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教壇に立ち続ける 98 わたしのやりたいこと【note限定記事】

眠いけれど、1日採点と家事に注力しなければならないので、今のうちに書いています。現在4本目。残り小説が3本、シナリオが1本あります。嘘だと言ってよバーニー。どうも星野です。11月の定期更新日は水・土。今日は連続投稿日、ふたつめのお題は「私の指導の根っこにあるもの」の話をしようと思います。この記事を読んで、参考になったなーとか、いいなと思って頂けたらサポートをお願いします。minneとFantiaはこちら。毎週土曜更新、全国一律送料無料、受注生産以外は即日発送可。なにとぞ。

わたしの特質と授業の方向性

散々「教師には向いていない」「やめたほうがいい」と言われ続け、結局なってみたら天職では? と感じている、教職のお仕事。この度、とある高校に転勤希望を出しております。それが通るかまだ不明ではありますが、それに合わせて「私のやりたい指導って何だろう」というのを再確認しておきたいと思ってこの記事を書いています。
私はご存知の通り趣味人です。毎週のようにTRPGで遊び、本を読み、ゲームをし、お買い物や美術展に足を運び……分身の術が使えたらどんなにいいか、もっと寝たいけれど今日は原稿を書かなくちゃ、とか飽きもせず毎週のようにやっているわけです。そんな私がなぜ、こんなにも忙しい教職を選んだのかといえば、私の「根っこ」にあるものが「知的好奇心と学術への強い愛」だからではないかと、今は思っています。

私は幼い頃から読書が好きでしたし、今は美術も音楽も演劇もたしなみます。基本的に何にでも興味を示すのです。それは私が「できるだけ世界のいろいろな面白いことを知ってから死にたい、死後の世界に持っていけるなら現世の知識を持っていきたい」と思っているからです。今でこそ希死念慮さんは薄いですが、それは毎日が知的刺激で満ち溢れているからだと勝手に推測しています。
けれども、どうやら勤務先の生徒の大多数は(そして勤務先の大多数の教師は)そうではないらしい。部活動にも意味はあると思います、人格の形成とか礼節とか、私には想像もつかないような何か大きな魅力があるのでしょう。しかし、それは勉強でも同じではないですか? と言いたくなったのです。知識を得られれば、この変化する社会でもサバイブしていくことができます。たとえばテーブルマナー。礼節という点では部活動で涵養しているものと同じです。たとえば道徳の授業。これも人格の形成という点では部活動で育てられるとされているものと似ています。部活動だけがそんなに持ち上げられるものなのですか? 学習する(知識や技術を得て、自分の力で思考できるようになる)ことが学生の本分なのではないですか? と、今の職場に喧嘩を売りたくなったのです。だから私は転勤を決めました。ここで失敗しても勤続はできるだろうし、次のチャンスを虎視眈々と狙えばいいだけなので、失うものはないし、という経緯でこの大博打に出ることにしました。

国語科でどんな力をつけてもらうか

私は国語という教科を通して、何を教えたいのだろうと考えるようになりました。生徒にも「国語はセンス」「国語は暗記」などと悲しいことを言われ、その考え方をどうにか払拭するために今まで授業してきたはずなのに……と思っているところです。私は「多様な読み」はあっていいと思うし、趣味で小説や新書を読むときにまで国語の勉強で習った読解方法を活用せよとは言いません。好きにすればよろしい。けれども、「いろいろな考えがあったね、なんだか視野が広がったね」だけでは終わらせたくないのです。国語の致命的なところは、オープンエンドでふわっと終わらせてしまうと「国語には答えがない」と思われてしまう点だと思っています。だからこそ「国語はセンスがないと答えにたどり着けない」と思われたり、あるいは多様な読みを否定しまくった結果「このノートの内容を暗記しておけばテストで点数が取れる」と誤解されたりするのではないでしょうか。我々国語科教師はその現実を受け止めて、もっと「多様な読みをする力(自由な想像力)」と「共通最適解を探す能力(批判的思考力)」のふたつを育てていかなければならない、と考えるようになりました。そういった授業や指導が実践できそうなところに転勤して、生徒たちと共に成長していきたいのです。

多様な読みは、多様な価値観から生まれます。この物語から何を読み取るか、この評論文から何を学び取るかは、普通に読書していくなかではひとつに規定できないと思います。独自教材を使うのも、リフレクション活動に取り組むのも、とにかく私も生徒もたくさん読んで、たくさん書いて、たくさん考えていくことで「共通最適解」を見つけ出すための議論につなげたいのだなと考えています。だから私はTRPGだとか図書館たほいやだとかボードゲームだとか、様々な媒体を使って「柔軟な思考」を育てたいのかもな、と思い至りました。TRPGも(繰り返しになりますが)自分の創造と他者の想像がぶつかりあって、今までなかった世界が生まれます。そういう化学反応的な授業がしたいな、とか夢想しちゃったりしているのです。それが今の勤務校ではできない、だから受け入れてくれるところに転勤したいと思うのだろう、というのが現段階の結論です。

もちろん私は未熟者で、まだまだ何も成せていない、生まれたてピヨピヨの教師ですが、それなりに自分の頭でちゃんと考えています。負け犬でも吠えるし噛みつくからな、というマインドで、今日も明日も教壇に立ちます。それでは、また。

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