天文・宇宙に関する曲紹介「プラネタリウム(BUMP OF CHICKEN)」

世の中は沢山の音楽で溢れており、その中で天文や宇宙に関する曲はいくつあるのだろう、とふと思う時がある。
僕は色々なアーティストの音楽をチェックするのが日課で、普段聞いている音楽の中にも歌詞に星が出てきたり、宇宙をテーマにした曲がいくつかあることに気付きました。

自分が普段聴いている音楽を普通に紹介したのではつまらない。
ということで目線を変え、宇宙や天体についての曲をプラネタリウム解説員なりの視点を交えて紹介するというのはどうかと思って、今回筆を取ってみた。
自分のペースでのんびり続けてみたいと思うので、どうか長い目と穏やかな心で読み進めてください。

というわけで第1回目は、日本で最もプラネタリウムが似合うであろうミュージシャンのこちらの曲から紹介していく。


BUMP OF CHICKEN - プラネタリウム

プラネタリウム(曲名)と聴くと、どのアーティストを思い浮かべるでしょうか。
各々が様々なアーティストを想像するでしょうが、その中でもかなり上位にくると思われるのが、こちらのBUMP OF CHICKEN

BUMPは天体観測やsupernovaなど天文に関する曲が多いことで有名で、曲以外にもjupiterやCOSMONAUTなどアルバム名もそれに関したものが多め。

この曲は天文や宇宙の単語が歌詞に登場するというわけではなく、プラネタリウム施設で織りなす人々の心情や恋愛模様を歌っているわけでもない。
作詞作曲を努めたボーカル藤原基央の手作りプラネタリウムを作ったという実体験が元になっており、つまりタイトルが意味しているのは自作プラネタリウムのこと。

施設など大型のプラネタリウムであればドーム(部屋)の広さは直径10m以上にもなるけれど、自作プラネの場合適した広さは大体一部屋ほど。
歌詞にも出てくる四畳半はちょうどいい大きさ。

この曲の中では自作プラネタリウムが作り出せる星の空間(四畳半の部屋)を自分の世界、部屋(窓)から向こうを外の世界と表現している。
少年時代は四畳半の広さで十分だった世界が次第に狭く感じていき、外に出ると果てしなく広い世界が待っている。

歌詞の中で、自作プラネを作る過程で自分だけの「星」を作る場面がある。
オリジナリティを出すために説明書に書かれていない穴を開けて、誰も知らない実在しない星を作る「僕」。
この曲でいうプラネタリウムとは作る人間そのものを表していて、このとき作った自分だけの「星」は、その人の個性を意味しているのではないかと解釈してみた。

どこに穴を空けるかで違うプラネタリウムになるし、星座の並びだって変わるかもしれない。
穴の大きさを変えて星の明るさを調節したり、星の数を増やしたりもできると考えると、そのバリエーションは無限大。
人はそれぞれ皆違う。文化や環境も違えば全く違う人間になるし、似た育ち方をしても全く考えの違う人間が誕生する。

この人はどの場所にオリジナルの星を作ったのか、1等星の数は21個よりも多いのか、そもそも星の数をどれだけ増やしたのか。
それがその人の個性であり、その人の魅力となる。
オリオン座の形は綺麗だからこの近くには手を加えないでおこうという人もいれば、オリオン座の1等星の数を二つから三つに増やしたい人もいるだろうし、秋だけ大三角が無いのが寂しいから秋の大三角を作る優しい人だっているだろうし、弟の星の方が明るいと言われているふたご座のカストルとポルックスの明るさを逆にする人もいるかもしれない。
それも人の個性。人の輝き方はその人自身が決めるのだ。

…と、ここまで自分なりに噛み砕いて紹介してみたが、結局は曲についての捉え方も、人それぞれなのだ。
もしも「この解釈の方が正解」など詳しいファンの方がいたなら、別の捉え方についても是非教えていただきたい。


ちなみに余談ですが、こちらのPVが撮影されたのは神奈川県厚木市にある神奈川工科大学厚木市子ども科学館(旧・厚木市子ども科学館)
PV撮影は2005年で、2009年に施設がリニューアルしたため、映像に登場する投影機は現存していない。

しかし投影される星は綺麗なうえに、厚木市のマスコットキャラクターあゆコロちゃんのプラネタリウム番組も存在したりと他の施設とは違った独自の工夫もある。

BUMPファンのみならず、色々な方に訪れてみてほしい。

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