桜の開花時期が過ぎ、つぎに目を惹かれるのは山藤の花だ。 車のフロントガラスの向こう、遠くの山々にも、うす紫色のもやがかかる。 川沿いのガードレールに立ち並ぶ樹々…
玄関の扉を一歩出ると、昼下がりの日差しをはらんだ風が、心地よく肌をかすめていった。 数日前まで吹いていた、つめたさを残した風はどこへやら。 歩き慣れた散歩道を、…
Hor
2023年5月7日 16:26
桜の開花時期が過ぎ、つぎに目を惹かれるのは山藤の花だ。車のフロントガラスの向こう、遠くの山々にも、うす紫色のもやがかかる。川沿いのガードレールに立ち並ぶ樹々の上、山林と田畑の境目にたたずむ樹上にも。あたかも、この樹の主人は自分だと言わんばかりの華々しさ。目をこらして見なければ、からみつく蔓にも気づかない。それほどに生気がつよい。家の裏手にも例年必ず、山藤の咲く杉がある。
2023年5月3日 23:26
玄関の扉を一歩出ると、昼下がりの日差しをはらんだ風が、心地よく肌をかすめていった。数日前まで吹いていた、つめたさを残した風はどこへやら。歩き慣れた散歩道を、ゆるやかに下っていく。廃校になった校舎の隣。とある民家の庭先から、枝先までめいっぱいに花をつけた低木が、歩道に身を乗り出していた。咲き始めたばかりの大手毬である。葉のみずみずしいグリーンと、手鞠サイズの装飾花のレモンクリ
2021年12月25日 21:08