悩むのも、傷つくのも、その人
『人を察する、寄り添う』
これらの一連の流れは
自分と相性が良いと思う人
ピンポイントでやってほしいほど、わたしは苦手で
人様に感謝ができない自己チュー人間とか
自分が寄り添ってもらったことに
当たり前だと思っている人間とか
他人へ思いやりがない、親切の押し売り人間
自分の利益しか考えられない人間の、レッテル
考えると、頭がおかしくなるので
他人を理解しなくていい
わたしには、苦い経験がある
まだ20代中盤
会社命令で、隙間時間に資格取得の勉強をしていた
終電を逃したときも
公園で、テキストを広げ勉強していた
別の大学に進学した同級生は、司法浪人生だった
同級生が必要としてくれるときだけ
電話で話を聞いたり、お茶をしたり
彼女の話を一切否定せず、聞き
その代わり、深掘りもしなかった
彼女の「つらい、死にたい」
「自分の生きる意味はなんだろう」
彼女の哲学に耳を傾け、相槌を打つ
わたしは資格取得で、自分に余裕がなく
もとより、心は広くない
たまに
「何かあったの? 勉強が大変なの?」
彼女の言葉に至るプロセスを聞いたが
「今のアタシを見れば分かるでしょ」
彼女のヒステリー気味での答えに
「分からないから聞いてるの」悪態をついた
そんなある日
彼女のお母様から電話があった
「娘が自殺を図りました」
大量のアルコールとオーバードーズ
彼女の親族が様子を見に行き、発見が早く
一命を取り留めた
彼女が退院してから、わたしは辛かった
「何で分かってくれんかったん…」
彼女と長電話や対面した沢山の時間で
彼女は司法浪人生の立場
試験とは無関係な、具体的なことは黙っていたのに
どう、わたしは察すれば良かったのか
相手が言いたくない事は、聞かない
相手が言わない事を知らないと怒られる様
彼女から告げられても、彼女の欲しい言葉は
必ずしも倫理的に正しい言葉じゃない
優しさは想像力だと思う
他人の機微や機嫌に気づくことがある
他人も同じで
察しの良い人と居るとき、しんどさがある
他社との交流会が行われた
場の空気を読んで、会話に乗り
「ですよね〜」なんて、会に馴染んだつもりだったが、わたしの中では、明日ある昼からの会議や
それまでに詰める作業
当面の予定などを頭に巡らせると
睡眠時間の確保ができない
寝るどころか、いつ身体を休めていいのか
表情は笑って、でも涙が溢れそうだった
「月に代わってお仕置きよ!」
おどけて見せたとき
「どうぞ」ハンカチを渡してくれた人がいて
「ももまろさん、泣きそうだから」
交流会の場、「どうしたの?」
「ももまろちゃんに嫌な事をしちゃったかな」
神妙になりつつある雰囲気に
親切は有り難いが、武士の情けで
交流会の時だけは察してほしくなかった
自分の中に耐えていた感情を露出させないで
人は身勝手で、面倒臭い生き物だ
もちろん、わたしも含めて
察するも、寄り添うも
居酒屋で最後に残った1個の唐揚げを
押しつけたり、欲しかったと文句を言ったり
察して黙ると「空気が読めない」「鈍感すぎる」
公開処刑までするクセに
分かれば分かったで
「あの人は察しが悪い」と悪者にする
どこか、息が詰まるものがある
悩むのも、傷つくのも、その人だから
自己決定権と自己責任で、自己処理するしかない
他人へ感情を委ねるのも、自己責任
外野は、その人の気持ちを応援する程度
他人にスルーされてもいいくらいの案件だからさ