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図書館ウォーカー取材備忘録「図書館未訪問県ピックアップ」

陸奥新報の週刊旅エッセイ「図書館ウォーカー」では「旅のついでに図書館へ」をコンセプトにしていて、1回に一つの街とそこにある図書館一館をご紹介することにしてる。

連載開始前におぼろげにかんがえていたことは、地方紙に書くからと言って「東北ネタにしなければ」というような狭いスパンでのファンサービスはやらないでおこうということだった。掲載紙は地方紙だけど、全国紙レベルの連載エッセイにしたいという野心もあった。

地元の人だけが、または図書館好きや本好きや図書館関係者だけが読んで楽しいターゲット集中ものは、僕は書きたくないし、書くスキルもない。このエッセイの使命は勝手に「まったく興味もなくユーザーでもない人に、一度図書館に足を運ばせたい。そしてそれをきっかけに図書館そのものに対する知見を深めて行ってもらいたい」というようなことだと考えている。

なので、時には海外のネタやちょっと真面目なコラムなどもまじえつつ、基本的にできるだけたくさんの都道府県や地方を、できるだけバランスよくばらけさせながら紹介して行こうと最初に決めた。それが、できるだけ幅広い層の人たちに届く工夫の一つだと思ったから。

しかしいかんせん個人的な旅のついでに行ってきた図書館がほとんどなので、旅先になった地域にもともと偏りがある。また、図書館員を辞めてフリーのライターになった直後は「もう職場に情報を還元しなくてもいいもんな」という意識になっていたので、その間しばらくは旅先で図書館を訪ねることもなかった。

連載はいちおう来週火曜1.12.で連載第50回目を迎えるが、担当記者に100回まで書いて辞めるつもりだと伝えた。月の最終週だけは別コーナーなので、ざっと考えるとあとさらに50回書くとなると1年と4か月弱の時間がある。これからの50館で、いちおう一都道府県につき一館紹介くらいは網羅した内容にしたい。

だがこの連載はネットのまとめサイトとは違う。私が実際に館を訪ねて、周囲の街を歩いて、所蔵資料を眺めて考えた「実感」が絶対不可欠の基礎だ。その実感こそが図書館ウォーカーという行為の醍醐味だからだ。フリーユースの写真と館のスペック箇条書き、HPへのリンク張っておきました的な「ステイホーム」でもできる記事とは一線を画したい。

というわけで、これからの1年弱で効果的に図書館未訪問県(またはすぐネタがなくなりそうな県)をつぶしていくために、まずは該当都道府県をピックアップしてみよう。

<必ずいかなきゃグループ>

岐阜県、長野県、京都府、三重県、和歌山県、奈良県、山口県
いずれも未訪問。旅には行ったことがあるが、図書館には寄っていない

徳島県、高知県、沖縄県
そもそも行ったことがまだない

<訪問館がたったひとつですでに使用済みのストックなしグループ>

愛知県
唯一の訪問館、小牧市立図書館本館(解体のため昨年末閉館)を第17回目で紹介済み

群馬県
唯一の訪問館、高崎市立中央図書館を第31回目で紹介済み

広島県
唯一の訪問館、三次市立図書館を第9回目で紹介済み

福岡県
唯一の訪問館、福岡市総合図書館を第32回目で紹介済み

<ストックはあるものの、たった一館だけのグループ>

富山県
複合施設TOYAMAキラリ(富山市立図書館本館)のみ

静岡県
静岡市立御幸町図書のみ

千葉県
八千代市立中央図書館のみ

その他、複数ストックのうちいくつか紹介したので残るストックが一館のみになっている県も存在する。

栃木県、茨城県、埼玉県、島根県、香川県

ざっと分類すると、とにかくネタ仕入れなきゃどうにもならないのは、
岐阜、長野、京都、三重、和歌山、奈良、山口、徳島、高知、沖縄

この都道府県はまだ連載に姿を見せてもいないのだから。ここをほったらかしたままだとこれからの紹介にもどんどん地域の偏りがでてきてしまう。

岐阜、長野、山口、沖縄は別として、近畿と四国が比較的まとまっているので、短期間集中の図書館ウォーカー旅でどうにかなるだろう。近いうちにどうにかまとめて取材したい。

ネタがもう使用済み、または未使用一館のみの県を並べると、
静岡、愛知があり、これと未踏県の岐阜、長野あたりと合わせると比較的近場のエリアでまとまる。こちらも短期間でいろいろまわれそうだ。

残る山口、福岡あたりは、福岡発の山陰旅行、または下関発の九州旅行とかでまとめてカヴァーできるだろう。

沖縄・・・・はなかなか機会がないが、連載終了前に必ず一回はいっときたいね。

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