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怪物だーれだ

みなさんは映画を観る時、どういう基準で選んで、どのような心構えで観に行きますか❓


告知を見て面白そうだなと思って観に行く。
番宣をしているのを観て気になって観に行く。
内容が面白そうだから。
話題になっているから。
小説を読んでいたから。
好きな役者が出てるから。
監督、脚本家が好きだからなど色々あると思います。

先日観て来た映画『怪物』は、監督が是枝監督。
脚本家が坂本裕二さん。
主演が安藤サクラさん。
と私の心を鷲掴みにするメンバー。
さらに、永山瑛太さんに、田中裕子さんも出演するってなもんだから、こりゃ観に行かないなんてことないでしょ‼️

ってなわけで、内容云々はさておき、観たい‼️という気持ちのみで観に行くことに。

出来るだけ告知も番宣も見ず、内容もほぼ知らないまま、先入観を持たずに、フラットな気持ちで観に行くことにした。

私が知っているのは、監督、脚本家、出演者。
そして、子どもが出てきて、安藤サクラさんがシングルマザーということ。
そのくらいの情報量だった。

メインの子ども2人のうち1人がドラマ『最愛』での吉高由里子の弟役の子というのも映画を観た後、友だちから聞いて、言われてみればそうかもと、気づいたくらい。
いや、観てて気づかなかったんかーいっていうね…😅


たまに、番宣や告知などでめちゃめちゃ映画の内容を映してしまうものがあるけど、あれは嫌。
やめて。そんなに見せないで🖐️って思ってしまう。
なんとなく損した気分にもなるし。
観に行った時に「あ、この部分のこのシーン知ってる」みたいな感覚になることで、ちょっと作品から現実に引き戻される感覚になることが嫌なのよね。

オチみたいなのを映しちゃうのもたまにあるけど、あれは完全に損した気分になるから、ホントやめてほしい。

まぁ、番宣しないと集客するのは難しいし。
仕方ないといえば仕方ないけど、なるべくなら内容やオチは、たくさん出さないで欲しいなとは思いますね。

逆にそれを楽しめる作品ならジャンジャン出してもいいけど。

映画を観に行く前の日に書いた記事がこちら。

あー、私、ここでちゃんと『フラットな気持ちで』って書いてたのにねぇ。

全然フラットで見れない自分がいることに気付かされた。

映画観ながらめっちゃ「まんまと」を味わってきちゃいましたよ。

私って決めつけや思い込みが結構あるんだなぁって。
この人って、こうなんだろうな。
嫌なやつ。
この人はこうなんだろうな。
いい人。
みたいな。
一部を見て、勝手なイメージを持って、それに対して善悪つけたり、自分が好きかどうかまで考えたりしてた。

自分の中の小さな世界の中だけで、物事を決めつけて見ている。


けど、だからこそ、この映画を楽しめた。

…あー、楽しめたという言葉は語弊があるかもしれない。

だってこの映画、楽しくはない内容だから。

前回観た映画『母性』の時と同じように、私自身は観て良かったとは思うし、いい作品だったと思うけど、誰にでも
「面白かったから、ぜひ観に行って‼️」とは言いにくい作品ではある。

ただ『面白い』という言葉が『かわいい』という万能な言葉みたいに使えるとしたら、この作品は『面白い』

『素晴らしい』作品だと言える。

じゃあ、何が面白くて何が素晴らしいのかと言えば、上手く活字にして表現することは私には難しい。

けど、私が感じた私なりの言葉でなんとなく書いてみたいと思います。

ネタバレしちゃうと思うので、これから観に行くぞと思っている方、観に行こうかなと思っている方は、どうぞそっと閉じていただきたいと思います。

なるべくフラットな気持ちで見てほしいし『まんまと』この映画の世界観に入りこんでもらいたいので。


まず、この作品は、スッキリはしない。
観終わった後、なんとも言えない気持ちが残る。

これが嫌な方にはお勧め出来ないということは最初に言っておきたい。

誰が悪者で誰がいい者なのか、そういう善悪スパッとわかる話でもない。

事件をスパッと解決する話でもないし、地球滅亡の危機をヒーローたちが救ったとかいう話でもないし。

誰にとっての正義なのか。
なんのための正義なのか。

そう。
これ。
この作品は、誰目線の誰視点で見るかによって色々見方が変わってくる。

「正義って何かね?」って言いたくなる。

「誠意って何かね?」と聞いてくる菅原文太のように。
かぼちゃを持って頭を下げる田中邦衛に向かって渋くセリフを言う菅原文太のように。
「正義ってなにかね?」と。

あ、『北の国から』になってしまいました…。
若い人にはわからない話ですよね…。
すみません😓


話を『怪物』に戻しましょう。

何目線なのか。
誰目線なのか。
誰が誰に向けた正義なのか。

安藤サクラ側から見たら…。
永山瑛太側から見たら…。
田中裕子側から見たら…。
子ども側から見たら…。

この人からしたら、これが正義っていうのがある。
何を守るのか。
何が大事なのか。
それによって全然世界は変わってくる。

その映し方が上手かった〜。
さすが是枝監督だわぁ。

もう何もかも私はことごとく…まんまと…だった。

同じシーンなのに、誰目線なのかによって印象が全く変わった。
同じシーン、同じセリフ、同じ行動なのに、全く違う。
役者の表情までまるで変わってしまった。
これって、どういうこと⁉️

これって私がそういう目で見ているからなの⁉️

やっぱり世界は自分の見たいものしか見えないからだろうか…。

これは、映画『母性』とはまた違った見え方のシーン。
ホント、不思議な現象だった。


人は自分が見た一部の印象で、全て悟ったかのように、その人を決めつけて見てしまうことがあるのだと思う。

例えば、私だったら、Vネックに金のネックレスをつけてる男の人がいたら、なんだかチャラいやつだと思って、信用出来ない。
その上、日焼けして肌の色が黒かったら「絶対日サロに行ってるわ」と思い込んでしまう。
日サロが悪いわけではないけど、なんだかわからないけど近づきたくないと、私は本能的に思ってしまう。
浮気も絶対してそうとか思ってしまうし、優しい言葉をかけてきたら、裏があるとか下心があると決めつけてしまうだろう。

ポロシャツをズボンの中にインしてたら真面目な青年なんだろうなと勝手にイメージしてしまうように。

鼻が大きかったら…まぁ、それは置いておこう。
運転が上手かったら…ままま、それも置いておこう。

そんな、一部だけを見て私は、この人はこうなんだろうなというイメージを持ってしまう。
さもそれが正しいかのように。
さもそれが全てのことのように。

そして、それに見合った噂が流れてきたら
「ほら、やっぱり。思った通りだ」と決定づけてしまうし、そうじゃない話を聞けば
「え?騙されてるんじゃない?あの人はそういう人じゃないよ」と、疑ってかかってしまう。

ニュースなどで犯人が捕まった時に映し出される映像。
もしくは捕まる直前に取材してた時の映像とかがたまに映し出される。
そういうものを見ると
「うわぁ、やりそうな顔してるわぁ」と思ってしまう自分がいる。

そして、その人がどのような経緯でどのような生い立ちをしてきてそのような事件に加わってしまったのか、背景を想像してしまう。
してしまうけど、その想像は、自分の見聞きしてきたものだったり、経験してきたものの中でしかないから、本質まで辿り着けてはいないことが多いと思う。
所詮自分目線の自分勝手な想像にしか過ぎない。

もしかしたら、真相は違うこともあるかもしれないのに、ニュースで流れてきた顔や服装などだけでやりそうだとか、優しそうに見えて実は…だなんて、そんな勝手な想像をしてしまうのだ。

チョコレートプラネットさんのネタで『悪い顔選手権』というのがあるけど、あれなんて、そういう心理をめっちゃ利用している素晴らしいネタだと思う。
あれはホント凄い‼️
あれ考えたチョコプラさんって天才‼️

だって、カメラがスローになってアップになるとなぜだかみんな悪い人に見えてしまうんだから。
あれをお笑いのネタにしようと発見したこと自体凄すぎる。


これもまた1つの印象操作なのかもしれない。

短いバージョンの松平健さんのYouTubeを見つけたので、よろしければどうぞ。

悪い顔に見えるよねぇ。
悪い組織のドンって感じに思えるわ。
不思議だよねぇ。

長いバージョンもありましたよ。
よろしければお時間ある時にどうぞ。


悪いわぁ。
悪いことしてそうって思ってしまうわぁ。

もうこれだけで色んなこと想像しちゃうよね。
何やった人かな?
どんな悪いことしたのかな?ってね。


ある一部を見ただけ、噂を聞いただけで、この人こんなことしてそうだとか、やってそうだとか、自分の想像や今までの経験だけで決めつけてしまいがち。

怖いねぇ。
怖いわぁ。
そんなふうになりたくないと思いつつ、思ってしまうんだなぁ。

やはり、物事はフラットに捉えたい。
けどそれがなかなか難しい。
フラットねぇ。
「フラットって何かね?」
かぼちゃ持っていく?
いや、そのくだりもう終わった。
失礼しました。


やっぱり私は人をフラットな気持ちで見ることがなかなか出来ない。
だからこそ、この映画を観ていると、ことごとく、『まんまと』ということになってしまったんだ。

噂話。
思い込み。
言葉の行き違い。

ほんの少しの嘘からのズレ。

こうあって欲しい。
こうだからこうなんだろうという推測。

想像力の欠如による悲劇。

人それぞれの正義。

『踊る大捜査線』の和久さんが
「正義なんてもんは胸に秘めておくくらいがちょうどいい」って青島くんに言ってたけど、そういうことなのかな?

ん?どういうことかな?

正義って、かざすと結構危険なのかもね。

その正義をかざした時に、加害者になり、被害者を生み出す。
そういうことで悲劇が生まれたりね。


あー、アンパンマンに出てくるバイキンマン。
バイキンマンは悪いことして、アンパンマンにアンパンチされちゃうけど、ドキンちゃん側からしたらいいやつよね。
ドキンちゃん目線で考えたらバイキンマンは正義。
ドキンちゃんのためにお菓子やら何やらを奪ってくるんだから。
優しい男じゃないの。

しかもバイキンマンは、赤ちゃんマンにも弱い。意地悪しないしね。

いいやつよ。


話を『怪物』に戻そう。

出演者。
これはもう間違いなく素晴らしい方々でしたね。

安藤サクラさんって、生活感が見えるから、リアルに感じることが出来る役者さんなのよね。

あー、こういうお母さんいそうっていう。
今回はシングルマザーだけど、そうじゃない役の時もちゃんとその映画の中でその人が生きてきたという道みたいなものが見える。
あれはどういうことなんだろう。
本当に凄いと思う。

ダンナさんが亡くなってその子どもを大切に育てているお母さんって感じが全身から出てるのよ。

『万引き家族』の時もちょっと変わった環境の人だけど、リアルさがあるわけよ。

彼女は奥田瑛二の娘だし、安藤和津の娘なんだから、いいとこのお嬢さんのはずなのに、お金もなく、世間からはみ出して生きている、いわゆる負け組と言われてしまうような人というのをちゃんと演じられるって、凄いことだと思うんですよね。

どんな役でもちゃんと演じられる。

予告を見ていたら、今度はHey!Say!JUMPの山田くんとも映画に出るみたいだし『ゆとりですがなにかなにか?』も映画やるので、それにも出演されますしね。
噂によるとテレビドラマにも出るとかって。
引っ張りだこ。
そりゃそうよね。

私がキャスティングの人ならやっぱり安藤サクラさんは使いたい役者さんだもの。

ホント今回の役も素晴らしかったです。


永山瑛太さん。
こちらもねぇ。

ホント、彼だからこそ、私はまんまとってことにもなったねぇ。
上手かったわぁ。

彼の表情、目つき、態度、セリフから「この人こうなんだろうな」って、思わされた。

で…『まんまと』でした…。

瑛太さんならでは。
ある意味、心が読めない人って感じだからね。
いい人も悪い人も出来る役者さんなのよね。
瑛太さんは。
だから、良かったんだわ。


田中裕子さん。

もうもうもう‼️
ホント凄い‼️
大好き💖
うますぎる‼️

あの表情からセリフひとつひとつの言い方。
今思い出してもゾクゾクする。

『Mother』も『woman』も『anone』も『初恋の悪魔』も彼女がいたからドラマがよりギュッと引き締まったと思う。

私的に『最優秀助演女優賞』🏆


あー、あとは子どもたちも凄かったね。
メインの子どもたちはもちろんだけど、クラスメイトたちの演技も自然すぎた。

自然な感じに演じてるから、セリフセリフしてないし、リアルを感じることが出来た。

だから、よりこの作品がリアルに感じることが出来たんだと思う。

あるよねぇこういうことって…って。
だから、いつもの感覚でニュースを見た時の感覚、人から聞いた感覚で、映画の中の話の物事を捉えていたのかもしれない。

あー、そうだ。
これもまた切り取りのような感覚だ。
リアルな世界の一部を切り取って見せてくれたような…。
そんな感覚。
だから、映画を見せられているというより、その世界に入って、自分がいつも感じていることを感じて考えていたのかもしれない。
誰の立場?
どの立場?
みたいな。

臨時に集められた保護者説明会なんて、私出席してた気分だった。

さすが是枝監督。


で、脇を固める役者さんたちも良かった。
高畑充希さんもなんていうんだろ…いそうな感じっていうか…。
高畑充希さんだからこうかな?と思わせておいて、あー、なるほどそっちかみたいな。
これもまた私の勝手なイメージがそうさせたわけだけど…。

東京03の角田さんはいそうな先生だったなぁ。
リアルだった。
東京03のコントもリアルっぽいからね。
ホントいそうな先生って感じだった。

中村獅童さんもあー、もうそれこそまんまそうね、いるねみたいな感じのリアルさがあった。
なんでだろ。
実際はお子さんとも色々メディアに出ていいお父さんって感じなのに。
イメージがピッタリでしたね。


勝手な思い込みやイメージだけで物事を判断するのは良くないなと改めて思わされた作品だったけど、結局この映画を観ようと思ったのは、私の勝手なイメージのみなわけで…。

是枝監督だからこう、坂本裕二さんの脚本だからきっとこう。
で、そこに安藤サクラさんがいたら、これはもうハズレはないでしょっていう私の勝手なイメージね。

それは間違ってなかったなとも思うわけですよ。

なので、一概にイメージを持つことが悪いとも言えないし、持たないってことは出来ないとも思うわけで。

固定概念やイメージに固執することなく、なるべくフラットな気持ちで物事をみたいなと改めて思いましたね。


なかなか映画館に行くことも出来ないけど『ゆとりですがなにか』は観に行きたいなぁ。

ネタバレありとは書きましたが、なるべくネタバレしないように書きました。

なので、本質には辿り着いてないような感想になってしまいましたが、ネタバレありきでも所詮このくらいのレベルの私の感想文。

最後までお読みいただきありがとうございます😊


いやぁ〜、映画って、本当にいいものですね。
さよなら。さよなら。さよなら。

しあわせをありがとうございます💖
うちなる平和を💕
シュカポン🐼

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