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自己犠牲で満足しない体質

夏じゃん?相変わらず、恋愛の話をしてみる

昔、こんなことがあった

友達の好きなAくんは女性からモテモテのイケメン
でも「Aくんは、ももまろが好き
アタシはAくんと別れるので
ももまろは、Aくんと付き合ってほしい」

打ち明けられたとき、友達の残酷な献身に憤った
友達はAくんのお母さんみたいな
男性に尽くすのが好きだった

友達のノロケ話は聞いていた

Aくんに会うと嬉しくて
会えない日はAくんの家まで行き
Aくんの部屋に灯がついている
近くにいると気分が高揚して
Aくんを運命の人だと確信したらしい

Aくんとの時間で安らぎを感じ
Aくんの全部が欲しいので、将来は結婚したい
Aくんの思考、言葉、傷も、過去も全て欲しい
友達を自分らしく感じさせてくれるのが
好きだったようで

Aくんが望むことをしてあげたい
Aくんが望まないことをしない覚悟

Aくんに自分が求められていなければ
Aくんを諦める覚悟

愛しているからこそAくんには幸せになって欲しい
それが自分の希望ではなくても
相手のために身を引ける覚悟

友達の愛は、美しさと悲しみで
全米は泣いてくれるだろうが、友達とわたしは違う

友達もまだ若かったので
恋をすると自分が何者であるのかを
理解していなかったのだと思う

どこか相手の人生に寄りかかり
自分自身の人生がないのだろうなとも思った

友達個人の利益のためでなく
Aくんの成長に尽くしているとしたら
それは本当の愛だと認定しても
Aくんにとって愛情は、愛着と性欲じゃん
自分に「都合が良いとき彼女」なんて

友達は、Aくんとわたしを遊園地に呼んで
三人で地獄のデートをした
わたしは、友達とAくんへ慎重に気遣いして疲れ
帰り際、友達からAくんをもらった

しかしAくんを渡されても、すぐに別れてしまった

Aくんの同級生や親友、家族や親戚に紹介され
学生の身分であるわたしに
結婚式場のパンフレットを見せられて
有り難いほど、愛情は感じても
どうしてもAくんを好きになれなかった

わたしは、好きになった人の存在やあり方が好き

物事に対する情熱や思慮深さが好き
偏見のない部分や屈託のないところ
目的を持ち、自分の人生を生きている

知的で、明瞭な線引きや欲求があり
信念を曲げない強さが好き

相手にはわたしが必要ないのに
それでも相手がわたしを選ぶということが好き

やっぱり本質的に相手を好きだと感じないと…

友達の有り様
制限や限定のない愛情は素敵だと思う

Aくんの全てを受け入れ
まとめて愛せるような人でありたいと思う反面
わたしはわたしが可愛いので
自己犠牲で満足しない体質だなと
しみじみ思った出来事だった