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原作…スターリング・ノース 監督…遠藤政治、斎藤博、腰繁男『あらいぐまラスカル』

 わたしは子どもの頃、アニメ『あらいぐまラスカル』を夢中で観ていました。

 大人になった今日、図書館でこの絵本を偶然発見!

 懐かしくなって、借りて帰ってきました。



 ※注意
 以下の文は、結末までを明かすネタバレを含みます。
 未読の方はご注意ください。



 これは猟師にお母さんを殺された幼いあらいぐま・ラスカルと、病気でお母さんを亡くした11歳の男の子・スターリングの物語。

 お母さんのいない子ども同士が寄り添い合うように暮らしていくのが切ないけれど、ほのぼのするシーンも沢山あって和みます。

 わたしは特に、ラスカルが角砂糖をミルクで洗おうとして、角砂糖が溶けてしまうシーンが好きです。

 ラスカルが「あれれ? 無いよ〜」と言うかのようにキョトンとする表情が可愛くてたまりません。

 …こんなに愛らしい子を残して死んでしまったラスカルのお母さんやスターリングのお母さんの無念を想像すると、胸が痛みます。

 スターリングのお父さんも、妻を亡くし、農場の経営が行き詰まるという、ただでさえしんどい中で、息子があらいぐまを飼っていることを近所の人から責められて、精神的に相当まいったでしょうね。

 あらいぐまって、見た目こそラブリーですが、実際は厄介な動物ですから…。

 それでも、お父さんがラスカルを酷い目にあわせなかったことに、深い愛情を感じます。

 ラスカルとスターリングはとっても仲良しですものね。

 大事な大事な親友。

 …けれど、あらいぐまと人間がいつまでも一緒にいるわけにはいきません。

 大好きだからこそお別れをして、それぞれが大人になるための第一歩を踏み出してゆく…。

 素敵な作品ですよね。

 またアニメも観返したくなりました。


 〈こういう方におすすめ〉
 『あらいぐまラスカル』が好きな方。
 あたたかい友情の物語を読みたい方。

 〈読書所要時間の目安〉
 30分くらい。

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