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愛が悪にしか思えず

雷鳴に反射して、猫の奈々をわたしの全身で庇う
これが本物の愛なのか
恋のように求める気持ちがなく
与える気持ちが強くあるのが愛なのか

国と国まで持ち出すのは、今は置き
親子、友人、恋人、隣人…
自分の身の回りの愛を何かと思考する
奈々が弱々しくなるほど、考える時間が増えた

奈々とは、理想も交えると
崇高な絶対の信頼関係を築いたと自負するし
ハナから恋という関係はなく
対等な家族関係になっているように思う

他者から指示を得ない
湧いてくる感情を言葉に当てはめると
それぞれの勝手な解釈で
奈々とわたしは、愛ではないかもしれない

なぜなら、ブッタが定義している愛は
異性などを指した愛欲であり執着で
欲望や衝動から生まれてくるものもあり
動物的な本能から派生しているのであれば
いずれは失われる感情となる

愛という概念は、理想に過ぎないのかな

わたしは精神の病いを患っており
病いの特性に、愛着障害がある

よって、正しい判断力を失っているから
愛が何か分からなくなっている

恋愛感情は関係なく、相手を想えるのに
病名があるがゆえに、愛が悪にしか思えず
わたしは奈々へどうするのが正しいのか
戸惑ってしまう

高齢だから、安楽死させるのが良いのか
天寿を全うさせるのが良いのか
どれが本物の愛なんだろう

他者の定義に振り回される
少し違えば、叩かれる
感情を細かく定義づけできるのか、疑問に思う

共感されている格言を読むと
他者全般は、愛は伝えなくても伝わるらしい

わたしは伝えなくても、伝わると思えないし
大切な人にこそ、言葉や態度で示さないと
感情は萎えてゆき、消滅しそうな気がする

何気なく言ったことを覚えてくれている
たったそれだけでも、わたしは嬉しいけど
他者には、当たり前で
もっと大きなものを要求されるなど

わたしから見る他者の愛は
強者への媚びであり、弱者への搾取であり
とても下品な利益の追求に思える

奈々を通して愛を考えると
わたしという人物は、人間の形をした別の生き物で
上空でも深海でもいいから
早く爆縮して灰になりたいと思ったりする