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支持できない田中良杉並区長と新たな基本構想

田中良杉並区長の初当選は、2010年7月のことでした。既に11年です。

かつて民主党の都議で、参院選の民主党公認をめざし名乗りを上げたこともあった田中区長ですが、いつの間にか自民党・石原伸晃さんの選挙を積極的に手伝うようになっています(写真:衆院選公示日2021年10月19日)。

時の経過は早いものですね。

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この田中区長が、次の10年に向けて「新たな基本構想」を提案してきました(2021年9月)。まだまだ杉並区長を続ける気のようです。

田中区長と杉並区基本構想


11年前に初当選した現区長は、まず「基本構想(21世紀ビジョン)」を変更する作業に着手しました。

これによって策定された基本構想が、現在の「基本構想(10年ビジョン)」です。

21世紀ビジョンは、概ね四半世紀(2025年ごろ)を見据えて2000年に策定されたものでしたが、途中であっけなく消え去ることとなりました。

田中区長としては、これを通して田中カラーを内外に明確にしたかったのでしょう

神は細部に宿る/悪魔は細部に宿るといいますが、これにあわせて過去の特徴的な施策は相次いで消えていきました

その田中区長が、次の10年に向けて再び区長の附属機関を設置し「新たな基本構想」を提案してきたのです(令和3年議案第81号)。

「新たな基本構想」は2022年4月スタート


この基本構想は、区の目指すべき将来像を示し、区民と区が共有する区政運営の指針と説明されています。

地方自治法は、かつて全自治体に対して、このような基本構想を策定するよう義務付けていました。この策定義務は既に撤廃されていますが(2011年)、その後も区条例を根拠に策定されています。

杉並区では、自治基本条例14条の中で「区の最上位の計画であり、区政運営の指針となる基本構想」と根拠規定を置いています。

杉並区の全ての政策・施策・事務事業は、この基本構想に基づいて形成されているということです。

例えば、杉並区総合計画、実行計画、経営改革推進計画、協働推進計画、デジタル化推進計画、施設再編整備計画など下位計画(行政計画)の全てが、この「新たな基本構想」に基づいて策定されるわけです。ここが重要です。

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「新たな基本構想」は、2022年4月スタートとなることから、2022年7月の区長任期満了(杉並区長選挙)を見据えたものということもできるのです。

新基本構想「みどり豊かな 住まいのみやこ」


新たな基本構想は、杉並区の将来像を「みどり豊かな 住まいのみやこ」と定め、目指すべき将来像を描いています。

このコピー(みどり豊かな 住まいのみやこ)は、住宅都市というイメージをさらに発展させ、住まいのまちとしての新たな価値を生み出していくことを意図したと説明されているところです(杉並区基本構想7ページ下から2行目)。

ポイントは、新たな価値を生み出していくという部分ですね。

例えば、過去の基本構想に繰り返し盛り込まれてきた「みどり豊かな住環境」に加えて、ハード面での再開発、道路整備、施設再編整備などのほか、ソフト面における災害に強いまちづくりなどが念頭に置かれていることがわかります。

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どこが課題? 新たな基本構想


この「新たな基本構想」については、全体を俯瞰してみると、次の課題があることから堀部やすしは原案に賛成できませんでした(2021年10月)。

■第1に「一人当たりGDPの低下」を無視して構想を描いていること。
かつて世界のトップ3に入っていた日本の一人当たりGDPは、2010年以降この間、シンガポールや香港にも追い抜かれ、いまや韓国や台湾と肩を並べる水準に向かって低下しているにもかかわらず、この事実を無視して夢のような構想を描いているのです(コロナ前でさえ杉並区の歳入に占める区民税の割合は全体の約3割に過ぎず、依存財源が一般会計を左右しているのが現実です)。

■第2に、少なくとも2040年頃まで展望して基本構想を描くことが不可欠と言える状況にあるにもかかわらず、あえて構想期間を「今後10年程度」にとどめていること(高齢者人口がピークとなるのは2040年前後なのです)。
その影響は都市計画マスタープランを含む下位計画の全体に及ぶことから、このままでは短期最適・部分最適・近視眼的な対応が進行しかねないのです。

■第3に、杉並区基本構想の存在を全く知らない区民の割合は、現区長が初当選した2010年に64.1%であったものが80.6%と悪化している事実が確認されている中で(2020年の区民意向調査)、特に「住まいのみやこ」なる馴染みのない言い回しの構想を全区民で共有できるとする前提に立って区政経営を進めることはできないこと。

■第4に、区長主導で進められたイレギュラーな事業(例えば、片道4時間かかる南伊豆に特段の手厚い補助を行って建設した区域外の特養老人ホーム)について、あたかも手柄話のように一方的な評価を行う一方、成果を出していない課題とその検証については、あえて具体的な記述を避けて構想が描かれていること。


杉並区長選挙は2022年夏


区長11年の歪みは、ごく最近だけに限っても随所に噴出してきています。


昨年度は、田中区長の恫喝を受けて議会審議を途中で強引に打ち切ったり、感染症対策と言いながらオンライン活用なく議会審議を簡略化したりしようとするなど、不自然な動きも相次ぎました。

このような現状を受けて、本年、議会内で新たに無所属・少数会派連携の取組をスタートさせたところです。

杉並区議会は、自民党・公明党だけでは過半数とならず、かつ、東京23区には珍しく政党に所属していない議員が少なくないことも特徴です。より強力にチェック・アンド・バランスを働かせていかなければならないと思いも新たにしています。

「新たな基本構想」を前に、区長から独立して存在している議会(憲法93条で規定されている議事機関)の役割も問われています。

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