見出し画像

著…荒木経惟『いい顔してる人 生き方は顔に出る!』

 顔には全てが表れる。

 ということが書かれた本。

 この本のポイントは、著者の言う「いい顔」はいわゆる「整った顔」ではないということだ、とわたしは思います。

 単に顔立ちが綺麗なだけの顔には翳りがない。

 色香がない。 

 深みがない。

 味がない。 

 歴史がない。

 「生きている」という感じ、言うなれば動物性が滲み出てこない。

 きっと著者はこの本でそういうことを言いたいのではないでしょうか?

 また、わたしは、

 「人間と関わりたい、ふれ合いたいと思う。そうしたらずーっと見つめて、見つめまくって、そこにある人間性を引っぱり出すのがアタシのやり方。それを〝表現〟って呼ぶヤツがいるけれど、アタシはその言葉嫌いだね。〝表出〟だろっつーの。あくまでもともとそこにあるものが、写真を通して出てきちゃうんだから」

(荒木経惟『いい顔してる人』単行本版P18から引用


 という言葉も好きです。

 顔は服で覆えません。

 顔はいつだって裸。

 だからこそ、顔にはこれまでの生き様が全て表出する…。

 そう考えるとゾクッときますね。

 理屈じゃないエネルギー。

 わたしも「いい顔してる人」になりたいです。

 では、いかにしてなるか?

 それについて著者はこう述べています。

 「まあだから、いい顔になるいちばんいい方法は、ちょっとキザだけど、人を愛することなんじゃないの? しかも血の流れてる愛だよ、情が通ってるやつ。通い合っている喜びがあると、それは必ず顔に出るんだよ」

(荒木経惟『いい顔してる人』単行本版 P40から引用)

 と。

 「血の流れている愛」

 「情が通う」

 「通い合っている喜び」

 …それって一見簡単そうに見えるけれど、実はとても難しいことですよね。

 自分ひとりが頑張ればどうなるというものではありません。

 必ず他者が必要。

 きっと、誰かに愛してもらうためには、自分も誰かを心の底から愛さなければならないのでしょうね。

この記事が参加している募集

読書感想文

いつもスキ・フォロー・コメント・サポートをありがとうございます😄 とても嬉しくて、記事投稿の励みになっています✨ 皆さまから頂いた貴重なサポートは、本の購入費用に充てさせていただいています📖