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ショートエッセイ

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エッセイをまとめています。 ショートエッセイ、映画や読書の感想文など。
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記事一覧

文章を書くことと、バイオリン|ショートエッセイ

先日、YouTubeで「ゆる言語学ラジオ」を見ていたら、まるで自分のことを見透かされているよう…

2年かけてバイオリンの教科書を一冊やり遂げた話|ショートエッセイ

唐突だが、私は音楽が苦手だった。 むしろ、嫌いだったと言ってもいい。 小さい頃は親戚の集…

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今年のTopics「社会人学生になった」|ショートエッセイ

気がつけば、年末。 仕事は無事に納まり、年末年始休暇です。しかし、無事に納まっていないも…

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宇宙人と話すときに恥をかかないために|読書感想文

この宇宙に住んでいるなら、全宇宙の共通教養は身につけておいた方がいい。いつか来る、太陽系…

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déjà vu|読書感想文

出会い 私があと1冊小説を借りようと棚を物色していた時、図書館には閉館10分前を知らせる「…

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旅に出たくらいで、人生は変わらない|映画感想文

私が大好きなケイト・ブランシェットの出演作、『バーナデット ママは行方不明』をオンライン…

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背後にご注意|ショートエッセイ

通勤電車を降りる。ここは朝夕以外には無人駅になるような小さな駅である。普段は同じ駅で降りる人はまばらだが、この日は降車する人がたくさん目についた。 改札に向かう人々の黒いカラスのようなスーツ姿を見て、あぁ、新入社員だ、と思い当たった。その前の週に、 新入社員たちとは一度だけ挨拶を交わしていた。研修会場に顔を出しただけの先輩社員の私に、新人たちは一様に緊張した面持ちで、礼をした。研修を担当する人事部の社員が二名、 その傍らに立っていた。大切な羊を守る牧羊

休んだ日の大事件|ショートエッセイ

子どもの頃、体が弱かった。 体が弱かった、と書くとなんだか高尚な感じがするが、ただ単に風…

どの映画にも、作っている人がいる|映画感想文

映画『フェイブルマンズ』を観た。 かの有名なスティーブン・スピルバーグ監督の、自伝的映画…

アバターWoWを「ワオ」と読んでいた|映画感想文

『アバター ウェイ・オブ・ウォーター』を観た。(最速上映ではない)初日の夜の回。思ったほ…

快速じゃなくて、普通で行こう|読書"中"感想文

世の中に「読書感想文」というジャンルがある。読んだ本に対する感想や、本から発展した自分の…

隣町の花火を盗み見た|ショートエッセイ

8月31日。 夏の終わりですね。 8月31日と言えば、夏休みの終わり、というアイコン的な日付で…

体験は拡張する|ショートエッセイ

私はテレビドラマを観るのが好きだ。 名刺代わりのドラマ5選にも書いたが、ビンジ・ウォッチン…

苦しいけど、観てほしい|映画感想文

久しぶりに、どーんとくる映画だった。 『PLAN 75』という映画を観た。75歳以上の人なら誰でも自分の生死を選択できる制度が整った、近未来の日本のお話だ。 冒頭からどかーんとくる。 予告などで、「PLAN 75」がどんな制度かは知っていても、なぜそれが制定されるに至ったか、の前情報は知らなかった。 ピントのボケたカメラが、どんな場所の、どんな状態を映しているのかがわかった時の衝撃。そしてそれが実際の社会でも起きかねない(むしろ過去に起きた)と気づき、二度目の衝撃がくる。