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映画「インビクタス/負けざる者たち」〜ラグビーワールドカップ南アフリカ戦を前に〜

今日はラグビーワールドカップ、南アフリカとの対戦だ。予選を4戦4勝で勝ち上がり、もはやどんな試合も「ジャイアント・キリング」と表現することができなくなるほど、選手たちは逞しく成長を遂げた

実は、僕は高校時代にラグビー部に所属していた。その頃日本代表はお世辞にも強いわけではなかった。僕がそんな風に日本代表を評価するのはおこがましいのだけど、1995年にニュージーランド(オールブラックスと呼ばれる超強いチーム)に17-145で大敗したこともあり「体格差のある日本ラグビーは世界で通用しない」というのが長らく定説だったように思う。その定説を未だに引き摺っている僕にとって、日本の快進撃は嬉しいサプライズのように感じてしまうのである。

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そんな中、尊敬するマザーハウス副社長の山崎さんが、表題の『インビクタス/負けざる者たち』をFacebookで紹介されていた。Netflixで配信されていたため早速観てみたが、アパルトヘイト廃止後の南アフリカ共和国が一つになろうとしていることを描いており、まずは純粋に勉強になった。そしてアパルトヘイト廃止の象徴とも言えるネルソン・マンデラ氏のリーダーシップは鮮やかで人間教育をベースとしており、会社で人事を務める僕にとって数々の学びを得ることになった。

・人種の垣根なくフラットに接する姿
・反対意見が多数を占める中でも、勇気を持って理想を掲げる姿(彼がいなかったら「スプリングボクス」という愛称はなくなっていたかもしれない)
・困難に直面したメンバー(ラグビーチームのキャプテン)に対して誠実に理想を語り「式を高めてほしい」と動機付けたこと
・国民を巻き込んだこと

その全て、抽象化すると、僕たちだって転用できる。
勇気付けられる作品だった。

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南アフリカとの試合が終わった後に、ぜひ本作に触れてほしい。ラグビーの見方がまた少し変わって見えるだろう。

政治や経済とスポーツを絡めるべきでないという人もいるし、僕も基本的にその姿勢は支持するけれど、マンデラ氏が「南アフリカをひとつに」と掲げたそれは政治的目的という限定された目論見とは別個のように感じた。政治もスポーツも過酷なものばかり。補足すると、その過酷さとはリーダーシップの覚悟に尽きる。ラグビーは15人で戦うゆえに、遠目からでは「サボる」ことは目立ちはしない(そもそも「動けない」ことは能力に依拠している可能性もある)。だが一人でもONE FOR ALL, ALL FOR ONEの意識が欠如していたら、徐々にではあるが確実にチーム力は損なわれていく。ラグビーほどチームスポーツであることはないし、一人ひとりがリーダーシップを発揮する余地が大きいものであることも真実だ。

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最後はまとまりなく書いてしまったけれど、余裕があるのならば、ボールでなく一人の選手の姿をずっと追い掛けて見てほしい。ボールを所持していないところでのファイトが、きっとあなたのラグビー観を変えるはずだ。(誰か一人選べないのであれば、ナンバーエイトの姫野選手をお薦めする)



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