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私がありのままいられる場所

とても暗い部屋からネオンを眺めていた
眼下に広がる煌びやかな世界

洗練されたおしゃれな空間は
刺激的で高揚した
ドキドキが詰まっていた
楽しいひとときはあっという間

だけど
それが過ぎると
心はまた寂しくなった

ドキドキの反動で感じるのは虚無感

現実の世界で
わたしはひとりで
うまくいかない世の中にイライラ
みんなくだらない
みんな嫌い
自分も嫌い

「私なにしてるんだろう」

「どうしてこんなに生きるのに必死なんだろう」

みんなキラキラしてるのに

私はイライラしてる

何がみんなと違うんだろう


「東京に行きたい」

閉塞した世界にたまらなくなって
動くしかないと理解して
地元を離れることにした
怖かったけど
背中を押してくれるお友達がいた
そのお友達は神奈川に住んでいて
「東京に来たらいっぱい遊びにきてください」
と笑顔をくれた

東京に引っ越して
住む場所は変わっても
仕事は同じだったから
同じ日常を繰り返していた

ひとつだけ違ったのは
お友達の家に遊びに行って
たくさんの人と会ったこと

ホームパーティーが大好きなお友達の家には
いつも違う人が集まっていた
今まで出会ったこともない
関わったこともないような人たちと
たくさん会った

人が苦手な私は
最初は可愛げのない猫みたいに
すん、と澄ましてた
そんな私だったのに
お友達は懲りることなく
何度もお家に呼んでくれた

今思い出しても不思議
斜に構えていてぎこちない私に
お友達は来てくれてありがとう、と言ってくれた

「私のままでいていい」

人が苦手なくせに
誰かと一緒にいたい
自分でも持て余すくらい
面倒な性格だった

だけどこのお家では
人との関わるのが苦手な
いびつな私でも
受け入れてもらえるような
優しい空気があった

無理して笑ったり
無理して話を合わせたり
そんなことしなくても
そこにいられた

誰かと一緒にいるためには
私は「いい人」を演じなければいけない
だってなんの変哲もない「ただの私」を
好きになってくれる人なんていないから

「本当の私」を隠したままで
その場凌ぎで話を合わせて
楽しなくても笑って

それが「正しいコミュニケーション」だと思っていた

そしてどんどん疲れていって
人と関わるのが億劫になった

お友達はいつも
自然体がいいよね、と
ありのままあることを肯定してくれていた

取り繕った私ではなく
本質の私をみてくれていた

そうか、私は「私」でいていいんだ

その感覚を掴んだとき
すとん、と余計な力が抜けたように
とても楽になった




とはいえ
もともと人との関係が苦手な私には
練習が必要だった
そのためにまたひとつアクションを起こした
そのお話はまた今度。


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