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『肝心なことは人任せにしない』

「悪いことはできないな」って思ったのが
学生時代、「集団カンニング」を決行した
それぐらい、わたし達は遊びほうけていた

某県、屈指の進学校出身
中村くん(仮名)へわたし達はある教科を託した

中村くんは別の学部で、偏差値は「うち」より上
卒業した高校の偏差値はかなり上

「中村、頑張れ」ってことで、わたし達は
中村くんが解くものを横目で見て
わたしより後ろにいる子は、中村くんの左右を見て
それぞれが解答欄を埋めた

もう少しで試験が終わる頃
後ろから「これ、解答欄が1つずつズレてる」
そんなことを言い出した

わたしが解けそうな問題をやってみると
本当にズレていた

心の中では「ゴルァァァ中村!」と叫び
分かるところから全集中し、試験に挑んだ

「ああ単位、落とした…やべーなぁ」

暗澹たる気持ちで朝を迎え
親への申し訳なさと
ひたすら謝る中村くんを責める気持ちにならず
自分の愚かさをただ悔いて過ごした

中村くんには、当面わたし達が折半して
好きな物をご馳走し、朝までカラオケに付き合った
精一杯の懺悔とは、所詮こういうもの

ギリギリなんとかなったと確定し
安堵に包まれたが
「肝心なことは人任せにしない」胸に刻んだ

中村くんは4年のとき
「ももまろっちが30過ぎても独身なら
俺が奥さんにするからね」と言ってくれたが

『肝心なことは人任せにしない』

お言葉だけは有り難く頂戴し
今日もなっちゃんと、お気楽に生活している