に対してばかりではなく、アスペルガー氏に対してとても失礼だなと。


脳が過剰に成長する時期があり、頭が大きい

脳が過剰に成長する、というのは、シナプスの刈りこみが行われずに、どんどん接続が進んでしまう状況のことです。(前回の記事)

 自閉症の人の脳で、指摘されている特徴的な事実は、脳が過剰に成長する時期があるということだ。幼いころ、頭が大きい傾向があり、頭囲の平均は、健常児より大きい。アインシュタインも、小さいころから、異様に頭が大きかったといわれているが、そうした例が珍しくない。ただし、これには個人差があり、そうした傾向が見られない子もいる。
 剖検(解剖して調べること)による研究でも、脳の大きさや重量が平均以上であり、ことに、偏桃体と呼ばれる領域の構造に異常が見られることが分かっている。偏桃体は、情動や社会性に関係が深い領域である。自閉症の人では、細胞の数が通常に比べて多く、異様に詰まっていたのである。神経細胞が詰まりすぎているため、神経細胞間のネットワークの発達が悪く、機能の点でうまく働いていないと考えられる。
(中略)
なぜ頭が大きくなるのか
 頭が大きいのは、偏桃体のサイズの問題だけではなく、前頭葉が大きいことにもよる。自閉症スペクトラムの人の4分の1は平均より大きな脳を持っている。前頭葉の中でも、背外側部(モノを扱う領域)が通常よりも過剰に発達している。大脳皮質は、神経細胞が集まった灰白質と、主に神経線維からなる白質からなるが、灰白質の過剰発達は、五歳未満の時期にだけ見られる。つまり、幼児期に一過性に神経細胞が過剰に作られることを示している。
(中略)
…強迫的で柔軟性が乏しい傾向は、前頭葉の機能と関係が深いが、機能的MRIや脳はなどを用いた研究によると、自閉症スペクトラムの人では、前頭葉の働きが低下しているとされる。

『アスペルガー症候群』岡田尊司


脳機能の個性

脳機能の話はとても面白くて、テンプル・グランディン氏の著書でも、彼女自身の脳と一般的な脳との違いを見せてくれていました。

テンプル・グランディン氏は視覚的な能力がすごく強いので、視覚野が全然違かったり、右脳と左脳の大きさが違かったりして、面白かったです。
(うろ覚えですが)

テンプル氏は自らもASDでありながら、学者でもあり、自閉症の論文も読み漁っているので、彼女の本も非常に面白いです。

体験と理論と両方を語ることができるというところで非常に価値があります。

脳の違いは面白いです。いっくんの脳やわたしの脳も、機会があれば見てほしいなぁ。


いっくんの頭はとにかく大きい

うちのASD疑惑の息子、いっくんですが、胎児の時からとにかく頭が大きくて、何か病的な理由があるのではと心配していました。
だから、ASDは頭が大きい人が多いという話にすごく納得。

胎児の時から頭だけ大きくて、生まれる時も、頭だけがどうしても引っかかってなかなか出てこなくて、助産師さんがわたしの膣に手を突っ込み、「この骨に頭が当たるのよね~」といって、中から骨をグ―――って押すのです(笑)
陣痛以上に痛かったww( ;∀;)

その後の健診でも、頭囲部分の成長曲線だけ「正常範囲」の枠からわずかに飛び出していました。

でも健診では、「まぁ、これくらいなら大丈夫」とか、「一気に大きくならなければ大丈夫」なんていわれいました。

今も、いっくんの体型はドラえもんみたいだなぁって思います。

ちなみにいっくんのパパ(わたしの夫)も頭が大きくて、身長も低いので、五頭身ですww

上が現在11歳の長男誕生時。
下がいっくん。
首の角度が違うとはいえ、いっくんの頭のデカさが半端ない。

お座りになってからは、頭の重さですぐに転倒するので、転倒時の怪我防止クッションはマストアイテムでした。これにどれだけ救われたか(´;ω;`)

いっくん10ヶ月

体型については、夫の赤ちゃん時代の写真を見たら、いっくんとそっくりだったので、まぁ、遺伝と言えば遺伝なのだろうと思います(笑)


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