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教壇に立ち続ける 114 板書の工夫・実践編【note限定記事】

父が好きだった最中を食べながら、ぼろぼろ泣いていました。どうも星野です。全然元気ではないのですが、やらねばならないことがある。というわけで今日も執筆です。お題は教育について、「実践記録・板書の工夫」です。最近板書の書き方を勉強したので実践してみました。この記事を読んで、参考になったなーとか、いいなと思って頂けたらサポートをお願いします。minneとFantiaはこちら。真面目に在庫が多すぎる。

板書は何のためにあるのか

板書の工夫の前に、何のために板書をするのかというお話を。板書は生徒に知識を伝達する方法であり、生徒の頭の中に情報を定着させるためのツールです。そして授業に主体的に参加するためのきっかけにもなるものです。だから「ただ文字を写すだけ」「コピーするだけ」の板書にするのは非常にもったいないのです。(残念なことに、生徒は「写していればいい」と思っており、やった気になっているだけで満足していることが多いです)個人的にはノートまとめで高校時代のテストを乗り切ってきたので、自分で先生の話をメモして調べて追加の書き込みをしたり、工夫して再構成したりして、板書のコピーではない新しい「記録」をつけてもらいたいと思っています。そういうのが本来の「主体的な学び」かつ「深い学び」だと考えています。だからこそ、生徒たちには主体的にノートをつくりあげてもらいたい。ただ、まとめるための技術が足りなくて、どうまとめたらいいかわからない生徒も多いことが分かっています。その心理的・技術的ハードルは非常に高いでしょうから、まずアウトラインを示すことにしました。生徒は何もない白紙を渡されても困ってしまうので、こちらで「何を書くのか」「どう書くのか」を手本として与え、それをもとに自力で再構成してもらう、という試みを今回実践しました。

生徒の背景について

対象学年は中学2年、わんぱく盛りの男の子たちです。単元は「卒業ホームラン」という重松清の作品です。話としては、主人公の息子と娘の様子から父親が「努力が報われなくても好きで続けることは何か意味がある」ことに気付くという、キラキラしたメッセージのこもった作品です。正直今の私には重たすぎる話なので、情緒不安定にならないかどうか心配な単元ではありますが、涙を見せずに頑張っています。
生徒たちはやる気に満ち溢れており、基本的に発言もたくさんしてくれます。しかしあまり学力は高くありません。やる気だけが空回っている子や、勉強の習慣がついていない子など、様々な問題を抱えています。それでも授業は楽しいと言ってくれるのが本当に救いです。そんな生徒たちは本文中から根拠を探してくるのに時間がかかります。ただ、考えたり感じたりしたことは言語化できるので、本文中から根拠を見つけて自分の思ったことが正しいか証明してみせて! と言いながら授業を進めているところです。

授業の実際

今回の実践は板書を3分で作ったのでいろいろとガバガバなことをお許しください。
順序としては「小説内の事実確認(時間経過、出来事など)」を行った後に「表情アイコンを描く」活動と、それに関わる会話文や心情を表した言葉を探す活動に移り、最後は「この作品のテーマ(娘の放ったひとこと「報われない努力は無駄」というのは本当なのか)に対して、父親の考え方がどう変わったか」について自分でまとめる、という段取りで実践しました。
現在変則的な時間割になってしまっているので、思考する時間やまとめる時間が少なかったのが悔やまれますが、それなりに形にすることができました。「今日はお絵描きだよ」と予告したせいか、生徒は心理的なハードルをそこまで感じることなく取り組めた様子でした。生楽しそうに表情アイコンに「父親の表情」「息子の表情」を書き込み、最後のまとめについてもたくさん発表してくれました。ただふざけてしまう生徒も一定数いて、叱った方がいいのか迷う場面もありました。私は結局「もうちょっと根拠を探してみたら?」とアドバイスする程度にとどめておきました。それが良かったかどうかはわかりませんが、自分の力で書いてまとめたものを否定されるよりも、「もっと上に行けるかもよ」と動機付けしたほうが有益だと判断したため、そのような対応に至りました。
生徒は自分の意見をしっかり持っているので、作品に対して割り切れなかったら「納得がいかない」と言うし、つまらないときは「つまんない」とはっきり言います。私にとっては耳の痛い発言もそれなりにあります。けれど、彼らに勉強する意思があることはひしひしと伝わってくるので、社会(あるいは学校)のルールの中で「わがままを通せない時もあるから、うまく折り合いをつける」ことと「面白さを自分で作る」ことを同時に教えて、彼らの将来に役立つ思考法を身につけてもらう予定です。面白さを自分で作るためには、ノートまとめが手っ取り早いと思うので、どんどん生徒には「自分で書く」「自分でまとめる」技術を伝えていきます。

最後に今日の反省メモを。今後も楽しく授業が展開できればいいなと思っています。それでは、また。

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