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先生! ドッヂボールのせいです

言葉遣いが悪くなったのは、ドッヂボールのせい
たった今、決めた

ドッヂボールと負けず嫌いのわたしは親和性が高く
枠の内側に残るのは
クラスで、わたしがダントツのトップだと思う
苦手なんだけど、生き残る自信だけはあった

ドッヂボールは意地悪なゲーム

枠の外には、各辺にボール投げが強い
スポ少に所属する男子がいて
枠内の“ネズミ”を吟味し、狙っていた

最後に、枠内のわたしはいつも一人ぼっち

枠外の男子からボールをもらって、投げ渡す
男子がトチって、敵にボールを取られたら
「チェッ」
わたしは自然と舌打ちしていた

ボールから逃げる、ボールを受ける
一人二役
狙われて、飛んできたボールを胸と両手で受ける

ただでさえ球技が苦手で、突き指したり
ボールを受けた圧で、尻もちもつく
「チェッ」

仕返しに、外枠の敵へボールは投げ返せないから
ボールを受けて即座に、渾身の力で
「てめー!」
敵枠にいる、弱々しい女子に当てて泣かせてしまう

わたしに球技をやらせてはならない

高校時代、バスケに駆り出され
ディフェンスをやらされた

華麗なダンクシュートやロングシュートは、困難
鬼の形相で「球、返せ」
三年生の先輩達から
「怖いから、そんな目で張り付かないで」

目は口ほどにモノを言う
言葉遣いの悪さが目に出て、苦情を受けてしまった