【夢への執着駅】現実逃避駅からの乗り換え ❹

行きつく先は、どこだろう。
終点は、なんためにあるのだろう。
現実逃避駅にいては、なにも生まれないが
夢への終着駅へ行ったとしてもなにも始まらない。
けれどはじまりはおわりだ。
わたしは未来の駅へと向かうため、
まず「夢への終着駅」で降りようと決めた。

夢への執着駅を降りるとそこには、私がこれまでに見た夢の中の世界が広がっていた。

✳︎✳︎

当時、思いを寄せていた人の夢を見た。
その人は、とある店の前に立っていた。
私はとある店の前に立っている人の存在に幸せを感じていたが、その人は、私が前を通ると、なんともいえない表情で(私に対して)微笑んだ。
その透き通るような、そして突き刺すような微笑の眼差しは、まるで私を見ているようで、
みていない。その微笑は、まるで私の存在のもっともっと延長線上にある、私自身が気付いていない何かに対してなされたものであるようだった。
それは私にとってとてもさびしいもので、とても嬉しいものだった。

✳︎✳︎

母親の母親が亡くなってから、約1年半が過ぎようとしていた時期に、祖母の夢をみた。
祖母は、とても元気な様子で、わたしに何かを質問していた。
何を話しかけていたのかは、わからない。

夢の中の祖母は、アグレッシブで、1人で生きていけます、というようなたくましい体つきで、髪の毛も長く、化粧も濃くてまるで魔女のようだった。 
現実の祖母はもっとやわらかい雰囲気で、芯の強さがにじみ出てくる、とても可愛い人だった。
それが夢の中ではよりおしゃべりで、そして存在感があって、わたしと話したがっていて、
そしてなにより印象深いと感じたこと!
それは、祖母がいた場所だった。
にぎやかな砂浜と海を一望できる、とても大きな丘のようなところのてっぺんから動かず、ただひたすら海を眺めていたこと。。

わたしは、今沖縄にいる。
祖母を連れていきたかった、沖縄。
祖母が亡くなる約5か月前に引っ越してきた。

沖縄の海は、夢の中にある、遠い遠い存在ではなくて、もっと近くにいてやさしく見守ってくれるような海です。
人間も、犬も、ネコも鳥も、みんな平等に愛してくれるあたたかい海です。
やさしかった祖母がみつめてくれているように。。

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