【業者と旅行ゴルフ】区民生活部長(選定委員)が選考期間中に応募業者と一緒にゴルフをしていた話【杉並区】
杉並区長ほか幹部職員3人が、①緊急事態宣言中の2021年7月14日、群馬県内において、酒類を伴う会食に参加(そのまま宿泊)、②翌7月15日には、区民生活部長ほか区職員1人がゴルフコンペにも参加していました。
公務出張の扱いであったことから、この宿泊旅費・交通費は公費で支払われています。
ここまではテレビを含め数多くの報道がありました。
しかし、真の問題は、この酒食・宿泊・ゴルフコンペの参加者に、区の入札契約指定の相手方となる事業者(利害関係者)が含まれていたことなのです。
この旅行・ゴルフコンペに参加していた東商杉並支部会長の経営する造園会社は、また新たに区の仕事を受けることになりました。
区民生活部長は、この業者を直接選考した選定委員の一人でもあったのですが、この業者と同じ組で仲良くゴルフコースまで一緒に出ていたのです。
選定業者の選考経過
4月21日 選定委員会設置
4月28日 公募開始
5月18日 応募事業者向け説明会
6月11日 公募締切(4事業者応募)
7月14日
第一次審査(書面審査)実施
7月14〜15日
選定委員であった区民生活部長は、群馬県内で開催された東商杉並支部の幹部会議に出席。その後、応募業者とともに酒類を伴う会食・宿泊・ゴルフコンペに参加。
8月 4日
第二次審査(プレゼン・質疑応答)実施
■選定結果(杉並区立阿佐谷地域区民センター外3施設の指定管理者の選定)
指定管理者「募集要項」にも抵触
この業者が指定管理者の一員となった「阿佐谷地域区民センター外3施設」の指定管理者募集要項には、次のように記載されています。
杉並区立阿佐谷地域区民センター外3施設(阿佐谷けやき公園、梅里区民集会所、梅里中央公園)指定管理者募集要項
応募団体の関係者は、選定委員会委員及びこの募集に関係する区職員との故意の接触が禁じられています(関係者との接触の禁止)。
業者選定における審査の公正性を確保するためです。
地域区民センターは、区民生活部が所管している施設。このため、区民生活部長は、これまでも常に地域区民センターの指定管理者を選定する選定委員会の委員になっていました。これは誰もが事前に知ることができる公表情報です。
審査の公正性を確保するため、故意の接触が禁止されていることは、募集要項に明確に記載されていたことでした。
公務員倫理の問題もさることながら、この応募業者についても本来は失格としなければならないところ、なぜか不問に付されているのです。
なぜ、不問に?
杉並区議会区民生活委員会では、無所属・少数会派連携でともに活動を進めている奥山議員が、この問題を厳しく追及しました(前掲記事に掲載)。
議会が安易に現状を追認しないよう継続審議の動議を提出し、徹底審査を求めましたが、残念ながら立憲民主党の議員を抱き込んだ区長に押し切られるところとなりました。
慎重に継続審議としようとする動きも一時あったものの、立憲民主党の議員が最終的に賛成に回ることで過半数となり、万事休すとなったのです。
厚遇される区長の有力後援者
国家公務員の場合、選定委員であった部長と業者(利害関係者)が宿泊旅行・ゴルフをしていたともなれば、懲戒処分となり得るところです。
なぜ、杉並区では不問となるのでしょうか。
この造園会社の社長は、古くから田中良区長を支援していることで有名な後援者です。区長就任後、この会社には、本格的に次々と区の仕事が委ねられていきました。
区長もまた公共事業の受注相手方と頻繁にゴルフコンペを開催し、そこに副区長も平然と参加してきた歴史があるのです。
過去この業者による文書偽造事件が発覚した際も(学校芝生維持管理業務)、指名停止期間が通常より短縮される不自然な対応が図られていました。
緊急事態宣言中に、わざわざ群馬県に出向いて会議をしたり宿泊をしたりしなければならなかった「真意」は何だったのでしょうか。
コンプライアンス無視には厳しく対応を
杉並区では、一般職の公務員までが取引先(利害関係者)と一緒にゴルフに興じていました。
彼は今回のプロポーザルの選定委員でもありました。
令和になっても前時代的な因習が幅を利かせている、これが悲しいかな杉並区政の現状です。
現区長も在任11年。周囲は公私問わず田中区長のイエスマンとなることを余儀なくされ、自浄作用が全く働かなくなっているのです。
このような前時代的な因習がまかり通る政治風土(風通しの悪さ)を少しずつ変えていくことこそ、独立した無所属議員に課せられた使命と思っています。
幸い、杉並区議会には、特定の政党に紐付かない独立した無所属議員が何人もいます。
これからも党利党略に左右されない独立した立場で連携して杉並区政を監視し、風通しのよい区政の実現をめざしていきます。
応援よろしくお願いします!