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編著…山田治生 他『オペラガイド』

 まだ劇場でオペラを観たことが無い方も作品名には聞き覚えがある、そんな有名作品のあらすじ・見どころ・聴きどころを写真付きで紹介している本。

 たとえば、

 ●蝶々夫人
 ●セビリアの理髪師
 ●魔笛
 ●サロメ
 ●カルメン
 ●ファウスト

 といった世界各国の有名どころがズラリと並んでいるので、カタログ感覚で楽しく読めます。

 100年以上昔に作られた作品が多いのに、現代人にも通ずる恋心、悩み、複雑に絡み合う思惑が描かれているので、登場人物の気持ちについ感情移入してしまいます。

 特に、『椿姫』の解説ページの、

 ヴィオレッタは本当に愛に生きたかった。ジェルモンが帰ったあと、戻ってきたアルフレードに、ヴィオレッタは「私を愛してくださいね。アルフレード、私があなたを愛しているのと同じくらい」と叫んで出て行く。

(編著…山田治生 他『オペラガイド』P16から引用)

 という箇所を読んだら、ふいにわたしは泣きたくなってしまいました。

 自分は不治の病にかかっていて、これが人生最後の恋かもしれない、と自覚していながら、ヴィオレッタは身を引いたのです。

 愛しているから。

 その切ない胸中を想像すると、やっぱりわたしは泣きたくなってしまいます。

 両想いだからといって必ずしも結ばれるとは限らない…というのが世の中の哀しいところですよね…。

 だからこそ、両想いなのに引き裂かれてしまってなかなか結ばれないカップルを応援したくなるのですが…。


 〈こういう方におすすめ〉
 オペラに興味があるけれどどれから観ようか迷っている、という方。

 〈読書所要時間の目安〉
 2時間くらい。

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