実態の無い『人並み』に囚われ
人並みに生きるなんてものは
恐らく、自分が望んだ生き方とは
別の現実を歩んでいる最中に思う
20代の頃に目を向ける
氷河期で、やっと内定をもらった企業では
下げたくない頭を下げ、理不尽に叱られ
気を払いながら周りに溶け込み
殺伐とした刑務所部屋に帰って
ネコとネズミの世話をし、洗濯を終えて寝る
本当なら、夕方まで寝ていたい休日は
人並みの暮らしを求め、携帯に起こされデート
雑貨、本、洋服を見ていたいのに
なぜだか、彼氏の部屋にいて
大したスキルもないヤツとイチャコラし
小綺麗なカフェレストランで
鳥のエサみたいな夕飯を食べる
ああ、これが普通か
ああ、これが幸せか
人並みに生きるって、思っていたより虚しくて
自分の問題は
自分の内側で満員御礼になり、破裂しそう
「自分」対「自分の理想」と比較するので
自信が無くなっていく
他人との比較より、結局は自分のことを考え
足りないものが、次々と見つかるから
自らの至らなさが肥大化していく
自己憐憫と不甲斐なさは
ときに、現実逃避しながら外へ目を向けないと
自分に潰されてしまう
必死に普通を装っているだけかもしれない、世間様
みんな一緒という、幻想
実態の無い『人並み』に囚われ
苦しんで、得るものはあるのか
『人並み』なんて案外
SNSやゲームに依存して
断捨離本を読むほど、部屋が散らかり
切った爪を匂うフェチだったり
動画で、自慰行為に耽ているかもしれないのに
思ったことを口にして衝突するのも
家で地蔵になっていたいのも『人並み』なんじゃ
善行と綺麗だけで構成されている、世間様
他人が言わないことは「ないこと」として
皆とコミュニケーションを取るのが基本になるから
コミュ障の自分を惨めに感じ、希死念慮に陥る
欠落や大っぴらに人へ言えないことも含めて
『人並み』なんだよ
最近、誰に合わせて生きているのか
こんなのを考えちゃって