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【決算処理・決算数値の整合しない杉並芸術会館】ついに杉並区も未計上収入の存在など認める【徹底追及その後】

杉並区は、指定管理者(杉並芸術会館)の決算に「不適切な処理」が数々あったことをやっと認めました。

杉並区立杉並芸術会館(座・高円寺)の決算には疑問が極めて多く、2020年度を通して調査研究を深めながら、杉並区議会で追及を重ねてきたところです。

職員措置請求(監査請求)を提起


この疑問は、2021年度に入っても全く解消されず、再三の情報公開請求にも的確に応じない姿勢が続いたことから、4月、新たに職員措置請求(地方自治法242条1項の規定に基づく監査請求)を提起していました。

請求が受理された後、杉並区は、ようやくNPO法人(指定管理者)の提出決算に助成金・協賛金の未計上などがあったことを認めるに至っています。

これについては監査委員も、会計処理の不整合・未計上など不適切な決算処理が数々あった事実を認定し、適正化が必要である旨、指摘しました(6月28日)。

監査委員の意見

(1)本件NPO法人の区収支報告書について、区は、「区補助金」という科目名で記載された欄を、「指定管理料(芸術文化普及振興事業)」と改めるよう指導すべきところ、少なくとも5年間はこれを放置していた。区は、本件NPO法人に対し、過去に遡って過年度分も含めて修正を行い区に提出するよう指導されたい

(2)本件NPO法人は、平成27年度から平成30年度までの間に実施した公演事業に係る助成金の「一般管理費」については、自主事業の収入としていた。
 本来、指定管理業務の助成金収入として計上すべきところ、本件NPO法人の誤った判断により、未計上であったことが判明した。指定管理料の支出に問題はなかったとはいえ、不適切な対応であったことは明らかであり、区は、本件NPO法人に対し、区芸術事業収支報告書を、過去に遡って過年度分も含めて修正を行い、区に提出するよう指導されたい。

(3)本件NPO法人の自主事業に関する報告については、基本協定書第22条第1項第2号により、自主事業の実施状況に関する事項を報告することが定められおり、当該報告の中には、区の「指定管理者制度の手引(令和2年10月改訂版)」にもあるように自主事業に係る収支の報告も含まれているところ、区は、この収支報告を受けておらず、不適切な対応をしていた
 今後、区は、本件NPO法人の収支の全貌を把握し、都・区に提出された収支報告書の整合性を確認する上でも、自主事業の収支報告書を徴されたい。

(4)退職金共済掛金に関しては、都収支報告書と区収支報告書の間での会計処理(仕訳)が区々になっている。今後、区は、「退職金給付費用」等の科目を設定するなど都収支報告書と区収支報告書で整合性のある対応をされたい。
 また、退職金共済掛金に限らず、収支全般にわたり、都収支報告書と区収支報告書の整合性を容易に確認することができるように科目名の設定や仕訳を行うよう、本件NPO法人を指導されたい

監査委員は、杉並区が過去に支払い済みの指定管理料(公金)については返還の必要はないとしつつも、区がこのように数多くの課題を見過ごしていたことを問題視し、当該NPO法人(指定管理者)を指導して解決を図るよう従来になく厳しい意見を示したのです(杉並区職員措置請求監査結果14~15ページ)。

このような職員措置請求/監査請求は、ジョイフル杉並の問題(懲戒処分済み)など過去にも個人で取り組んできました。

さらに今回は無所属・少数会派連携の実践の一環として業界事情に詳しい田中議員とともに提起し、解決を迫ったものです。

事実を重く受け止めましょう、杉並区長。


これまで情報公開請求を繰り返しても決算の「黒塗り」非公開を長く続けた理由は、このような会計処理(仕訳)の不整合、助成金・協賛金の未計上など決算数値の不一致・不整合を隠すためだったのです。

不適切な処理が数々あった事実を踏まえ、請求に基づき実施された内部監査としては、いつになく厳しい意見も付されました。ありがとうございます。

この機会に適正化・透明化が進みますように。

杉並芸術会館(座・高円寺)は、区立施設。地方自治法上の「公の施設」です。杉並区民みんなの共有財産なのです。

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