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湯船に浸かって浮かべるもの

妄想、空想、想像、どれかな
わたしに別の人生があったらを頭に浮かべる

小さな平家に住み、高台の庭から海が展望できる

裏庭で洗濯物を取り込んでいると
「お母さん!塾!早く送って」
わたしに似た茶髪で色白の娘が
口を尖らせ、「今日テストって言ったじゃん」
ああ、忘れていたと娘を街まで車で送っていく

日が暮れて、奈々と猫じゃらしで遊んでいると
「ただいま〜」玄関からレオ氏の声がする
疲れたと言いながら
「あれ⁈ 茶子は?」
「今日、塾〜! 7時に迎えへ行ってきてよ」

家族“4”人が揃って、簡素な夕食
「土曜、晴れるらしいから畑の芋掘りするよ」
「お父さん、その日はルナちゃんと約束した」
「じゃ、なっちゃんが猫の手で掘るか」

慎ましいながらの生活を空想する
子どもは、女の子がいいな
レオ氏は女の子の名付けだけ、してある

なつがいて、レオ氏がいて、憩う日々
レオ氏もわたしも両親には良くしてもらったので
子どもにそれ以上の愛情を注ぎたい

湯船に浸かって、とりとめとなく頭に描く