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”ポートフォリオ作成ゴール”の先を目指すと上手くいく

朝日新聞社さまのメディア「Sunny Choice」で、プログラミングを学ぶ意義やエンジニア転職についてインタビューをしていただきました。

インタビューの中で以下のような話をしました。

プログラミング学習のゴールは、決して転職の成功ではありません。
なんとかギリギリでカリキュラムを修了して転職するのでは不十分で、
転職後に現場で活躍できる人材になることが必要です。

この記事ではプログラミングを学び始めた人に向けて、上記のインタビュー内容を掘り下げて「短期のゴールばかりに集中していると、本当に達成したいゴールにたどり着けない」という話をお伝えします。

「ポートフォリオを作りたい」

ユースケースのひとつとして『ポートフォリオ』の話を紹介します。
私たちが運営しているCodeCamp(コードキャンプ)では学び始める多くの方から、

  • 「ポートフォリオを作りたいです」

  • 「CodeCampではポートフォリオを作れますか?」

  • 「CodeCampの課題の成果物は自分のポートフォリオにできますか?」

とポートフォリオについての質問を頂きます。

ポートフォリオとは、自分のスキルや実績を伝えるための作品集のことです。エンジニアであればWebアプリケーションやプログラム、Webデザイナーであればデザイン制作物を指します。

エンジニアやWebデザイナーの就職・転職活動において、特に業務経験がない場合は、「私はこれぐらいできます」というスキルの証明にポートフォリオを用意することが重要であると各所で言われています。
文章や口頭で説明するより目に見える制作物の方が「私はこれぐらいできます」が伝わる、ということは、これから学び始める人にとってもイメージしやすいと思います。

ちなみに、CodeCampではポートフォリオを作ることが可能です。卒業生のポートフォリオの一部を紹介しておきます。
多くの方がこのような制作物を用いてスキルをアピールすることで、就職・転職活動を成功させています。

副業コース:受講生の作品例より

ポートフォリオの功罪:”ポートフォリオ作成ゴール”

一方、「ポートフォリオは重要だ」という情報が多く出回った結果、ポートフォリオを作成することをゴールとしてプログラミングやWebデザインを学び始める方がいらっしゃるようになりました。
ここでは内定ゴールならぬ”ポートフォリオ作成ゴール”と呼ぶことにします。
結果として転職市場では以下の様な事象が発生していました。

一つの未経験者応募可の求人に対して、100人ほどが応募してポートフォリオ(実績をアピールするための作品集)が送られてくるほど競争率が高いのです。一方で、送られてくるポートフォリオには、プログラミングスクールの課題で制作した作品や同じようなものが多数あったそうです。

朝日新聞社:Sunny Choiceインタビューより抜粋

ポートフォリオの作成というのはいわば学習の短期的なゴールです。
「ポートフォリオ作成ゴールに到達すればOK」とばかりに集中していると、同じようにポートフォリオを作成している人達の中で埋もれてしまいがちです。結果として同じような本当に達成したい就職・転職という目標達成に苦労することがあります。
「なぜポートフォリオを作成するのか」に今一度立ち返ってみましょう。

作成=ゴールではなく、その先を目指すから上手くいく

ポートフォリオを作ることは目的では有りません。
「私はこれぐらいできます」というスキルの証明のための有効な手段です。大事なのはポートフォリオの有無ではなく、その「中身」です。実際にポートフォリオがあれば合格、なければ不合格といった形では選考されません。その内容が問われます。
では「中身」とは何でしょうか。以下のような質問で良し悪しは問われます。

  • なぜこのポートフォリオを作ったのか

  • どんな技術を組み合わせて作ったのか

  • この制作物を作ったことで何を理解できているのか/いないのか

「中身」は必ずしも制作物の出来ではありません。ポートフォリオを通した質問の受け答えから得られるスキルや理解度、学んできた姿勢などです。
これらがポートフォリオの出来より重要であり、選考で評価されるポイントです。
ポートフォリオ作成をゴールとせず、あなたのスキルや理解度や姿勢がアピールできること・評価されることを見据えて学ぶことで、その先の目標である就職・転職は上手くいくことでしょう。

評価されるポートフォリオの「中身」とは

では具体的にどんな「中身」が求められているのでしょうか。
ひとつ上げるとするなら、いかに腹落ちしているかが問われています。

ただ課題をこなして進めていくのではなく、実装したプログラムがどんな挙動をするかや、なぜ実装したのかを説明できるほど「腹落ち」(理解し心から納得している状態)していることをとても大事にしています。
プログラミング学習において、「腹落ち」しているかや原理を知っているかは非常に大切なことです。

朝日新聞社:Sunny Choiceインタビューより抜粋

腹落ちしている人は、具体的な受け答えができます。実装したプログラムがどんな挙動をするかや、なぜ実装したのかを説明できることが評価に繋がります。加えて具体的な話にその人の個性やポテンシャルが現れます。
選考側も他の候補者と同じような話ではなく、具体性を求めています。

ポートフォリオ作成のその先として、学んだことを「腹落ち」している状態を目指してほしいと考えています。
そして「腹落ち」状態を面接でアピールしましょう。例えばポートフォリオの説明をする際も、画面のレイアウトひとつ、コード1行など具体的な話をしましょう。
結果としてそれが就職・転職をより良くすることに繋がります。

終わりに

・短期のゴールばかりに集中していると、本当に達成したいゴールにたどり着けない
・”ポートフォリオ作成ゴール”を目指すなかれ。その先を見据えるから就職・転職活動は上手くいく
・学んだことを「腹落ち」している状態を目指そう

「転職の先を見据える学習法」シリーズとして、いくつか記事を書いていこうと思います。

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