「家庭料理は精神安定になるね」と

友達から届いた画像は美しく彩った
お味噌汁と焼き魚

とても美味しそうで、どちらの料理本かと思ったら
友達の手作りだと聞いて
「お笑いに向いてるし、料理研究家もいいね」
勝手に人様の進路を、わたしの脳内で会議した

これからの定番メニューに、お味噌汁が増えた

わたしは夕食しか食べないので
お味噌汁の具は野菜が豊富というより
弟いわく『野菜の味噌煮』らしい

必ず入れるのが、かぼちゃ・あげ・わかめ・小松菜
それ以外は冷凍保存しておいた、冬瓜やかぶ、大根
レンコンとキノコ類など野菜に決まりがない
入れないものは、豆腐
母子ともに、苦手意識が抜けない

お味噌は、麹の割合が高い白味噌か合わせ味噌
白味噌は、西京焼きや肉を焼く時に重宝する
夜に、ニンジンを齧る時も役立つお味噌

友達に好評な、野菜たっぷりのお味噌汁
野菜からの出汁も甘くて美味しい
「やっぱ、お味噌汁は具沢山よね」と
純粋に美容食だよね、なんて会話して

いつだったか、幼なじみが落ち込んだ時期があり
「出来ることがあれば言って」
メールを送ると、すぐに電話があり
「土曜、ももの家に行くからお味噌汁が食べたい」

サツマイモやほうれん草など
栄養があって、見た目が良いものを具にしてみた
大根も、葉っぱを刻んで下茹でして入れ
わたしが出来ることはやった

無言で食べた後「今日は眠れると思う」

幼なじみは、どれだけ不眠だったのか忘れたが
今より重い、note型パソコンを取り出し
仕事を始めたのが印象的だった
時折、「キーッ」と多分backspaceを連打し
爪を噛みながら画面を見入っていた　

「家庭料理は精神安定になるね」と言われ
あれで安定してたの、なんて思った

気楽に自分が好きな物を作って食べる
奈々は、カリカリとちゅーるを食べる
幸せは身の丈に合って、とても小さい
せめて、お味噌汁の具だけでも盛大でいい