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ビル・ゲイツと花束。(中島聡『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか』を読んで)

「ビル・ゲイツと花束」の話をご存知だろうか。

マイクロソフトでWindows 95開発などを手掛けたエンジニア、中島聡さんの著書『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか』で紹介されていたエピソードである。中島さんのブログにも記載されていたので、一部を引用して紹介する。

たとえばあるパーティーがあるときに、ビル・ゲイツがあなたに花を用意してほしいと頼んだとします。あなたは花屋に電話をし、パーティー会場に花束を届けるように注文します。しかしパーティー当日、花屋から、雪のせいで配達が遅れるという電話が来ます。

あなたは花が遅れるという旨をビル・ゲイツに伝えます。こういうとき、彼は尋常じゃないほど怒ります。(中略)

あなたが命じられた任務はパーティーに花を用意することであり、花屋に注文をすることではありません。(中略)いかなる理由があっても花を用意することができなかったのは100%あなたの怠慢であり、責任を負うべきだというのです。

(中島聡(2016)『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか』文響社より引用)

ブログにも書かれているが、「問題を分ける」ことが重要なのだ。「大雪のため、花屋が花束を届けられない」という事象は、

・花屋が来れない
・花束を調達できない

という、ふたつの問題を混ぜてしまっている。

注文した花屋が来ることができないなら、別の手段を大急ぎで講じるべきなのだ。別の花屋に聞いてみてもいいし、近所の家を回って花束を分けてもらってもいい。「花屋が来れなくても、花束を調達できる」のだ。

*

と同時に、この話のもうひとつの肝は、「どんなことでも自責であれ」ということだろう。

花束の例はメタファーに過ぎないが、どんな仕事も考えようによっては、いくらでも他責にできる

予算がない、人員が足りない、法改正が行なわれた、競合他社に出し抜かれた……等々。(ありがたいこと、とも言えるが)多少のミスやサボりがあったとしても、自分の生活は揺るがない。“ほどほど”でいいと思うのが、むしろ自然なことかもしれない。

だけど、「いくらでも他責にできる」ということは、裏を返せば「いくらでも自責に変えられる」ということだ。自分が至らなかったことが山ほどあって、それゆえプロジェクトの完成度が100%にならなかった。そういった反省を繰り返しながら、より良いものを作ろうとする態度こそ重要なわけであって。

花屋が来なかったんですよ、まいっちゃいますよね。

と言うのは簡単である。でも、そんな言い訳をする前に、できることを必死で見つけようとすることが大事だと思うのだ。少なくとも、自分にとっては。

もちろん、こういったことを他者にまで押しつけようとは思わない。あくまで自分の仕事上のスタンスとして、ずっと持ち続けていたい。

ということで、引用した中島聡さんの著書はとても良い本なので、ビジネスパーソンの方はぜひ手に取ってみてください。

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