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童謡の歌詞からもらう望み

♪ きんのびょうぶに うつるひを
かすかにゆする はるのかぜ

幼稚園児のときから
なんて美しいことばなんだろう
『たのしい ひなまつり』に、耳を傾け聴いていた

金の屏風に映る陽を 微かに揺する 春の風

春が気持ちに触れて
昼間は、ほど良い気温で包み込んでくれる感覚
やっと春が来るんだ
フェルトの分厚いコートを脱ぐ日が増える

♪ おへやは きたむき くもりの ガラス
うつろな めのいろ とかした ミルク
わずかな すきから あきの かぜ

こちらは童謡『ちいさい秋みつけた』
母に歌ってもらったとき
一目惚れならぬ、一耳惚れした部分

ハロウィンなんて、聞いたこともない時代に生まれ
秋は、紅葉した落ち葉やどんぐりを拾い
画用紙に工作してゆくのが、楽しかった

どちらの歌詞にも「かぜ」が入っている

風が身体を吹き抜けると、胸がきゅっと締まり
根拠のない期待と希望がこみ上げ
もう少し、頑張ってみようと思えた

童謡の歌詞からもらう望みは
今になっても、わたしの中に根づいている

わたしはわたしを捨ててはいない
自分に諦めない限り、どんなに険しい道でも
転んでも、したたかでも、歩んで行く
追い風に導かれると信じている