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あの世とこの世の境【六道珍皇寺】

京都の六道珍皇寺に行きました。

六道とは、仏教で説く死後の世界、地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人道・天道という六種の冥界。

人は因果応報により、死後はこの六道を輪廻転生すると言われています。


近くには平安京の風葬地であった鳥辺野があり、お寺の正面にある六道の辻は冥界への入り口だと信じられていたそうです。

人の世の無常と儚さを感じるあの世とこの世の分岐点。

朝廷に仕える役人であった小野篁は、このお寺の井戸を通って地獄へ降り閻魔大王の補佐をしていたという伝説があり「冥土通いの井戸」と呼ばれています。


閻魔堂。閻魔大王像と小野篁像を祀られています。
格子の硝子に二箇所ほど中が見えるところがあります。
覗きながらの参拝。

この奥に冥土通いの井戸があるそう。特別拝観の時しか見られません。

左隣は「迎えの鐘」緑の格子の下の紐を引くと、あの世まで鐘の音が響くと言われています。

お盆の頃には、ご先祖の精霊をお迎えするために、多くの人がお参りに来られます。

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私は京極夏彦の小説が好きで、百鬼夜行シリーズや巷説百物語シリーズなど怪しい話にわくわくします。

おかげでこんな本にはまっていたことも。
京都の魔界伝説を読み、想像にふけりニヤニヤ。


多くの人で賑わう華やかな京都ですが、
人気のない路地や神社やお寺の片隅などに、
ふと垣間見る闇が漂う雰囲気が好きです。

メインの通りは、道いっぱいに外国人観光客の方々も大勢いて、英語しか聞こえてこない時もあります。

だけど、一本路地に入ると観光客は一人もおらず、珍皇寺の周りも静けさに包まれていました。

地面を踏みしめる土の音だけがやたら響く境内。

自分がこの世かあの世かどちらにいるかわからなくなる森見登美彦の小説のよう。


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