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教壇に立ち続ける ㊽ 演技とTRPG【note限定記事】

今日は破竹の勢いで執筆しています。どうも星野です。書き溜めたので仕事が忙しくても投稿するだけ。お手軽。お題消化もぼちぼちしていく予定です。
今回で「身近なものを教材化する」のテーマはおしまいです。最後の授業案は「演劇」。はてさて、どんな授業になるのやら。
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今回「演劇」を授業で扱う、としたわけですが、どうしてこれをお題に選んだかというと、大学時代の友人が「高校で演劇の授業をやった」という話がすごくうらやましかったからです。彼女の高校は自由な校風で、国語の授業の中に演劇のカテゴリがあったと話しており、「私がやるならどうなるだろうか」と思い立ったのがきっかけで、こうして今回授業の提案をすることとなりました。アイデアをくれた友人には感謝ですね。

「演技」って難しいのでしょう、と大げさに構えなくても、私たちは日常生活の中で様々な役割を演じています。誰かの友人である私、教師としての私、恋人としての私……無数の「私」のかけらからそれぞれの自己同一性が生まれると私は考えています。外国にルーツを持つ生徒を対象とした教育法などを学んできたからそう思うのかもしれませんが、日常でも「演じること」とは無縁ではいられません。そんな「無数に散らばる『私』のかけら」を生徒が意識して拾い集める授業になると良いな、と思ってこんな単元をつくってみました。

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友人の話では1年間まるごと演劇だけを扱い、演技指導や脚本、演出などもやっていたそうですが、さすがにそこまではできないので、1ヶ月で終わる単元を構想しました。教科は国語表現、対象学年は高校2~3年生です。朗読劇やペープサートは初等でも経験しているでしょうが、本格的な演技はたぶん高校生くらいにならないと指導できないのだろうという私の独断と偏見で高校生設定です。やる内容もそれなりにハイレベル。
TRPGの技法を使うので、こちらの記事もご参照ください。

ストーリーテリングについてはこちら。

大きく3段階に分かれており、①導入、②実際に演じる、③分析する、のステップを踏みます。
①ではこれからやる内容の説明と準備を行います。TRPGをやるならシナリオ選びも必須になりますし、キャラクター造形も個人で行う必要があります。それをこの1~2コマで完成させるというタイトなスケジュールです。やるシステムは「ゆうやけこやけ」、「クトゥルフ神話TRPG」、「シノビガミ」などなど指導者の好みに合わせてカスタマイズできますが、キーパーの生徒もルールを理解しておく必要があるので、システム運用が比較的楽なクトゥルフ神話TRPGをおすすめします。ルールブックをきちんと読み取る「読解」の活動でもあります。シナリオはもし可能なら生徒が書いたものを使うのも楽しいだろうと考えています。そのほうが分析をしたときにやり甲斐があるので。唯一の問題はルールブックを人数分用意できるかどうかなので、地域の図書館などと連携するのも大事です。
②では実際にプレイしてきます。少人数でやるもよし、大人数でやるもよし。生徒の主体性に任せて遊ばせてあげる時間です。ただし相手を侮辱しないことや、ゲームのルールを守ることなど、最低限のマナーを指導します。そして、ボイスレコーダーで各グループのプレイの様子を録音します。教室が複数仕えるなら別室移動でやってもいいでしょう。最初は恥ずかしがると思いますが、だんだん慣れてきます。オンラインでやるのもアリですね、いまは多種多様なオンセ用サーバーがありますので、上手に使い分けながらテキスト打ちなどでやってみてもいいと思います。
③では自分たちの演技の様子を振り返って(オンセはこれが楽です、テキストログを遺すことができるので。)分析する活動です。自分はどうしてこのような演技をしたのか、キーパーの思惑は何だったのか。それぞれネタばらしをしつつ、自分がどう「演じたか」を自己分析していきます。その過程で、自分の演じ方の癖だとか、今まで気づかなかった一面に気づけるといいですね。

こうしてTRPGを教育に持ち込むのは、私の唱える説では今に始まったことではないのですが、ソーシャルスキルトレーニングの側面やアクティブラーニングの側面など、たくさんのメリットがあるのです。だから導入を検討してもよいのでは? と私は思うのですが、なかなか「遊び」だと思われると難しいかもしれません。しかし遊びの中から学ぶことも多いはずです。楽しく学べたらそれがいちばんだろうとも考えるので、あえてTRPGにこだわってみました。
参考までに、工業高校での実践例を貼り付けておきます。尊敬する司書の先生のご実践です。

身近なものでも十分教材になる、工夫次第でいくらでも面白くできるというのが今回教材研究をしてわかったことでした。教師側が楽しみながら実践していけば生徒もついてくると思うので、これを機にいろいろやってみようかと。ひとまず授業の主要な単元を終えることを考えなくては。それでは、また。

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