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(映画「マリウポリの20日間」を観て)

「マリウポリの20日間」
(監督:ミスティスラフ・チェルノフ、2023年)

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先日行なわれたアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞した本作。奇しくも、ウクライナ史上初のオスカーとなりました。
ジャーナリストであり、本作の監督を務めたミスティスラフ・チェルノフさんは「この映画が作られなければよかった」と受賞コメントを発表。

内容は、ウクライナ東部に位置するマリウポリにロシアが侵攻を開始した20日間の記録。当時、報道で断片的に目にしていましたが、改めて97分間の「映画」として鑑賞すると、その凄惨さに胸が痛みます。

「民間人は攻撃対象でない」と話していたプーチンの言葉はあっさり反故にされ、一番救われなければならない病院さえも攻撃されます。

食料や水は十分でなく、また敗血症を防ぐための抗生剤、治療のための鎮静剤も在庫が足りなくなる状況。
犠牲者の情報を「数」で知るウクライナ国外に住む私たちですが、映像を通じて分かるのは、一人ひとりに「人生」があったということ。地下が安全だと聞いて避難するも、砲撃に遭って地下に生き埋めになってしまった家族。致命傷を負いながらもお腹にいる赤ちゃんを気に掛け続けていた妊婦(やがて女性も、摘出された胎児も亡くなってしまった)。映像には映っていませんでしたが、四六時中医療に明け暮れていた看護師が休憩中にスナイパーに狙撃されるなど、いくら言葉にしても足りない惨劇に、言葉になりませんでした。

イスラエルによるガザ侵攻など、世界は信じ難い惨劇が続いています。ロシアのウクライナ侵攻から2年が経ち、ウクライナへの「支援疲れ」といった言葉も出てきています。適切な支援の是非についてはもちろん議論すべきですが、まだまだ #stopwar #stopRussianAggression を訴えていかねばならないと感じます。

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日本では「実録 マリウポリの20日間」としてNHKで放送された本作。

ゆえに上映館や上映期間も限定的かと思いますので、ぜひお早めに鑑賞してください。

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ほりそう / 堀 聡太
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