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よく出来た童話だなって、今も戒め

昔、見聞きしたものが
年を重ねるごとに感じ方が異なるのは
よくあることで、野坂昭如氏の『火垂るの墓』が
該当しやすいかもしれない

わたしは「わかやまけん」氏の
『こぐまちゃんとしろくまちゃん』展に行った

そこで
わかやまけん氏が『ごんぎつね』の挿し絵も
担当した経験を知る

『ごんぎつね』は、胸が痛くなる童話で
人は過ちを犯すと、改心しても許しは得られない
…子どもの頃は、戒めにしていた

成人になった今は、すっかり変化した
『ごんぎつね』に出てくる「兵十」に
「確認ぐらいしなさいよ」突き放す

誰がいつも食糧を持って来てくれるのか
ごんは何しに家へ不法侵入したか
そして兵十に対し
「どのみち、ウナギは捕獲できなかったよな?」

「ごん、お前だったのか…」で、済ませるか?

兵十は村人という団体で
命を奪った悪事をより、正当化できる
ひとりぼっちの孤立した存在は
事実を隠蔽され、ひとりぼっちを悪者に仕立てる

慎重さが足りない兵十が、立ち直れないほど
わたしは揚げ足取りをするだろう
こんなウッカリ八兵衛に業務は任せられない

兵十のように火縄銃で撃ち殺しはしないにせよ
職場にも、どこでも
自らの落ち度は棚上げし
自分の行いは振り返ろうとせず、他責にして
実態が判明すると、テヘペロで済ませるクズが多い

『ごんぎつね』の作者、新美南吉氏はクリスチャン
よく出来た童話だなって、今も戒めになっている

#教科書で出会った物語